 | 「学び」や「交流」を提供するコミュニティ
遠方在住者や初心者にも学びの機会を提供
一級時計修理技能士の藤本信和氏と晦NALOG TWELVE(東京都千代田区、赤松隆社長)が共同でインターネットを通して、機械式時計の技術に係る「学び」や「交流」を提供するコミュニティ「Online Watch Academy」を10月15日に発足した。また、同アカデミーの最初の取り組みとして、12月にはじまる時計技術のオンラインレッスンに参加 するラーニング会員の募集も同日に開始した。なお、藤本氏は同アカデミーの代表講師を務め、体系的なカリキュラムによるレッスンを提供する。 Online Watch Academyは、インターネットを通して、より多くの人に機械式時計の技術と魅力を伝え、次世代にその技術を継承していくことを目標としており、「学び」や「交流」の機会を継続的に提供していく予定としている。その最初の取り組みとして、日本全国どこからでも参加できるオンラインレッスンを12月から開始する。 現在、日本国内に時計技術の専門学校は、関東と関西で合わせて3校。しかし、遠方に住む人や、日中忙しく時間をとれない人には、時計技術を学ぶ機会がなかった。そういった、時計技術に興味があっても居住地や時間の制約があった人たちに、オンラインで学ぶ機会を提供する。 オンラインレッスンは、レッスン動画とライブ配信のハイブリッド式で構成され、どこにいても、専用サイトにアクセスして、自分のペースで学習を進めることができる。レッスン動画は、体系的なカリキュラムにより、初心者でも理解しやすいように組まれている。ラーニング会員は、講師の手技を近接撮影する高精細な映像を用いた動画を繰り返し見る ことで、時計の構造や修理手順を正しく覚えることができる。さらに、カリキュラムの進行に合わせて開催されるフォローアップライブで、ラーニング会員は、オンライン会議ツールZoomを介し、講師から直接アドバイスを受けられる。 ラーニング会員は、オンラインレッスンの他にも、ヴィンテージ時計を修復する様子を記録する動画や、 時計士の対談、メーカーの取材といった知的好奇心を刺激する動画も視聴することができる。 ラーニング会員が最初に学ぶカリキュラムは「ウォッチリ ペア基礎(全52回)」。時計の基本構造を理解しながら、手巻き時計、自動巻き時計、クオーツ時計のリペアに係る大事な基礎技術である、分解・洗浄・組立・注油を実際に作業しながら学ぶ。カリキュラムは、初心者でも一から学べるように設計してある。また、時計に関わる仕事をしている人が学ぶなら、時計内部の仕組みや修理技術をより深く理解するのに役立つ。 レッスン期間は1年間。カリキュラムはウォッチリペア基礎(全52回)、入会金11,000円、ラーニング会員費(年額)198,000円。 藤本代表講師は「20代前半から時計修理の世界に身を置いて早24年が経ちました。 これからどんな形で修理に取り組み、また技術を伝えていくかということを考えた時に従来とは全く違う形での取り組みが必要ではないかと思うようになりました。そこで立ち上げたのが、 Online Watch Academyです。オンラインで伝えるひとつの意義は、修理の技術を広く伝えることです。情報化社会と言われて久しい今、たくさんの映像やコ ンテンツが溢れるようになりました。しかしながら必要な知識を入手すること自体が難しかったり、またそれが正しい情報なのかを確認したりすることが困難に思えます。それらを改善していこう、というのも当アカデミーの目標です。そして、このアカデミーに参加する仲間が増えて、知識の交換をすることができれば、より良い技術の普及を手伝えるのではないかと考えています。修理の世界は孤独になりがちですが、インターネットは、日本国内はもとより世界中を繋ぐことができます。国境を越えてネットワー クが広がり、知識や技術の共有ができるようになったとき、私たちのアカデミー はより大きな意義を持つと確信しています」と意気込みを語っている。 https://www.analog12.co.jp/ |
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