 | ”対話“と”オーダーメイド“軸に「めがね舎ストライクBASEMAN」
『ビスポーク』という文化を根付かせるために挑む
京都の地場百貨店藤井大丸の7階メンズファッションフロアに、“本来あるべき選択肢”をもたらす「めがね舎ストライクBASEMAN」が4月7日にオープンした。*現在は当面の期間臨時休業中。 一般的な眼鏡店は、何十本、何百本ものフレームを店内に並べ、たくさんの既製品の中から一本を選んでもらうスタイルが主流。しかし、同店の店頭には、わずか10〜20本ほどの眼鏡しかディスプレイされていない。 その代わり、内装の主役となるのが、BARをイメージしたカウンター。顧客とじっくり対話ができるように、椅子も用意している(時には本当に、ハイボールやビールを無償で提供する)。 同店は、日本の眼鏡業界に『ビスポーク』という文化を根付かせるための活動を続けてきた「めがね舎ストライク」初の姉妹店となる。「対話」と「オーダーメイド」を軸に、顧客に“ど真ん中”の一本を提案することをコンセプトにしている。 ビスポークの語源は、Be spoke(対話)。日本ではよく「オーダーメイド」とも訳される。同じファッション業界でも、スーツや革靴の店では、顧客の嗜好や体格に合わせてオーダーメイド・カスタムメイドを行う文化が古くから定着している。 しかし、「眼鏡」だけは、その文化から取り残されてきた。「人の顔は一人ひとり違うのに、既製品の中から自分に合いそうなものを選ぶしかない」という状況を抜け出せずにいた。 こうした経緯から、『めがね舎ストライク』は、販売のプロフェッショナルによる「対話型の提案」と、自社で育てたデザイナー・職人たちによる「オーダーメイド」を掛け合わせることで、『ビスポーク』という本来あるべき選択肢を眼鏡業界にもたらそうとしている。 なぜ、オーダーメイドは難しいのか? 長年、「眼鏡では、オーダーメイドという業態は成り立たない」と言われてきた。 眼鏡づくりの現場では、機械による量産化や、工程ごとの分業化がかなり進んでいるため、一本ごとに柔軟にフレームを作り替えることが技術的にも採算的にも難しいという事情がある。また、顔につけるアイテムのため“似合う・似合わない”の判断がよりセンシティブになり、返品・キャンセルのリスクも高くなる。 『めがね舎ストライク』は、こうした障壁を乗り越えて、顧客に“ど真ん中”の一本を提案するために、2016年2月に日本では珍しい「工房併設型の眼鏡店」として神戸・北野に誕生。販売のプロフェッショナルが対話を通して顧客の想いや個性をくみ取り、同じ店内にある工房でデザイン・製造までを一気通貫で行うことで、これまでの分業制による限界を乗り越え、作り手の顔が 見える眼鏡、そして、本当にその人に似合う“ど真ん中”の眼鏡を届けてきた。 その姉妹店第一号の『めがね舎ストライクBASEMAN』は、ビスポークだからこそ提案できる眼鏡を、より多くの地域へ届けるために生まれた。BASEMANとは、店に立つ店主のことを表し、眼鏡販売の第一線で経験を積んだメンバーだけがBASEMANとして店舗に立つことができる。野球でいう一塁手や二塁手のように「塁を守る人」という意味もある。大切な拠点を守れる人、 ビスポークという文化を一緒に広げていける人、そして、顧客との対話によって自身のちから で信頼と喜びを築ける人であってほしいという願いが込められている。
BASEMANの想い
「この眼鏡は、似合いませんね」。目指すのは、顧客に対して笑顔でそう言える店。ほんとうに似合う眼鏡を提案し抜くという覚悟が、一人ひとりにあるからである。 人はみんな、顔も、好みも、生き方も違うのに、眼鏡屋は既製品という枠の中で、なんとか答え合わせをしようとしてきた。 『めがね舎ストライクBASEMAN』は、そんな慣習に挑み、胸を張って顧客に紹介できる眼鏡だけを店頭に陳列する(それはごく僅かな本数)。既成のものにそれが無ければ、一からデザインをつくりあげる。ストライク初の姉妹店として、より多くの人たちに向けて、ビスポークという眼鏡文化を発信していく。 https://meganeya-strike.com/ |
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