 | ジュエリー産業のより良い未来を次世代に残すことに繋がる
「愛」や「絆」、「誇り」「悦び」など、ジュエリーが人にもたらす役目は大きい。そんなアイテムを生み出すジュエリー業界に元気がなくては、2021年はスタートしない。明るく元気に楽しい「明・元・楽(めい・げん・らく)」を念頭に活気ある会社を目指している褐新の松本一雄社長に、これから進むべきジュエリー産業の道について聞いた。
議論を重ね「夢」に到達することそれを次世代に繋げること
ジュエリー業界も新型コロナウイルス感染症による大打撃の影響を受けているのはどこも同じだと思いますが、SNSや動画などを活用したデジタル化への取り組みはコロナ禍前から始まっていたことで、国内におけるジュエリー販売の低迷はコロナ禍だけの問題ではないということだと認識してい ます。 コロナ禍の前からジュエリー販売は苦戦を強いられていたわけです。変わらなければならない節目の時だと思います。コロナ禍の厳しい時ですが、各社が試行錯誤しながら前を向き始めています。これからのジュエリー業界は大きく変わっていくと思います。コロナ禍によってデジタル化が加速したのは、ジュエリー業界も同じですから、このまま前に進み続けなければなりません。より良いジュエリー業界にするために、みんなで一丸となって、何ができるか、何をすべきかの議論を重ねながら、「夢」に到達すべきです。それが、次世代に繋がることでもありますし、その夢の続きを次世代に託すことだと考えています。
「デジタル化」の必要性とチャレンジする意義と大きな可能性
私が理事長を務める山梨県水晶宝飾協同組合(水宝協)においては、オンラインに力を入れ始めています。既にこれまで数回のオンラインによる甲府ジュエリーフェアを実施してきましたが、簡単ではありません。やれば簡単に売上が立つものではないですし、現段階においてオンラインが適した ビジネスとして永遠に続くかもわかりませんが、宝飾業界においてもデジタル化は100%進めていかなければならないことです。現状としては、実際にやってみないとメリットやデメリット、次の課題が見えてこないことが多くありますので、諦めずにチャレンジを続けていくことに意義があり、その先にある大きな可能性を実感しているところです。 また、SNSやEC販売を一まとめにすることは危険です。デジタル化が急速に進んだと言われていますが、その方向性は多岐にわたり、目的ややり方も様々で、何が適しているのか、どのステージに進めば良いのかなど、それぞれが「ジュエリービジネスにおける新しい価値を生み出すこと」を模索している状況にあると思います。ただ一概に「デジタル化」の一言で話を統一するには注意が必要になりそうです。
山梨から世界にアピールできる一連の流れを考える
特にこれからは、ビジネスの在り方を考えていく時には、自分だけではなく一丸となって栄えていくという意味の『共栄』が大切になるだろうと考えています。 例えば、山梨を例にして考えてみると、「ジュエリーだけを売り込むのではなく、山梨を日本全国に知ってもらい、そして世界に伝えていくこと」が、withコロナ、アフターコロナでは必要不可欠になる要素だと思うのです。 これまでにも“宝飾の産地”として山梨ジュエリーブランドの「Koo-fu」を発表してきていますが、これからは他業種、他産業などとコラボしながら、『ジュエリーといえば、山梨』というイメージをより作りこんでいくことが大事になるわけです。ただ単にその場で利益を求めるだけではなく、『ジュエリーといえば、山梨』というイメージを大事にし、それをビジネスの念頭におくことで、より一層山梨で作るジュエリーが国内外に浸透していく一連の流れに繋がることを理解しておく必要があると思います。 |
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