 | 大正と令和女性の身支度にかかる時間が約3倍に
“新しい生活様式”取り組み始めた現代人 『セイコー時間白書2020』
セイコーホールディングス梶i東京都中央区、服部真二代表取締役会長兼グループCEO)は、6月10日「時の記念日」にちなんで、生活者に時間についての意識や実態を探る調査を2017年から実施し、『セイコー時間白書』として発表してきた。 今回で第4号となる『セイコー時間白書2020』は、全国の10代〜60代の男女1200人を対象に、新型 コロナウイルス禍により時間意識がどう変化したのかを探った。 また、1920(大正9)年に時間を守る生活行動の定着を目指して制定された『時の記念 日』が、今年で100周年を迎えることから、日本人の時間を守る生活行動についての調査も行い、この100年での日本人の時間意識の変化を分析した。 時間を守る生活行動の一つ「友人との待ち合わせの仕方」を聞くと、『前もって時間、場所をきっちり決めて集合する』が68.9%と最も多く、時間を守る日本人らしい行動が実践されている。 これを年代別に見ると、どの世代でも「きっちり決めて集合」が主流だが、若い世代では『大体の時間と場所を決 めて、移動しながらLINE等で調整する』を選択する人が多く、20代では39.0%と5人に2人が現場合わせ派[図9]。先のことを詳細に決めるよりも、現場に合わせて臨機応変にという方がこれからの時間の合理化・効率化に即しているのかもしれない。技術の進化とともに時間の使い方も変わっていくようだ。 『時の記念日』が制定された1920年に開催された『時の展覧会』の集録本には、「婦人一生のお化粧時間」として女性の身支度にかかる時間が紹介されている。それによると朝の洗面、化粧、髪結いにかかる時間は「一時間丗分」(1時間30分)、入浴時間は「一時間廿分」(1時間20分)と書かれている。それから100年後、現代女性の身支度にかかる時間が今回の調査対象者の女性600 人に聞くと、朝の身支度は 33.7分、入浴は 31.4分。100年前の大正女子と令和女子で、身支度にかける時間は約3倍も異なる。マルチタスクで昼休みものんびりできない現代人からすれば、うらやましい時間の使い方ともいえそうだ(時間コラムAより)。 また、特別インタビューでは、千葉大学大学院人文科学研究院教授で「時間学」の一川誠氏に、“新しい生活様式時間”について話を聞いているので、合わせて読んで欲しい。その他、主な調査結果は以下の通り。
■定点観測
▽時間との付き合い方がより自己主体的に。新しい生活様式に取り組み始めた日本人。 ▽「時間に追われる」感覚や、時間を効率的に使う“時間マネジメント”もやや緩やかに。 ▽上昇傾向の“時価”も見直しのタイ ミング? オンタイム4,443円(昨年4,427円)、オフタイム8,346円(昨年 9,632円)。しかしリモートワーク実施別では大きな差が。 ▽最も大切にしている時間は、昨年同様、仕事始めの「月曜7時」と仕事から開放される「金曜21時」。
■「時の記念日」制定100周年
▽時間を守ることから“自分にあった時間の使い方”へとシフトチェンジ。 ▽『時の記念日』が提唱した時間を守る生活行動、100年を経てすっかり定着。 ▽時間の使いこなしは60点!もっとうまく時間を使える伸びしろたっぷりで工夫の余地あり。
■コロナ禍による影響
▽生活者の8割がコロナ禍による生活変化を実感。リモートワーカーは変化度94%と影響最大。 ▽リモートワーカーの4人に3人(75%)は時間のメリハリが曖昧になっ たと感じている。 ▽64%が何らかのオンラインコミュニ ケーションに参加。 ▽コロナ禍生活の時間を表す言葉の No.1は「粛々」。心情を表す言葉の No.1は「イライラ」。 調査の詳細はhttps://www.seiko. co.jp/timewhitepaper/2020/で確 認できる。 https://www.seiko.co.jp/ |
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