 | 10年猶予の技術者国家試験
【眼鏡記者会共同】台湾最大規模を誇る眼鏡総合展示会「2019台北進国眼鏡大展」(主催:中華民国眼鏡発展協会=楊國顯理事長、75社加盟)は、3月6日・7日の2日間、台北市の花博公 園(台北フラワーパーク)の中のイベントホールで開催された。今回は現地の卸商社や現地法人など38社が出展、活発な商談が展開された。遠隔地から貸し切りバスで来場する組合・団体の ほか、眼鏡学校の生徒たちも詰めかけるなど賑わいを見せた。レンズ、フレーム、機器類それぞれに日本製品に対する信頼度は高く、会場のあちらこちらに日本ブランドの名前が見かけられた。 開場前から多数の来場者が集まり、入り口付近で楊理事長ら主催者が温かく出迎えた。オープニングセレモニーの挨拶に立った楊理事長が「今回も台湾の主要メンバーが参加、多くの人気ブランドが集まった。各地から眼鏡店関係者、眼鏡学校の生徒など多数の来場が見込まれる。出展社、来場者ともに成果を得られる展示会となることを祈る」と意気込みを語った。 会場では「活性化目指して結束しよう!」と声をかける出展社、「頑張るぞ!」と気勢をあげ て記念写真を撮る有力チェーン店も見受けられた。天井はかなり高く通路幅も広く取ってあり、ゆったりしたブース構成でまとめられていた。正面入り口には休憩用の椅子が用意されたほか、飲食ブースもいくつか設けられるなど休憩スペースもあり、来場者は周りを気にすることなく展示商品をじっくり見ることができた。 メガネフレーム、レンズ、眼鏡機器が幅広く揃えられる中で、現地代理店からの出展だが予想以上に日本製品が多く展示されていた。メガネフレームではメイド・イン・ジャパンの手作りフレームを集めたブースが目をひいたほか、チタン製フレームのほとんどが日本製だった。また「シルエット」や「フレアー」、「カザール」、「モレル」など世界の有力ブランドにも関心が集まった。レンズでは、「ニコン」、「アサヒオプティカル」、「エシロール」、「カールツァイス」、眼鏡機器では「タクボ精機製作所」、「TOPCON」、「ニデック」、「トーメー」などが出品参加した。 賑わったブースの一つに眼鏡店向けに情報を流しているIT企業が、いくつかのパターン(型)から自分の好みに合ったフレームが簡単に作れる機器設備をデモンストレーションして見せていた。 台湾の眼鏡事情についてのセミナーも特設ステージで行われた。ドイツの調査会社GfKが行った台湾の眼鏡マーケット分析をもとに、市場規模、業種別売上げ、フレーム、レンズ、サングラスの売行きなどについて解説。2018年の台湾の小売市場規模(コンタクトレンズ含む)は329億台湾ドル(約1184億円)で対前年比3.4%増加。商品別売上構成比はサングラス7 %、メガネフレーム3 2 %、レンズ36%、コンタクトレンズ及びケア用品23%、などと説明があった。 業界に詳しい眼鏡専門誌「當代眼鏡雑誌」の代表・陳怡如氏に聞くと「台湾の眼鏡マーケッもそれほど好調なわけではない。ディスカウント店の伸張によって単価が下落している。かつてはメガネ一式6千台湾ドルが標準的な価格だったが、今は6千台湾ドル以上のメガネは9%しかなく3千台湾ドル以下のメガネが34%を占めている。大手チェーン店間の競争もあり、中小店はさらに厳しくなっている。一方、輸出入商社はメーカー直販が一層進んでいるため企業数が減った。今回の展示会にも影響し、海外の大手フレームメーカーが出ないなど前回に比べ出展者数は3分1減った。台湾で日本製品は品質が良くデザイン性も高いと好評」。台湾の眼鏡技術者国家資格については「眼鏡士(既存眼鏡技術者の資格)の合格率が2年前の第1回目は40%だったが2回目 は2%と大きく下がった。10年間の猶予期間があるとはいえ厳しすぎる、との声が上がっている」と話していた。 |
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