 | 市場活性化を取り戻すため業界全体で取り組んだ
コロナ危機を言い訳に行動しないことこそが、真の危機を招く
リードエグジビションジャパン鰍ニ一般社団法人福井県眼鏡協会が主催する「第33回国 際メガネ展( IOFT 2020)」が、多くの有力眼鏡店から開催を後押しする声を集めて10月27日 〜29日、東京ビッグサイト西展示棟で開催された。 今回のIOFTに関わらず、コロナ禍により、展示会の開催に対する賛否があったのは周知の事実だが、中止となった展示会も少なくない中で、多くの有力眼鏡店をはじめ、メガネ専門小売店やチェーン店などから、コロナ禍の苦しい時を乗り越えるため、業界の復活、ひいては消費者の私生活を守るため、業界全体が一致団結し、商品を仕入れ、眼鏡市場に活性化を取り戻すためにIOFTの開催が一つの要因になると期待し、開催に賛同する声が聞かれた特徴的な見本市であったことをはじめに伝えておきたい。そして、福井県眼鏡協会の主催だけではなく、全日本眼鏡工業連合会と日本眼鏡卸組合連合会が共催、日本眼鏡販売店連合会と日本眼鏡技術者協会と日本補聴器工業会が協賛として名を連ね、眼鏡業界全体として業界のあるべき姿を追い求めていることが強みとなっている。 会場では、消毒や換気、体温チェックなど様々な新型コロナ感染症対策が行われ、開催数日前まではオープニングセレモニーも中止と発表されていたが、会期が近づくにつれ、有力バイ ヤーとなる多くの小売店が集まることが判明するとともに、“オープニングがないのも寂しい”という空気が漂い始め、例年のようなテープカットや気分を高める伴奏や見学者もなく、質素にはなるが、有力小売店と関係者のみが集まり、コロナ禍におけるオープニングが執り行われた。 リード社の田中岳志社長は「私は、昨年末にリードの社長に就任しました。これまで20年以上、リードで展示会をやってきましたが、一番理想とする展示会の一つが、このIOFTです。IOFTが最も活発に商談を行い、毎年約100億円の商談が行われる日本でも最高峰の商談展であり、出展社とバイヤーのビジネスに不可欠であることを強く実感しています」としてから、「(コロナ禍により)我々も“開催すべきか”大きな葛藤がありました。しかしながら、我々は最終的に『このような時だからこそ、IOFTをしっかり開催することで眼鏡業界に貢献したい。それが主催者の使命である』と考え、開催を決断しました」と説明。続けて「この決断に対して、何より嬉しかったのは、メガネのミキ澤田社長や東京メガネ白山社長をはじめ、ここにいる多くの眼鏡店の社長の皆様が『業界を元気づけるために、ぜひ開催して欲しい』 と応援くださり、我々も非常に勇気づけられました。改めて、皆様のご支援に心から感謝申し上げます」と謝辞。最後に「私どもは、このIOFTを益々充実させ、今後10年、20年とさらに発展させることで、眼鏡業界の発展に貢献する決意です。今後も皆様からの絶大なるご支援を賜りますよう、 心からお願い申し上げます」と締めた。 続いて、福井県眼鏡協会の谷口康彦会長は「福井産地もコロナ禍によって大きな打撃を受けました。福井は産地全体が大きな眼鏡工場になっており、今回のように受注が激減すると地元産業が危機に直面します。産地の雇用や生活を守るためにも、一刻も早く経済を元に戻す必要がある。その為にも業界最大の商談の場であるIOFTを予定通り開催し、商売の活性化を図ることは不可欠であり、このように開催できることは、大変嬉しい限りです。コロナ危機を言い訳にして行動しないことこそが、真の危機を招くと思います」と開催に向けた意気込み語った。そして「福井県より約50社が出展。Made In Japan製品を、バイヤーの皆様にしっかりと紹介し、仕入れていただこうと、 例年にもまして真剣に準備してきました。是非とも各社の熱い意気込みに応えていただき、積極的に仕入れをお願いします。そして一刻も早く眼鏡業界が活況を取り戻せるよう、心から期待してます」と熱弁した。 続いて、福井県選出の山本拓衆議院議員は「政府では、“脱ハンコ”と言われていますが、目はますます酷使されることになり、そこでメガネは重要な役目を果たします。また、国会では、省庁の横断によって規制改革を行う動きが活発化しており、メガネの眼鏡技術者 国家資格の動きについても、医師会との決着がつき、 来年度には成立できると思います。法制化も実現しますので、眼鏡業界を盛り上げましょう」と励ました。 これだけ大きな期待が寄せられながらも、コロナ禍の影響による経済へのダメージが大きいとみられ、当初見込んでいた出展数の270社を大幅に割り込んだと思われる。 来場者数については、例年通りにデータを集めた結果を事務局が発表するのを待つばかりだが、販売現場を盛り上げるべく準備された3つの特別講演や各セミナーはソーシャルディスタンスを保ちながらも満席の状態で、 眼鏡業界の今後を把握するためにもと足を運ぶ小売店やバイヤーは多く見られた。 これまで通り、Made In Japanを売 りにした製品や、最新モデル、技術や新しい発想を取り入れた新商品も沢山紹介されたが、仕入れの全体的な量は予想以上に減少しているようだった。 販売が滞ることにより、流通をこじ開けるようにインターネットを使った販売や仕入れサイトなどを提案する新勢力も見られた。技術力によって低単価からの脱却に何年も取り組んできたことが崩れないようにすることが、今後はまた大きな課題となりそうだ。そして単価を上げる努力とともに、市場での奪い合いではなく、市場拡大を業界全体で目指すことが大切だ。 ニューノーマルやウィズコロナで新しい価値が生まれ、それに対応した新しい販売方法に、“メガネ専門”としての 価値を伝えていくことが重要である。 https://www.ioft.jp/ja-jp.html |
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