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▼木村サンの独り言
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多くのベテラン経営者と話をしていると「息子に社長を譲るには、まだ早いが・・・」なんて話をよく耳にします。昨年、自分が社長交代した頃から、そんな機会が増えた気もします。私はたいてい「何が早いんですか?」と言い返します。経験やスキルではなく、現経営者の「心配」が「まだ早い」という回路につながっていることが多いのです。「早すぎたら、会社は潰れますか?良いじゃないですか、他人ではなく身内の息子が潰すんですから。それに潰れるのは社長が棺桶に入った後だと思いますよ」。一生に一度、大切な人生を、最後まで現役社長のまま過ごすよりも、ダメは承知で社長を譲り、今まで出来なかったことをすべきです。元気なうちしか「社長業」も「遊び」も無理です。まわりを見回すと、ダメになるときは一瞬で、心配も何も判断する余地は与えられないまま社長交代を迫られます。苦労して払ってきた年金さえ貰えないままです。私の父は、取締役からも外れ、ゴルフとサウナを愛する年金暮らしですが、会長となった今でも、月初と月の中間の営業会議に顔を出してくれます。それほど長い時間滞在することはないが(笑)、昭和16年生まれのベテランらしい「心」に残るアドバイスを言ってくれます。 会長には本当に頭が下がります。おそらく2週間書き溜めたであろう大学ノートのメモを見ながら、丁寧に営業マン達に話しかけてくれます。新聞や雑誌、業界仲間達の話など、大切な事と感じればちょこちょこと書き留めているはずです。ちょっと若い社員達には難しいかなぁと思う内容でもみんな一生懸命耳を傾けています。朝礼など一切存在しない我社にとって、みんなのモチベーション維持には重要な時間と考えています。私の話は、かかったとしても20〜30分、会長が5分〜10分程度、そんな感じですから我社の営業会議が1時間かかることは絶対にありません(笑)。午前中のうちに、会長は「あと頼んだぞっ」と吐き捨てるように言葉を残して颯爽と会社を出て行きます。会長の顔には若干の満足感さえ漂っているように見えます。会長は我々に「頑張れ」とはあまり言いません。特に私には「頑張れ」とは絶対に言わないと思います。私が代表取締役になってからは、会長に私の方から質問することが多く、色々助けられることばかりです。 私は、会長と激突する時期が長かった。会長である父は、子供の頃から、とても厳しく、私がジュホウに入った後も、当時の社長である父とは、本当によくやりあったものでした。互いに自分達の会社のことを思っての事でしたから、どうしても情熱的になり、まわりの社員をだいぶ困らせたかもしれません。でも4〜5年前からは徐々に今のような雰囲気となった。理由は定かではないが、父も私も解り合える議論が増えていったように思います。ふたりとも、けして売上や会社の現状に満足しているわけではないが、ふたりして同じ事を考え合うことが増えているのです。父から認めてもらおうと思ったことは一度も無いが、父を安心させようとは毎日考えています。 当たり前ですが、会社の存続は未来を担う人にかかっています。以前の私と同じ立場にある専務クラスの皆様には、経営者とはとことんやりあって、わかり合って欲しいし、経営者も認めるスキルを身につける努力を絶やさないで欲しい。絶対に「うちの父(現社長)は無理」なんて泣き言で片付けないで欲しい。そして、年金を貰える年代の経営者の皆様には、業務の最前線で活躍する事を考えるのではなく、次世代経営者に残すべき様々な宝物を、少しずつ整理して、与えていくタイミングについて真剣に考えて欲しい。絶対に「うちの息子(次の経営者)には無理」なんて戯言で片付けないで欲しい。いよいよ、バブル期以降に社会に飛び込んだ仲間達が業界を動かさなければならない時期なのですから。 (株)ジュホウ 代表取締役 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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ある有名宝飾店の社長さんとの電話の会話、社長:「いやぁ木村さん、本当に(商売が)厳しいねぇ」。木村:「そうですよね。でも昔、呉服屋さんがやっていたテレアポの戦略で、展示会販売の成果を上げてるようですよ」、社長:「あぁ〜、あのやり方は最初は良いのだけど、後々大変なんだよ。お客さんとの関係がダメになっちゃう。」、木村:「確かにそうですねぇ。でも立ち止まることだけは許されませんから」・・・。 企業は、「売上づくり」と「お客様づくり」で成長します。どちらか片方だけに固執すると他方が壊滅的なダメージを受けるのです。売上にも、お客様にも同じようにバランスよく力を入れて頑張らないと、前進できずに立ち止まってしまいます。私は、その両立への近道が「ブライダル」であると確信しています。 私事ですが、3月は大変忙しく働かせて頂いております。私はウィリアム・レニーダイヤモンドというダイヤモンドを輸入・卸販売させて頂いておりますが、その専門店がオープンラッシュとなっているからです。この厳しい時期に、本当にありがたい事です。 3月20日、東京・表参道にブライダルジュエリーの専門店・雅-miyabi-表参道/ウィリアム・レニーダイヤモンドギャラリー東京がオープン致します。このお店は、京都府亀岡市の老舗宝石店「有限会社マツヤマ」(松山邦雄社長)がオーナーとなります。マツヤマさんは昨年、京都・寺町に最初のブライダルジュエリー専門店をオープンさせ、今回は2店舗目のブライダル挑戦です。後継者である松山恵一朗常務のもと、すばらしいスタッフたちが一致団結し、未来に向けて行動しています。特に、最初の店となった雅-miyabi-京都寺町のスタッフの皆さんは、高いモチベーションを保持しながら、店長が中心となって、新しい若いお客様達との心通う交流を積極的に取り組んでいます。月100回以上更新し続けているスタッフブログやダイヤモンドの専門的知識の探求など、スタッフ一丸となった取り組みが、少しずつ少しずつ成果へと結びついてきているように見えます。その明確なビジョンが東京進出の決断となった事は言うまでもありません。 そして、3月30日、この新聞紙上でも何度か報道されていますが、現役大学生・豊田泰三さんが店長を務めるハルカ☆ミライ・ドウ高松アトリエ/ウィリアム・レニーダイヤモンドギャラリー高松が、香川県高松市にオープン致します。オーナーは香川県観音寺市 の「株式会社トヨタ宝冠堂」(豊田公夫社長)で、同社初のブライダルジュエリー専門店となります。中心市街地の商店街に隣接し、新店周辺では再開発による街づくりが進んでいて、集客力向上に対する期待が高まる立地です。若い泰三君と、その友人達までもが協力し、着々と準備が進められています。地元愛の強い若者達のコミュニティとして、街興しの新しいエネルギーになる予感がして楽しみで仕方ありません。 4月5日には、名古屋・栄にJewlry Ito 栄アトリエ/ウィリアム・レニーダイヤモンドギャラリー名古屋がオープン致します。このお店の特徴は、実際に結婚式が出来る教会を模した店内と、元気いっぱいの若いスタッフ達でしょう。名古屋都心・栄地区のシンボル的な公園に隣接し、都会のオアシスを感じさせる素晴らしい立地を誇ります。 さらに、4月末には長崎県で、その後も、元気いっぱいの仲間達が全国で新しい取り組みの準備を始めています。そのほとんどのお店で、店舗設計やスタッフさんのご指導、建築に関わるコンサルティング、弊社オリジナル商品の導入をお手伝いさせて頂いております。どこまでも前向きな仲間達のパワーに負けないように、精一杯頑張ろうと思います。売上づくりとお客様づくりを両立させるための挑戦に関わる「喜び」を、挑戦者となった仲間達への「情熱」に変えて・・・。 (株)ジュホウ 代表取締役 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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先日、とある問屋さんの社長さんとお話ししました。なかなか売上げが上がらず「厳しいよぉ〜」と泣きが入る。その後には、社員への不満・・・「うちの社員連中は御用聞きになっとる。もっと、もっと積極的に提案していかなきゃ売れんよ」と捲し立てる。その後、間髪入れずに「我々がもう少し若かったら、ばんばんやるんだけど・・・昔は、飛び回って色々商品を売り込んだものよ」と、いつも通りのセリフ。その後は昔の武勇伝を30分くらい聞かされる。いつもいつも同じ話で、その登場人物まで私は覚えてしまった。いつもなら「社長は、すごかったんですねぇ〜」と話を合わせるのだが、その日の私は腹の虫の居所が悪く、ついつい、大人げなく言い返してしまった。 「社長、相談があります。社長の現役時代、バンバン外回りして売れていた若い頃、もしも、お客様(小売店)が、一切、先入れ(店頭品在庫として、先に仕入れておくこと)を行わない事態になっていたら、現役バリバリの社長はどうやって売上げを作りましたか?」。すると「仕入れが駄目だと言われても売るのが営業だ」と言い切る。「社長、それでは解決になっていませんよ。相手は先入れしないのですから」と言い返す。「それでも、全く仕入れないって事は無いんじゃないかなぁ。仕事というのは信用と信頼だ。誠心誠意、相手に気持ちをぶつければ・・・」「いまの若い連中はガッツがたらん」と大声を上げる。私はため息混じりに繰り返す。 「社長、それでは答えにならないんですよ・・・。」 あくまでも商売の準備として、定期的に仕入れを行う・・・それが当たり前の時代と、出来るだけ、不要不急の仕入れを避けてリスクを減らす事が当たり前の時代とでは、営業活動の前提条件あまりにも違いすぎるのです。ベテランの皆さんが「私が若かったら・・・」と思うのであれば、良く売れた時代のやり方を、同じ努力で現代に頑張ったとしても、良い成果が生まれることは無いと思います。 市場の前提条件をひっくり返して質問し直します。 「それでは質問を代えます。お客さんから仕入れが難しい言われても売上げを作らないといけない、それなら、私はふたつの方法があると思うんです。ひとつは、どうしても小売店さんが仕入れたくなるような商材を新たに創り上げるか、ふたつめは、お客様がどうしても仕入れないといけない環境を仕掛けてしまうかです。社長ならどちらの方法で売上を創りますか?」 商材か環境か・・・卸売業の営業マンが「仕入」が見込めない時代に実行すべき対策とは・・・この答えを探求し、導き出す努力を実践している卸業者は、現在の苦境においても何とか売上げを作っているように思います。特に“環境”づくりにおいては、展示会販売による成果仕入が、現在の卸販売の主流になっていますよね。 しかし、展示会のような“きっかけ”まで企画、実践しておきながら、集客や販売に失敗し、成果を作れず「仕入れないといけない環境」を創出できない事も増えてきたように思います。展示会販売そのものが、お客様のニーズから少しずつ離れてしまっているのかもしれませんね。 商材も環境も、どちらもうまく仕掛けが出来ず「直営小売店」という新しい流通の市場へ進む卸業者も増えてきましたが、小売においても、新しい商材や環境整備が必要なのは同じ事なので、卸として成果を出せない企業が、小売りにさえシフトすれば成果を出せるほど簡単ではないと考えています。仮に、シフト後に成果があげられても、偶然生まれた実績は、長続きしないことが多いのです。 いずれにしても、「卸」という市場には、その企業に君臨するベテランの皆様の現況に対するしっかりとした認識と、斬新なアイデアが盛り込まれた商材、そして何より、お客様のニーズに求められるような環境づくりが求められているのでしょうね。それら実践が進まないと「卸売」の衰退は止まらないはずですから。 |
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2012年の国際宝飾展は例年より少し早い時期に開催されましたね。その理由について色々な噂が流れました。中国から来場されるバイヤーの皆様のために、中国の旧正月を避けたとか、月末は多くの企業にとって支払時期で大変だから前倒しにしたとか・・・まぁ、どれも噂の域なので何ともわかりません。しかし、中国から来られるお客様に対して様々な配慮があった事は確かなようです。あちこちのブースから飛び交ってくる中国語は年々目立ってきています。私は初日に会場をまわったのですが、本当にたくさんの中国からの来場者を目にしました。IJTを成功させるためには重要なお客様であることは間違いないのですが、たとえ中国の方であっても、宝飾業界に関わる業界人であって欲しいものです。私の所感なので正確ではないかもしれませんが、観光客にしか見えない方も多かった気がします。これは、私に限らず、多くの関係者が感じた事実であり、IJTの「即売会化」が進んでいるように感じてしまいます。 多くの業界人の皆さんの認識の通り、もはや、IJTは「見本市」ではなく「即売会」となっています。特に、消費者の皆さん(とりわけ中高年の主婦層)に人気の天然石ルースを取り扱うブースには、今年も、まるでスーパーのバーゲン会場のような光景が広がっていました。IJTを主催するリード社の石積社長でさえ、オープニングセレモニーの挨拶の中で「最も安く買える場所・・・」と胸を張って宣言していましたし、全国の業界人にばらまかれた「招待状」の封筒の裏には・・・ 「IJTでの購入は断然お得です!」 ◆会期中だけの大幅割引 ◆50万点のジュエリーから選べる ◆色石、天然石もその場で購入 と印刷されているくらいですから(笑)。 さらに、驚いた事は、主催者であるリード社から出展社へ配布された、ブース掲出用の外国人向けポップです。そこには、大きく「Accept Small Lot Order」の文字が印刷されていました。宝飾見本市であれば「Wholesale Only」のはずです。 私も外国人バイヤーとして、ラスベガスや香港といった海外の見本市へ出掛けていきますが、心地よい刺激と、世界で活躍するジュエラー達の息吹や、同じ世界で生きる事の「誇り」と「喜び」を感じる事が出来ます。私にとって宝飾の見本市は、車で言うところの「オイル交換」であり、「給油」ではないのです。 現況のIJTでは、我が国の宝飾ビジネスそのものが、海外のプロ達から馬鹿にされても仕方ありません。数年前、米国からIJTを見学に来た私の友人が「ツーソンの野外フリーマーケットのようだ」と呆れていた事が思い出されます。オープニングセレモニーの来賓挨拶では「IJTの発展そのものが我が国のジュエリー業界の発展である」なんてリップサービスが聞こえましたが、本当にそうでしょうか。我が国のジュエリー文化の成熟を妨げている事はないでしょうか。ただでさえ、買い取りビジネスが横行し、一般の消費者から「宝石の価格なんてあってないもの」、「買う時は高いけど売る時は二束三文」といった声が、日に日に高まっているのに、その消費者も遊びに行ける「アジアを代表するジュエリー大特価セール」を毎年続けていたら、中流層を中心とした一般的な消費者をメインターゲットとする宝飾小売企業の多くに壊滅的なダメージを与えてしまう事にならないでしょうか。 私も、このお祭りにブースを出展しなくなって数年が経ちます。昔から出展しているある問屋さんの社長が言ってました。「木村さん、取引先(小売店)は借りて帰る。消費者は買って帰る。高い経費を払ってここへブース出しているんだから、きれい事では済まされないんだよ」。この言葉の極めて重い意味をリード社の皆さんは理解出来るでしょうか。この問題意識を理解出来れば、ここ数年、毎年寂しくなっているIJTは驚異的に持ち直すはずです。 余談ですが、私なら借りる人よりも買ってくれる人にベストプライスを出します。なんだか毎年、この時期のコラムに同じ事を書き続けているようですが、私は、IJTそのものの存在が心配で仕方ありません。 |
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おかげさまで、私のような若輩で世間知らずの男が何とか書き続けている本コラムも、多くの業界人の皆様に読んで頂けるようになったようです。尊敬する諸先輩方に恐縮しながら、何とか細々と続けてきました(笑)。その記事内容によっては厳しく叱責を受ける事も頻繁にありますが、業界のためと信じて書き続けていくつもりです。私は本コラムを書く時に、必ず、宝飾業界とはまったく関係のない人の気持ちになって書こうとします。15年ほど前、宝飾業界の外にいた自分が「なんじゃそら(笑)」と驚いた宝飾業界の変な「常識」・・・。その衝撃を伝えたいのです。 ジュエリーの世界と他のファッション業界で「ブランド」と名乗る際の名前や価値観の「重さ」の違い、宝飾卸問屋という存在と特殊な業態、ジュエリー展示会の実態、色石は処理されていて当たり前という業界の常識、新品を買うより高価になるジュエリーリフォーム、激安のTシャツだって記載する「Made in JAPAN」や「日本製」といった製造国表示が殆ど無いジュエリー製品の不思議さ・・・等々、書き始めると終わる事のない物語になってしまいます。 毎年、お正月には新年の展望を書かせて頂いておりますが、2012年は本質が問われる年になるのではないかと考えています。 前記した「宝飾業界の変な常識」の中には、社会通念や消費者意識の中で、問題になるような要素もあると感じます。それら問題と一線を画すためにも、販売者の「ポリシィ」や「品質管理のスタンス」をしっかりと定義付けし、顧客に情報発信を続ける事が重要になると思われます。 また、資金力と人材力のある小売店さんが大きく飛躍する年になると思われます。まさに“格差「ジュエリー」社会”が本格化するのではないでしょうか。 私の勝手な心配かもしれませんが、展示会販売に、電話集客方式が台頭している事も気になりますね。昨年頃から目立ち始めた電話集客は、過去の呉服業界の手法で、集客システムも明確であり、全国多くの現場で成功実績が報告され始めています。しかし、皆さん思い出して下さい。過去にも「呉服業界の手法」が何度か宝飾業界に導入されましたが、何かしらの「イメージダウン」となる問題も多かったように思いませんか。私の個人的な偏見と聞き流して頂きたいのですが「今回は大丈夫」と言われても心配です。「お客様作り」よりも「売上げ作り」に比重が高すぎる結果、無理な商談も増えてしまうような気がします。イベントを手伝う問屋さんには大きなメリットがありそうですが、地元で消費者と向き合う小売店企業としては、値引きや無理売り等のイメージダウンというリスクを背負う可能性は払拭出来ない気がします。いま、百貨店等における宝飾品の売上げは、富裕層の購買意欲と共に少しずつ回復傾向にあります。「富裕層の顧客を獲得できない宝石店に未来はない」と言われていますが、展示会の乱発は、富裕層が最も嫌う宝石店イメージをわざわざ創り出しているように見えます。そんな私でさえ「メーカーの悲しさ」で全国各地の展示会を日々お手伝いし、プロとしてプライドをかけて売上げ作りにこだわっています。だからこそ「脱・展示会」「店頭販売強化」という情熱が生まれ、ブライダルジュエリーによる「創客(そうきゃく)」や、店頭におけるこだわりジュエリーの販売手法を研究する毎日になったのです。それでも、2012年は、これまで以上にシステム化された展示会販売が台頭するはずです。とはいえ、実際に電話集客による展示会に成功した経営者でさえ「ずっとこのやり方で行くのは無理」と言い切る人もいます。宝飾業界名物「対処療法」の一環になってしまいそうですが、元呉服系コンサルタントの先生方のご指導により販売モチベーションの高い小売店企業が増える事は、同時に市場淘汰を促す事になるので、宝飾業界としては「業界の活性化」という観点から歓迎すべきかもしれませんね。 いずれにせよ、2012年は、プロのジュエラーとして、宝飾業の本質にこだわった経営者が生き残ると信じています。自分達が扱う商品や売り方に明確な「ビジョン」と「誇り」を持ち、あくまでも自分達のやり方を情熱的に実践していく事が求められると考えます。 仮に、前記した様々な要因により、宝飾業界全体のイメージダウンが仮に生じたとしても、消費者から「あの会社だけは違う」と言われるほどの「企業ブランド化」を最優先に掲げて、会社全体で行動に移すべきだと考えます。私は、多くの現場を肌で感じながら、「企業ブランド化への努力」だけが、唯一、宝飾業として成功する明るい未来へ直結するエネルギーだと感じ始めています。 2012年、ジュエラーとしての本質を問われる革命的な1年間を、共に「行動」して、しっかりと過ごそうではありませんか。 (株)ジュホウ 代表取締役 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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ここ数年は連戦連敗と言われたジュエリーの展示会。ところが最近、宝飾の展示会販売が好調だなんて話を、よく耳にします。おそらく、これまでジュエリーとは無縁だった顧客層を取り込み始めたのかもしれませんね。電話集客でも何でも、とにかく、今まで関わったことの無いような新しいお客様をどれだけ集客できるかで、展示会成果の優越は決まってくるのでしょう。 どんなビジネスでも、そのスタートは市場開拓です。この部分を怠ることなく積極的に行動していれば「商い」が行き着いてしまうことは無いはずです。私は、展示会販売が難しくなった最大の要因は、景気悪化では無いと考えます。展示会のやり過ぎで、現場のスタッフも疲れ果て、ついつい声をかけやすい「呼べるお客様」ばかり展示会に集客してしまった事。結果的に、いつもいつも同じお客様に頼り続け「呼べるお客様」と「買えるお客様」を混同した事に起因するのではないでしょうか。つまり、新しいお客様さえ、ちゃんと呼ぶ事が出来れば、その企業の展示会は成功し続け、いつものお客様だけで展示会を強行する企業の展示会は、どんどん売り上げが落ちていくのです。 私も昔ながらの展示会によく応援に行くのですが、主催する小売店のスタッフさんからこんな話を聞くことがあります。「あのお客様はお金持ちだから大丈夫よ・・・。」何が大丈夫かと言うと「お金持ちで何か付き合って買ってもらえるからどんどん商品をオススメして大丈夫」と言うことです。でも、その情報は、最新情報に更新されているでしょうか。ひと昔前、展示会でVIPと言うと、地元企業の経営者家族(いわゆる自営業者)や公務員さん、それに、お金には苦しんでいないのに年金などの公的収入がある高齢のお客様が多かった気がします。でもそんな皆さんは、現在最も経済的に厳しくなりつつある人々ですよね。つきあいが長すぎて、顧客管理も「なぁなぁ」になってしまっていると、突然、そのお客様を失ったり、最悪のケースでは「売りつける悪徳企業」と地元から総スカンされることさえあるのです。 現在の経済状況や社会の様子を考えれば「宝飾品を売る」と言うことは「真夏に毛皮を売る」ようなものかもしれません。それでも「宝飾展示会」という難しい環境で素晴らしい成果をあげる企業が出現し始めたのであれば、市場開拓という方向性に顔を向け、積極的に「行動」する企業が台頭してきた証だと感じます。その一方で「行動」しない企業がどんどん衰退し、その格差が目立ち始めている事も注視すべきでしょう。お客様のご来店をただひたすら待ち続ける時代はとっくに終わっていて、販売の現場から市場そのものを築きあげる必要性が求められる時代となりました。複雑な需要と社会情勢が、その構築を難しいものとしています。単に大々的な広告を入れたり、お金をかけて販促を重ねても、傷口の応急処置にしかなりません。じっくり、しっかりと傷を癒し、完治させ、これまで以上に免疫力を高める努力を続ける事こそ、多くの宝飾店経営者に求められている「行動」の行方だと確信しています。 私が考える「真夏に毛皮を売る方法」は、大きくふたつ。来るべき寒い季節に備えて買って頂くか、どうしても今、買いたくなるようなニーズを生み出す事。そのニーズは、ジュエリーの真の「すばらしさ」を徹底的にお伝え出来るビジネスモデルを創出する事だと確信しています。そういえば、私は、真夏でも、名古屋で山本屋本店さんの味噌煮込みうどんを食べる事を楽しみにしています。山本屋本店さんは季節を問わずいつでも混んでいます。そして、一番安いうどんでも1260円と高価です。それでも、真夏に汗を拭きながら食べるあのコシのあるうどんが絶品なんです。毛皮だって宝石だって逆境を跳ね返すニーズを作り出せば、山本屋本店味噌煮込みうどんのように市場を確立出来るのではないでしょうか(笑)。 株式会社ジュホウ 代表取締役 木村亮治 (ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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中学生の頃、マイコン(現在のパソコンと同意)に興味を持った。塾の帰り道、深夜営業していた地元の本屋さんに道草して、コンピューター関連の本を閉店まで立ち読みすることが、最高の楽しみだった。あの頃は家庭用コンピューターが急成長した時期で、新鮮で刺激的な情報が次々に発表され、私は夢中になった。 そして1年以上の交渉期間を経て「勉強に使うから」と嘘をつき、買って貰う許可を頂いた。当時、家電メーカーは次々に新型コンピューターを発表、私が夢に見るほど欲しかった富士通製の「FM−NEW7」は、高性能でありながら、当時は破格の9万円台で売り出していた。たしかタモリさんがTVCMしていた(笑)。まだまだフロッピーディスクさえ高価だった時代、データーのやり取りは、なんと、オーディオと同じカセットテープだった。1つのソフトを読み込ませるのに半日がかりだった記憶がある。ところが、いざ、買ってもらえるという段階になって、中学生の私の心は強烈な誘惑を受けることになる。それがMacintoshとの出会いであった。斬新なデザイン、そして奇抜なアイデアの数々。もともと、FM−NEW7のようなマイコンは、真っ黒な画面にコンピュータのプログラミング用語を直接打って計算や仕事をこなしていた。しかもメーカー毎にそのシステムは違っていて富士通ではF-BASIC(エフベーシック)という言語を使っていた。例えばソフトをインストールする時は、データの入ったカセットテープをデーターレコーダーという機器にセットし、画面上に「LOAD」と打ち込むとテープが回り始めて、ファックス受信で流れるような「ピーヒョロ」音が鳴り始めるといった具合である。現在のパソコンのように、マウスを使って誰でも簡単にパソコンを操作できるようになったのは、ずっと後の時代でしたが、その源流を感じさせたのが中学生の私を悩ませたMacintoshであり、その生みの親が、先日他界したアップル創業者スティーブ・ジョブス氏だったのです。彼が創り上げたMacintoshはとにかく斬新だった。コンピューター本体のデザインから完全に日本製マイコンとは違っていて、未来の世界を感じる雰囲気さえ漂わせていた。彼のその後の活躍は知らない人はいないですよね。2005年、彼はスタンフォード大学での講演でMacintoshのアイデアを踏襲し、世界のスタンダードに成長したマイクロソフト社のWindowsに対して「WindowsはMacの単なるコピーにすぎないので・・・」と発言して聴衆の大爆笑を誘った話はあまりにも有名です。 現在、我々が便利に使っているパソコンはスティーブ・ジョブス氏が思い描いたとおりに進化し、今ではiPhoneによって携帯端末の世界まで創り上げてしまったのです。スティーブ・ジョブス氏は2007年「電話を再発明する」と言ってiPhoneを生み出しました。多くの皆さんが感じているようにiPhone以外の他社の携帯端末は、どれを見てもiPhoneを参考にして作られているとしか思えないデザイン、機能、そして雰囲気を有しています。世界のスタンダードを次々に創造し、現実化した彼の功績は、人類に大きな進歩を及ぼしたのですね。前記の講演で、最終の成果を見据えて、プロセスを進むことは不可能だと彼は言っています。「いま起きていることが将来何の役に立つのか、どんな未来につながっているのかは分からない。それでも必ず役に立ち、何らかの良い未来につながっていくことを確信しよう・・・人生に起きる全てが自分にとって必然であることを意識するのだ」。彼は「信念」を持つ事の大切さを、若い世代に伝えたかったのでしょう。どんなことでも、無駄な事はなく、どんどんやってみることだと。私はこの講演の内容を知った時から「行動あるのみ」という信念を持っています。言葉よりも、悩むよりも、そして疑ったり批判することよりも、まずは「行動」であり、それを躊躇する人々のために、自分自身の貴重な時間を費やすことは避けようと考えています。行動することは勇気がいります。しかし「吉」と出るか「凶」と出るか不安でも、きっとそれが、自分自身の未来にとって必要に違いないと考えます。すべてスティーブ・ジョブス氏が教えてくれたことなのです。 マイコンを手に入れた中学生は、家族が寝静まった家の中で、夢中になってキーボードを叩き続けた。その時間を少しでも多く捻出したくて、一日の時間を有効に使う術を考えた。それは「集中力」と「イノベーション」であり、その後の私自身の受験勉強や、ビジネスに大きく影響した事は間違いない。今に思えば、子供達が「経験」という偉大な教師から、成長する術を享受されるプロセスには、時代を変えるほどの刺激が必要不可欠なのかもしれません。そう考えると、いまさらですが、スティーブ・ジョブス氏の生み出した世界が、我々の人格形成や行動にまで大きく影響し、世の中すべてをデザインしてしまったのではないかと思ってしまいます。そんな神様のような経営者を失った今の世の中が、今後どんなふうに進化するのか考え込んでしまいますよね。彼と重なる時代に生きたこと、その幸せに感謝しつつ、心よりご冥福をお祈り致します。 |
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先日、打合せで福島県福島市に行ってきました。地元の老舗ふとん店「てっせんや」の佐藤専務と夕方のアポイントを取り、夜は一緒に街に繰り出すというおきまりのパターンです(笑)。てっせんやは地元では誰もが知っている有名なふとん店で、ふとん以外にも、ジュエリーや健康商材等を数多く取り扱っています。 佐藤専務は「てっせんや」の後継者で、私よりもほんの少し若い好青年です。いつも目がギラギラしていて、そのパワーがこちらまでビシビシ伝わってきます。私は彼を、地元愛が強く、仲間を大切にし、努力家で、自分自身にとても厳しい、一流の商人だと考えています。お世辞を言わない男が書くのですから間違いありません。 今回の打合せの主題は来年4月に開催されるてっせんや主催の展示会の段取りです。2ヶ月ほど前からお話を頂き、着々と準備させて頂いております。まだまだ半年以上先のイベントを熱く語る専務の姿は、恒例行事だからといつも通りの展示会を計画し、メーカーや商社に丸投げして、ギリギリまでのんびりする宝飾業界の“一部の小売店さん”に見せてあげたいくらいです。専務は「木村さんの説明は私たちが聞いて本当に納得できる。展示会では商品の事をお客様にしっかり説明して頂ければ、販売は私と社長に任せて下さい!」と言い切った。頼もしく感じますよね。「クロージングは任せて!」なんて言ってくれる小売店さんは、我々宝飾業界では本当に減ってしまった気がします。そんなやりとりの中、閉店時間となってお待ちかねの夜の部へ行くことになりました。私は、震災以降はじめての訪問だったので、まずは、震災の話から切り出しました。専務は何かを思い出すかのように語ってくれました。 「震災直後、何か出来ないかと考え、何時間もかけて店のトラックを運転し、被災地の同業者仲間にガソリンや衣服類を届けたんです。(母である)社長に言うと心配して反対されると思ったので、休みの日に黙って行ったのだが、内緒にしてくれるはずだった同業者仲間がお礼の連絡を社長にしちゃって(笑)。何で黙っていったんだと大げんかになったんですよ。」と話す目には、未曾有の大惨事を経験したあの頃の思い出が鮮明に焼き付いているようだった。 「何か出来ることはないか」、それは彼の口癖です。食事の最中に何度も出てきた言葉で「そう思って○○をしてみたんですよ」と続く。彼は必ず行動で示してくれる。今回の宴の席で聞かせて頂いた話の中で、最も感心した彼の行動があった。 「1セット10万円以上の寝具を買ってくれたお客様には、引っ越しの手伝いをサービスってのを始めたんですよ。寝具を新たに買う人は新居等に移動するお客様が多いんです。うちのトラックを使って、朝10時から夜7時まで、引っ越しを手伝いました。いざやってみたら、荷物が本当に多くて大変でしたよ(笑)。でもお客を喜ばせることが好きなんで・・・。嫁に“にぎりめし”を持たせてもらったんですが、お客様からラーメンもご馳走になっちゃって、嫁の“にぎりめし”もラーメンも両方食べました」と笑った。 ふとん店でも宝石店でも、「小売」は、地域密着、顧客密着が大原則です。そして、重要視すべき事があります。それは、「小売店が、最も消費者に近い」という事実の認識です。 東京の手作りジュエリーのお店Sが、震災の被災地に行き、ボランティアでジュエリー教室を行った事を知り私は感動しました。 福岡県の宝石店Yでは、社員みんなで市内の落書き消しをボランティアで実践し、地域犯罪を減少させることに尽力しています。 どれもこれも、消費者に近い存在だからこそ、その素晴らしい行動が有機的に多くの人々の心を打つのではないでしょうか。 我々メーカーの客先は小売店で、小売店の客先は消費者です。メーカーは客先に優良な商材と最新の情報、さらにはマーケティングにつながる戦略を提供することが使命となります。私が、このコラムを書き続けたり、自分に許される全ての時間を全国の取引先の巡回に充てているのは、その使命を果たすための最低限の行動だと思っているからです。小売店は客先となる消費者に優良な商品と幸福感の提供、そして何より密接な顧客サービスを永年的に続けていくことが使命と言えるでしょう。佐藤専務の様々な取り組みを夜中まで聞かせて頂き、「メーカー」、「小売」のそれぞれが、しっかりと役割分担して、その使命を“行動”で全うすることが何よりも大切なんだと改めて感じる事が出来ました。 時代が悪いなんて事は関係なく、それら使命を実践できないメーカーや小売店は確実に消えていくことになります。口ばかりで実践や行動しない人々が、何となく道筋を立てられるほど甘い時代ではないはずです。それが市場淘汰となって、さらなる競争を生むのだと考えれば、行動なき企業には、そのレースに参加する権利さえ剥奪されるのかもしれませんね。 (株)ジュホウ 代表取締役 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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先月末「スーツ全品半額」などとテレビCMなどで宣伝していながら、実際にはすべての商品が対象ではなかったとして、消費者庁が大手紳士服販売5社に対し、景品表示法に基づいて再発防止を求める措置命令を出しました。 「ダイヤモンドプチネックレス/当店通常価格105,000円の品を半額の52,500円!」我々の業界でも、チラシや店頭で、こんな表示をよく見かけます。多くの同業者の皆さんがご承知の通り、その店での販売価格とは別に、参考となる別の価格(比較対照価格)を同時に表示することを「二重価格表示」と呼びます。前記の場合、ダイヤプチの販売価格は52,500円、比較対照価格は105,000円ということです。関係機関の通達を読むと、二重価格表示は、それが適正に行われていれば問題はないとされています。しかし、当然ですが比較対照価格が根拠のないものや不合理なものだと、販売価格が実際以上に安くなっているとの誤解を消費者に与えることになり景品表示法上問題となるのです。二重価格表示のルールは埼玉県消費生活支援センターの「景品表示法(二重価格表示のルールについて)」のサイトで分かり易く示されています。過去の販売価格を比較対象とした二重価格表示に関してのルールです。 ・過去8週間のうち、4週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます(例1)。・販売開始から8週間未満のときは、販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます(例2)。・上記(1)や(2)を満たす場合であっても、実際に販売した最後の日から2週間以上経過している場合には、過去の販売価格として表示することは、原則としてできません(例3)。・販売期間が2週間未満のときは、過去の販売価格として表示することは、原則としてできません(例4)。 ルールに反した二重価格表示は、法律により「不当表示」とされます。これらに関係する法律に違反した場合には内閣総理大臣から措置命令が出され、その命令に違反した者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます。 我々の業界でも、メーカーが通常よりもかなり高い値札に変更して販売の現場に商品を持ち込まないといけない例がありますよね。小売店指示かメーカー企画かはともかく、小売店もメーカーも利益率を下げる事は出来ませんから、とても高い価格になります。これは、小売店、メーカー双方が通常の利益を確保して付けた上代価格を値引き後の価格にすり替え「お買い得に見えるように消費者を騙せ」と言う手法にほかなりません。そんな事の繰り返しが、消費者の皆さんが時折口にする「宝石の価格なんてあってないようなもの」という誤解を生み出したのでしょう。そして、そんな安易なマーケティングが業界不信につながっているのではないでしょうか。絶対にやってはいけない事なのです。 小売りの現場で「二重価格表示のルール」をしっかりと理解している人はどれくらいいるのでしょうか。大切な事は、どんな販売においてもすべての責任は販売者に課せられるという事実をしっかりと受けとめる事だと思います。当たり前ですが「メーカーさんの企画通りやっただけ、知らなかった」という弁明は社会ではまったく通用しないのです。紳士服販売大手5社の半額表示違反のように、公に公開されれば信用は失墜し、地元密着の商いは成り立たなくなります。ジュエリーのような付加価値の強い商品の販売は、お店に少しでも「マイナス」イメージの付くと消費者から避けられてしまう事は過去の例から見ても明らかです。 インターネットや様々な情報によって、簡単にモノの価格が明らかになる時代、「半額」という言葉に踊らされるほど、消費者の消費傾向は安易ではありません。IJTに大勢の消費者が買い物に出かける時代です。消費者を甘く見るような商いに絶対に手を染めるべきではないと考えます。 木村亮治(ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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ビジネスにリスクは付き物である。リスクを負わなければビジネスの「質」は絶対に高まらないと思う。小売店、問屋、メーカー、それぞれどんな業態にとっても、そのリスクとは「資金力」か「労力」に伴うものである。「お金も出さない、労働も全力を出さない」なんてビジネスが成立するわけがない。 昨今、メーカーの消費者に対する直売が目立ってきている。直営小売店、あるいはインターネット販売等々、そのやり方は様々ではあるが、製造者と消費者との距離は確実に狭くなってきた。間に挟まれた問屋さんはたまったものではないが、問屋さん自体も「小売」の商売にシフトしつつあるので、結果的には「作る会社」→「売る会社」→「消費者」というシンプルな流通システムへ移行しつつある。この移行の流れに対応できない企業は、恐らく急速に市場を失っていく。特に、中間管理職のような立場にあった問屋業は「製造」か「小売」のどちらかを早急に選択し、明確な方針を打ち立てて積極的に進んでいかなければならない。 我々の業界に限らないが「家業」というだけで、そのご子息達に会社を引き継ぐような時代もとっくに終わっている。ご子息が強く希望し、明確なビジョンがあって、おそらく先代が経験してきたであろう、家族やプライベートをすべて犠牲にして経営に打ち込める事が、中小企業を安全に引き継ぎ、その後も事業が安定する最低条件である。これらが身に付いてない経営者が事業継承しても、必ず、その後2代と続かないようだ。先に示したような流通形態の大きな変化を先読みし、無理と妥協のない事業継承が行われた企業が、強いビジョンを持ったの上で、明確なリスク管理を徹底して、はじめて、強い中小企業として存在感を高めるに違いない。 とんでもない時代がやって来ている。この夏、世界経済は悲鳴を上げ始めた。世界経済の旗手であるはずの米国の財布が空っぽになり、近年の経済を支えた中国でさえ、高速列車事故の後、指導者である政府の足下がぐらついているように見える。欧州も経済はガタガタだ。我が国においては、無責任な政府によって、ほとんどの国家的決断が棚上げされ、政治そのものが長期休暇に入ってしまっている。原発問題もまったく解決していないし円高も止まらない。プラスの要素が皆無の世の中で、資本主義経済システムの崩壊だって心配になるご時世だ。こんな何が起きるかわからない時代に、次世代の若い経営者達には、将来のビジョンが求められているのだから困りましたね。 私が、取引先である宝飾業界の仲間達(小売企業)、とりわけ次世代経営者の皆さんに求めるのは、殆どが中小企業である我々の業界で、流通形態の変化をモノともせず、大胆かつ繊細にリスクを操り、情熱的に人生のすべてを経営に注ぐ覚悟を持ったリーダーである。もちろん、自分自身もそうならないといけない。経営者が高級車に乗って、商いの現場は社員達に任せきりで、週末はゴルフを楽しむような時代は二度とやってこない。最近気付いたのだが、私と気の合う経営者仲間は、皆、第一線で活躍する30〜40代の若い世代が多いのだが、ゴルフをする人間はひとりもいない。話題にも上がらない。絶対に愚痴も言わない。そして、休んでいるのを見たことがない・・・。 |
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7月20日、久しぶりに「創客塾(そうきゃくじゅく)」を開催します。このコラムが全国に出回る頃には、米国DCWN社が公認するWLDSA(弊社が輸入元となっているウィリアム・レニーダイヤモンドの専門的な知識を有したプロの販売士)が20〜30人が誕生していることでしょう。 もともと創客塾は、弊社が主催する勉強会で、お取引先様(小売店)に集まって頂き「創客(そうきゃく)」の精神の普及に長年取り組んできました。今回は初めての試みとして、研修参加者に、ダイヤモンドのプロの販売士としての資格取得考査まで受験して頂く事にしました。「創客塾2011夏」と題し「地域を代表するダイヤモンド専門店を目指して」というメインテーマで全国から約60名の仲間達が集まってくれます。 これからの宝飾業界の「小売」は完全に「特定少数」の商いが主役になります。景気悪化の影響も大きいですが、不特定多数に向けた「集客ツール」のばらまきが、バブル崩壊後ものんきに繰り返され、全国の宝飾展示会の集客率を悪化させた事は紛れもない事実です。また、コンサルタントと呼ばれる先生方の御指導により、たとえ宝飾品であっても「質」より「量」の商いが長年継続されてしまい、ジュエリーは単なる「商品」として扱われるようになってしまいました。ジュエリー展示会前の準備の様子を観察していると、問屋さんのスタッフ達が、当たり前のように“素手”でジュエリーをつかんで並べ込みをしていますよね。そこに「高級品」を扱っているという雰囲気は全く感じません。バブル崩壊前の時代には「店頭にはピアスを3000個置くべきだ」なんてマーケティングも当たり前のように全国へ拡がり、ジュエリーはまさに物量の時代へと突き進みました。しかし、最初はそれで良かったのです。多くの「成功実績神話」が生まれ「先生」と呼ばれる人々もたくさん誕生しました。とにかく「売れた」のです。いまの中国のような状況が全国の地方都市までも行き渡り、売れすぎて困る時代が長く続きました。自分はまだ中学生、高校生の時代でしたが、世の中の大人達が、とても元気だったことを覚えています。 しかし、現在の苦境に大きな影を落とした最大要因は、そんな時代がとっくに終焉を迎えたのに、良い時代のイメージのまま、我々の業界は「変化」を嫌ったことにあります。バブル期が終わっても、流通の利益率を考えれば、小売店さんには相当の貯金(現金)が残ったはずです。しかし、現実は厳しく、現場は本当に苦しんでいます。バブル期に受けた融資の返済が滞るなんて話は、日常茶飯事です。なぜこんな事になったか・・・まさにミステリーです。「稼ぐ」こともしたけど、「使う」こともしたと考えるしかありません。 そんな「ミステリー」な小売店企業のマーケティングを、その当時指導していたコンサルタント達は、2011年の今でも、涼しげに「先生」なんて呼ばれているのですから、この業界は本当に「お人好し」です。 特定少数のお客様に向けたビジネスに不可欠な要素は「専門的な知識」と、「コンサルティング能力」を備えた専門スタッフ達の活躍でしょう。その存在やシステムを導入できない宝飾店に、近未来を生き抜く力は無いと断言できます。宝石の王様であるダイヤモンドを深く深く掘り下げて学ぶことは、ジュエリーのプロとして基本中の基本です。リフォームやコーディネート等の知識にしても、基礎的な知識の土台の上に建てられる建築物に過ぎません。 どんなに景気や社会情勢が不安定になってもジュエリー市場から「ダイヤモンド」が消滅することは無いはずです。そして、いま、ジュエリーを愛する消費者や、こだわって一生に一度の婚約指輪を探しているような人々に強く求められているのは「信頼できるダイヤモンド」なのです。「この人から、このお店から買えば間違いない」という専門スタッフ・専門店としての存在感が、地域でしっかりとアピールできれば、物量主義が蔓延した市場の中で、唯一無比の商売が出来るはずです。地域に信頼され、尊敬される町医者のようなダイヤモンドマンが全国各地で活躍し、そのプロ達が密接的に情報交換するような組織さえ構築出来れば、業界維新の大きな流れが現実化していくことでしょう。 木村亮治(ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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自分のお店へお客様に御来店頂くには、どのようにしたらよいでしょうか。昔からお付き合い頂いている常連さんなら、電話一本でお越し頂けるかもしれません(実際にはそれも難しくなっているようだが)。しかし、新規のお客様、とりわけ、何か目当てのものを探しに宝石店へ来られるようなお客様にお越し頂くことは、我々の業界関係者なら誰もが、容易ではない事と認識しているのではないでしょうか。「こうすれば、必ず新規のお客様が御来店される」。そんな方法を見付け出す取り組みを、誰もが必死になって探しているはずです。これまでのコラムでも何度か取り上げて書かせて頂きましたが、最もわかりやすい方法は、多額の広告宣伝費をかけて、お客様を呼ぶ方法かもしれません。しかし、豊富な資金力を有する大手企業ならともかく、そんな方法を誰もが実践することは到底不可能です。資金を強引に調達して無理に実践すると、大変な惨劇になることは明らかだと思います。宝石店は「小売(こうり)業」です。小さく売っていくから小売業なのです。そう考えると「大規模小売店」という言葉は、少し矛盾した意味合いに聞こえますね(笑)。 一般的に「お金をかけずに」という手法を必死に考えていくことが小売業の使命ではないでしょうか。もちろん、最小限の広告宣伝は必要ですが、それを補完するように口コミ誘導を図る事が、小売店が生き残るための唯一の道だと感じます。宝石のような付加価値産業では、その付加価値の部分で人を引きつける事が、最も正当な手法と考えます。「あのお店のダイヤモンドは、とにかく輝く!」といった噂が出るような取り組みを、実際に成功させているお店も存在します。昔よく耳にした「良いものが本当に安い」という口コミもけして悪いとは思いませんが、私が知り得る限り、その謳い文句で大成功した宝石店なんて聞いたことがありません。大手商社や、卸売業の皆さんの直営店、さらにはコストを徹底的に抑えたインターネット販売等の台頭により、価格面では、一般の小売企業では、絶対に太刀打ちできないことも、その理由かもしれませんね。いずれにしても、小売店企業では、経営者が中心となって、自らの企業の特徴を徹底的に育てていくことが重要だと思います。そして、その特徴やこだわりを、情報発信する体制を築くべきです。情報発信と言えども、これまた、お金をかけて宣伝するのではここまでの話が「何だったの?」になってしまいます(笑)。そこで、最も期待すべきが「現場力」です。現場の皆さんが、自らの言葉で、しっかりと情報発信する術が、現代社会にはあふれています。インターネットを活用したスタッフブログや、Facebook、Twitter、mixi等々、何でも出来てしまうのです。間違った情報さえも伝わってしまうリスクはありますが、それらリスクをしっかりと管理しながら、会社と一丸となって情報を拡げていく必要があるのではないでしょうか。ただし、デジタルだけでは、情熱や人間味は伝えきれません。お客様との「心」のふれあいも、がむしゃらになって取り組むべきでしょう。それら努力がしっかりと実を結べば、地域にとってかけがえのないお店として君臨できるはずです。これらは「お金をかけること」だけでは獲得できない「深い絆」さえも生み出してくれます。くどいようですが、現場で直接お客様と関わるスタッフ達が「自分達で出来る事は全てヤル!」ことが何よりです。経営者は、それら取り組みを促すだけでなく、自らも、そのシステムを理解し、協働で前進して欲しいものです。現場スタッフは、経営者の目指す方向性に対して相互理解に努め、自らの生活のため、そして所属する企業の発展のために、徹底的に「現場力」を研究して「やらなければならないこと」を当たり前のように実践していくべきと考えます。そんなことさえ出来ないのであれば、小売業で働く事自体、難しいと思うべきではないでしょうか。 (株)ジュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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全国、どこに行っても、たくさんのブランドを持った宝飾小売店さん(ブランドショップ)を必ず見かけます。特にすごいなぁと思うのは、関西、東海、新潟には、かなりの規模を誇るお店が同一商圏と思われるエリア内に複数見受けられます。どのブランドショップも大々的な宣伝によって、多くのお客様を獲得しているのです。特にブライダルジュエリーの市場では、ここ数年、最も実績を残せるビジネス手法として、瞬く間に主流になりました。施設整備や商品の準備に多額の資金が必要なことから、どんな小売店さんでも簡単に手を出せる手法ではないのですが、逆にそのことが、乱立の抑止力にもなって、各ブランドショップの商圏維持につながっているようです。資本主義経済の日本では「強いものが勝つ」が当たり前ですので、この流れは悪いことではありません。この時代に生きる我々は「市場淘汰=市場の発展」という事を受け入れなければなりません。それでは、ブランドショップを展開できない宝飾小売店さんは、淘汰されるのでしょうか。私は、そんな企業こそ、やり方次第で、大手とは一線を画した独自の優良な市場を得られると言い続けてきました。我々の会社が、多くの宝飾小売店さんとタッグを組んで、様々なブライダルジュエリービジネスの取り組みを行っていることは、本コラム読者の皆さんはよくご存知だと思います。そして、弊社が積極的に関わっている企業の多くが小規模精鋭であることも、よく知られるようになりました。私もメーカーとして「お金」を稼ぐために頑張っているのですが(笑)、ただ、要領良く売り込めば売り上げが作れる時代ではありませんよね。取引先となる小売店さんとの共存共栄が不可欠なことから、弊社は様々な研究を進め「小規模個店主義」という考え方を提案し続けています。この考え方は「小規模」だからこそ活かすことが出来るのです。 全国展開するチェーン店のファミリーレストランは、マニュアルだらけで、本部一括管理の企業が多いですよね。新聞か何かで読んだことがあるのですが、あるファミリーレストランが、各支店の店長さんに多くの権限を委譲して各店の個性を出せる体制へ改革したエピソードを思い出しました。各支店では独自のお店づくりが活発化し、従業員が運営するミニコンサート、お客が参加する料理コンテスト、地元で人気のパン屋からパンを仕入れて販売する等々、各店の店長さん達が創意工夫で、独自のイベントやメニューを投入し、激化する他のファミリーレストランとの差別化を進めたそうです。単に経費リスクを増大させ、価格競争や支店を増やす事で優位性を確保しようとするやり方ではなく、現場で出来る創意工夫から、これまでにない付加価値で優位性を得る・・・まさに「小規模個店主義」の原点だと感心してしまいました。企業の差別化は、その規模や資金力だけに頼ることなく、現場の創意工夫で確立することが出来るはずです。我々メーカーの仕事はその創意工夫をどんどん引き出せるような商品の開発・供給と、実践ノウハウの集積だと考えています。弊社の場合、集積された情報は余すことなく、仲間達の現場へと拡散させます。そして取引先である小規模精鋭の仲間達と共に、一致団結して、大手とは一線を画したお客様を確保していけると考えているのです。全国の仲間達(取引先企業)の中には、「市民農園」ならぬ「お客様農園」で、顧客に農業体験の場を提供し、お客様のライフスタイルまでも関わりを強化していくような宝石店も出現しました。地域密着、そして顧客密着の個店主義を貫き「かかりつけの宝飾店」として強い存在感を放つ仲間を、これからも増やしたいと考えています。 (株)ジュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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「頑張れ」という言葉、難しいと思いませんか。今回の震災の被災者に、私自身はとても「頑張れ」なんて声は掛けられません。被災者の皆さんは必死になって頑張っているし、我慢しています。それがニュース映像などで流れると、その直向きな強さに、涙が出そうになります。時には逆に励まされたりする事もあります。私も、ついつい弊社の若手社員達に「頑張れ」と言葉をかけますが、今頃になって色々思い出してしまいました。自分がまだ宝飾業界に飛び込んで間もない頃、右も左もわからないまま、ただひたすらに動き回った時期がありました。もともと「営業」の経験さえなく、宝飾とは畑違いの仕事をしていた私に、取引先や宝飾品の販路開拓のスキルがあるわけもなく、当然のごとく、なかなか売上に結びつかなかったのです。バブルはとっくにはじけて「不況」なんて言葉が目立ち始めていた頃でしたので、宝飾メーカーとして生き残るための術を必死になって模索していました。あの頃の私にあったのは「危機感」ではなく、売れない事への「恐怖感」だったのです。私の力では、このままずっと「売上」が作れないのではないかと思うと夜も眠れず、自分がなぜこの仕事を始めたのかと自問自答し続けたものでした。 そんな時、上司である父から「危機感もて」とか「頑張れ」なんて言われると「やってるわい!」と腹を立て、些細なことでよく口喧嘩したものでした。今だからこそ、あの頃の父の気持ちもわかりますが、当時はやってもやってもなかなか結果が出ず、焦りもあって、とても、それらの言葉を「激励」としては受け入れられなかったのです。「自分が現場に出ていた若い頃であれば・・・」と考えてしまうのは、昭和を生き抜いてきたビジネスマンであれば誰もが思うことです。それを声に出せば、若い連中からは「昔と今では違う」と言い訳されるので、余計にフラストレーションが溜まってしまうのです。 父の世代の人々だって「今」が「昔」と違うことは痛いほどわかっているのですから。でもわかっていても「言いたい」のです。それらをしっかり受け入れる我慢強さを備えれば、ベテラン世代にすばらしい知恵を与えてもらえることがあります。私の父なんかは、ふたりでじっくり話をしていると30代の私がびっくりするような斬新なアドバイスをくれたりします(笑)。そういった意味では、先代の経営者を「会長」なんて名誉職みたいに奉るのではなく「相談役」という役職になってもらったほうが、いつまでも現役みたいで元気がもらえそうですよね。父の時代、ビジネスは確かに「足し算」でした。頑張った分だけ結果が出ていたのです。当然のように「精神論」がまかり通ったりもしました。現在のビジネス環境は、少なくとも足し算にはなりません。複雑化した公式のようなものです。ベテランの経営者や管理職に限らず、いまだに昔ながらの「精神論」で、企業の社員教育を職業とするコンサルタントの先生も多々見受けられますが、社会に飛び込んでからずっと、複雑な社会環境しか経験出来ていない若い社員達に「精神論」や「昭和の成功例」を聞かせる事自体が、企業内のベテランと若手の相互理解を遠のかせる要因になるのではないでしょうか。 相互理解の環境が整わないと、若手は、会社から去っていきます。その若者が有能、無能に限らずです。若い彼らが、しっかりと納得して自ら行動出来るような社風を創り上げないと、企業は生き残れません。若い連中に「頑張れ」とまくし立てるよりも、彼らが何を悩み、何をしたいかを共有できるような関係づくりを構築したいものですね。 株式会社ジュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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このたびの震災に被災された皆様、ご家族・ご関係者の皆様、我々宝飾業界の仲間達に心よりお見舞い申し上げます。 いま以上に被害が拡大しないこと、被災地のすべての皆様の救援、1日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。 また、東京電力福島第一原発の事故についても避難や不自由を余儀なくされている皆様の一日も早い「心の安息」と「生活の安定」を心より願っております。 被災地域の宝飾店さんは、その当日、その瞬間まで、いつもと変わらない営業を続けていたはずですよね。展示会の最中だったなんて話もよく耳にします。今回の震災で改めて感じたこと、それは、この世界は、不変ではないと言うことです。 原発事故のことを考えれば、南東北地域に限らず北関東や首都圏、東海地区までも、ある日突然、自主避難の対象となる可能性がないとは言えないはずです。全国に点在する原発に加え、我が国は多くの活断層の真上にあり、周囲を海に囲まれ、狭い国土の上に多くの人口密集地が形成されています。悲劇的な災害の発生要素は星の数ほどあるのです。 「銀行さんからの融資を受け、新工場を建設し、今月1日から稼働させていた。今回の津波で全部流されてしまいました。」そんなことを話す水産加工業者の社長さんがテレビでインタビューされていました。呆然とした様子が印象的で、とても気の毒で見ていられませんでした。社長さんには完全に想定外の災難だったと思います。新しい事業そのものが的外れして大赤字となり工場が閉鎖になるのなら、経営の責任者として気持ちの整理も出来るでしょうが、今回のような事態では、整理のしようがないでしょうね。もし、自分が同じ立場に立たされたら、頭が真っ白になって自分自身を見失ってしまうかもしれません。 経営者は様々なリスクを「想定」し、健全な事業運営に努めます。それは社員やその家族を守る上で当たり前の努力ですよね。今回の震災を教訓に、世の中の急変という事態までもしっかりと見据える必要があると感じました。でも大切なことは、消極的になるのではなく、自社のジュエリーの市場の対象範囲をしっかりと見据え、その規模にあった確実性の高いサービスを行うこと。自分達の規模や資本力から飛躍することなく、その中で、最大の収益を確実にあげるためのシステムを徹底的に探求し、構築すること。そしてさらに、そのための行動を絶対に惜しまないことだと考えます。 もともと、それほど大きな市場を有するはずもない我々の業界においては、地域密着や個店力の成長が「小売業」には求められ、「卸売業」ではその地域ごとの特性や地域バッティングをしっかりと見据えた小売業支援と、取引先・仕入先(メーカー)相互への有機的な情報発信が求められます。我々「メーカー」にはそれら業態に対応できる差別化商品の企画・開発が任されることになりますね。 モノ(商品)の売り上げだけを追求する「小売業」、旬を通り過ぎた商品をばらまく展示会の繰り返しを唯一の売り上げ要素とする「卸売業」、「売れそうな商品」ではなく「売れている商品」ばかり作ろうとする「メーカー」という現在の我々の業界の構図では、いざという時の有事には対応できないはずです。 今回の「国難」に負けることなく、宝飾業界から日本を元気にしていくことに尽力しようではありませんか。 株式会社ジュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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結婚指輪は、なぜプラチナでないといけないのか。そんな疑問を抱いたのは、もう10年以上前のことである。この新聞の前号(3月1日)のコラムでも「若年層は素材に無関心なのか?」で、そんな記事を見かけました。 弊社も長年プラチナ製のリングを作ってきましたが、とにかく軟らかいため、傷が付きやすく、せっかくのカットやデザイン柄が消失してしまうことが残念でなりませんでした。特に弊社は製法特許取得の地金カット仕上げを「ウリ」にしていたので、職人達は、そのカットの摩耗を防ぐ様々なアイデアを探したものでした。地金を主体としたジュエリーの中で、結婚指輪は悲惨でした。毎日装着される結婚指輪は、その摩耗も早く、とても無残な姿へと経年変化していったのです。前号のコラムでは「若年層が素材に無関心といわれるのは、業界が生み出したものかもしれない」と締めくられていましたが、私は「結婚指輪=プラチナ製」という常識こそ、業界が生み出して、頑なに守り続けてきたと考えます。昨今の急激なプラチナ高騰により、やっと、ジュエリー素材の本質を問う論議が活発化しているのです。逆に言えば、プラチナ高騰がなければ、今でもプラチナが王様だったに違いありません。 全国、どこの街に出掛けても、金・プラチナ高価買い取りの旗や看板を必ず見ることが出来ます。あの姿を見ると、不思議と「プラチナ=高級」と感じることはありません。まるでスクラップのように貴金属が換金されていく様子は、地金を主体とした宝飾品の評価の大半を「素材」で位置付けてきたこれまでの歴史に、ついつい笑ってしまうことさえあります。 私は、地金製品を主力としたメーカーのひとりとして、ジュエリーの価値は、匠の技によって表現される様々な芸術性や製作手腕が決めていくものであると考えています。もちろん、そのキャンバスとなる「素材」も大切ですが、なんといっても「料理」の手腕で、地金ジュエリーの存在感は大きく高まって行くのです。ダイヤモンドやカラーストーン等の宝石類は「素材」によって評価が決まることでしょう。それらは「地球」という職人が作り出した芸術品であり、揺るぎない評価基準も確立しています。しかし、地金ジュエリーに関しては、例えそれが、シルバーであっても、チタンであっても、パラジウムであっても、金配合比率の悪いK9やK14であっても、その完成された姿が示す芸術性や存在感で「ジュエリーとしての評価」をしていくべきだと思っています。 私は、7年ほど前から、プラチナ以外の素材を活用して、様々な結婚指輪を製造してきました。それはインターネットで「輪(りん)」や「遥(はるか)」と検索して頂ければご覧になって頂けるはずです。発売当初、多くの諸先輩から御批判を受けた「プラチナ以外であるというマイナス要素」は、今ではお取り扱い頂いている販売店様の「こだわり」という武器に成長しました。今こそ、ジュエリー先進国である欧米のマリッジバンドのように、プラチナ以外の選択肢が、単に価格やイメージではなく、ユーザーの指向と欲求を叶えるため機能の選択肢として認識される時代になったのだと感じています。 株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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つい先日の日曜日のことである。私は、とある政令指定都市へ出張していた。この街の人口は100万人を超え、このエリアでは大都市である。私が訪問していた取引先は老舗の宝石店。地元でも有名な商店街の中にあり、その宝石店の社長は商店街運営の中心メンバーにもなっている。老舗だけあって昔からの良い顧客が多く、その日も、夕方には私を外商へ連れ出してくれる予定になっていた。社長に連れて行ってもらった外商で、売上げが作れなかったことは過去に一度もなく、私にとってみればとても有り難い商売である。とはいえ、約束は夕方。昼間から訪問してしまって、やることがない(笑)。社長もそれを気遣って、昼休みを利用して市場調査しようという話になった。 実は、昨夜からこの街に入っていた私は、社長を誘って食事に出た。久しぶりの再会ということもあってお酒も入り、ついつい私も言葉が強くなった。 「社長、このままだとこの街のブライダル市場、大手にみ〜んな獲られちゃいますよ。まだまだこの街は未開発の市場なんです。」 弊社ブライダル商品は既に社長のお店には導入済みで、少しずつ、若いお客様の取り込みにも成果は出ている。スタッフの意識も変わりはじめ、導入前とは比べものにならない危機感も持っている。しかし、私の本音は、もっと頑張れるはずとストレスを感じていた。老舗で、長年付き合っている顧客の信頼も厚く、正直、売上げにもそれほど困っている様子はない。さらに、大手地金商社の指定取次店となっていて、昨今の地金ブームで地金の売買がとても忙しいのだ。そんな中、まったく新しいきめ細かなサービスが必要な「ブライダル」という新事業を全力で取り組んで欲しいと思うこと自体に難しさがあるのかもしれない。しかし、弊社商品が導入されている以上、私にも信念がある。 「社長のお店の未来のために、ブライダルを真剣に取り組まないと、絶対に手遅れになっちゃいますよ。」そんな言葉のやり取りがあったのだ。 市場調査は自然と「ブライダル」の方向へ向かった。アイプリモさんやシライシさんはじめ、東京進出組の大手や地元の有力店など、社長がお店を構える商店街近辺にはライバル店が集中している。それぞれのお店の外から、御来店カップルさんの数を数えていくという最も原始的な市場調査(笑)を進めた。 「おっ4組も入ってるよ」「えっ!、ここも2組」。調査を進めるにつれ、社長の顔から笑いが消えていくのがわかった。日曜日の昼下がり、わずか30分ほどの間でゼクシィに広告掲載する5〜6店舗を見て回った。ざっと数えても30組以上のカップルさんが、それぞれのお店には確実に存在した。社長は、カップルさんがいない自分の店に帰ってきて、少しの間、黙って考え込んでいるように見えた。私は、各ライバル店の様子をスタッフさん達に報告した。みんな、一様に驚いていた。こんな身近な市場規模さえ気付いていなかったことがすぐに感じ取れた。「ブライダルのお客さんってそんなにいるんだぁ。」あるスタッフから本音がポロリ。いくらかの時間が過ぎた後、社長が私に言った。 「何からすればええやろうかぁ。」 お店の行動は、ちょっとしたきっかけで加速する。日々全国をまわり、こんな出来事を繰り返していくことが我々に与えられた仕事なのかもしれません。 株式会社ジュホウ 木村亮治(ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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新しい年になりました。「木村の独り言コラム」を本年も宜しくお願い致します。これまでの長いトンネルを抜け出し、今年こそはジュエリー市場が元気になる事を心から願っています。大手百貨店や高級宝石店で、昨年の終盤くらいから、少しずつ高単価なジュエリーが売れ始めていると聞きました。大手企業の冬のボーナスも、けして悪い数字ではなかったようです(ボーナスの使い道トップは貯蓄や生活費の補填らしいですが)。最近気付いたのですが、弊社で取り扱っているダイヤモンドの販売単価も昨年に比べ明らかに上昇しています。とはいえ、残念なことですが、販売点数は減少傾向であることは注目すべきでしょう。これらを踏まえると、ジュエリー等の付加価値高額品を「買える人」と「買えない人」との格差は確実に拡がっていることが理解できます。極論ですが買える人は買える、買えない人はどんどん買えなくなっているのです。 2011年以降のビジネスには、この「買える人」を見定める明確なマーケティングが不可欠です。この「買える人」とは、まさに現代を生き抜く「人間力」に満ち溢れた人々であり、この人々と通じ合うためには、自分自身の「人間力」を徹底的に鍛え上げる事が必須となっていきます。私自身も常日頃からその大切さを認識していながら、ついつい「危機感」だけに意識を奪われ、目の前の商いだけを追いかけてしまう事が多く、なかなか「人間力」を鍛える修練と向き合うことが出来ていません。「危機感」は「個の力」を畏縮させるのです。その「危機感」はいまの「不況」が増幅させているのです。 多くの諸先輩方が感じている「不況」と、若手の業界人達が感じているそれとでは、若干の見解相違があります。特に年齢が30歳代となると、完全に「バブル」を知らない年代です。展示会等で働く業界人を見渡すと、若手業界人の割合もだいぶ増えてきたように思います。彼らからすれば、良い時期を知らないので、いまの状況が「ふつう」と感じているはずです。 20年以上前、「売り場面積を倍にすれば売り上げが倍になる」と教えられたベテラン業界人と、「展示会販売の売り上げに頼り続ける事には無理がある」と思い知らされ続けた若手業界人には、その危機意識の質に大きな相違があるのです。売り上げや市場の急激な減退を目の当たりにしてきたベテランの人々は、現在の売上に大きな不安や怒りを抱えています。不安で当然ですよね。その不安を解決するような「特効薬」をいつも探し続けます。「じわじわと効いてくる薬」では、もう彼らの不安を打ち消すことは出来ないのです。若手からみれば「せっかち」に見えてしまうかもしれません。 一方、若手の業界人達は、ベテランから見ると、不思議なほどの冷静さを感じることがあるようです。その様子が「危機感がない!」と誤解されることもしばしば。若手の人々は、誰が考えても厳しい時代に向かって歩んでいます。本人達は痛いほどそれを認識しています。少なくとも、将来は年金がもらえると思っている若手は半数以下です(払っていない人々の割合でわかります)。 ベテランの皆さんは政治について語ります。「いまの政府はダメだよ〜」なんて言っている姿をよく見かけます。若手は政治に興味すらありません。期待することが何もないからです。 つまり、若手には焦りがありません。焦っても、世の中が変化するなんてあり得ないことを、意識レベルのDNAに叩き込まれているのです。 だからと言って「危機感がない」とか「無責任」と考えることには疑問を感じます。若手には、ベテランの皆さんではなかなか宿らない「その環境に上手にあわせて、自分の力だけを頼りに生きていく」という「強い客観性」を持った人間が多い事を理解してあげてほしいのです。 若い年代になればなるほど、その客観性はさらに強固になります。若手と自負する39歳の私でさえ、すでに大きなギャップを感じるほどです。私が社会に飛び込んだ頃、上司から「飲み」に誘われて夜の街へ繰り出すことは、断れるわけもない義務のような感覚がありました。たとえ、嫌いな上司であっても断ることは無かったと思います。いま、私たちの年代が20代の若手を「飲み」に誘っても「すいません、今夜はパスでっ」と簡単に断られてしまうことがあります。ついついこっちが気遣って「体調悪いのか?大丈夫か?」なんて声をかけるほどです(笑)。 完全に「個」を優先し、自分自身を常に観察しながら生きていく事を義務付けられた人生・・・それが若手の人生観なのです。私は、働く人々の多くが、この人生観を持った人間となったとき、経済活動そのものが「企業レベルの競争」ではなく「人間レベルの競争社会」に進むと思っています。そして、その競争について行けない人々は、とても厳しい生活を余儀なくされるはずです。30年前なら弱者をサポートしてくれた「社会」も、これからは手を差し伸べることはしません。強者の代名詞である大手企業の法人税を下げる原資を、将来の人々(つまり今の若手)や子供達に負担させようとするくらいですから。 人間レベルの競争社会で台頭するのが、冒頭に書かせて頂いた「人間力」だと考えています。若手業界人が突き進む「個」の潜在意識の中で、必ず自らの人間力を素晴らしく鍛え上げる逸材が目立つようになります。私が現場をまわっていても、その逸材候補はゴロゴロと見受けられます。 2011年は、昨年よりもさらに厳しい一年間だと考えます。政府の無力化はますます目立つようになり、やっと決まりかけている対処療法的で浅はかな経済対策には、素人である私でさえ期待していません。中小企業は壊滅的な打撃を受ける一方、合併や淘汰によって大手企業は競争力を増し、その格差が目に見えて社会に示される「最初の年」になるかもしれません。 そんな中、若手をしっかりと理解するベテランと、客観的な視点から「個」を鍛えられる若手達がしっかりと肩を組める企業だけが、危機感を超える「前進」を勝ち得るのではないでしょうか。すばらしい人間力に満ちた人々の集団には、必ず「買える人々」との接点が生まれます。そんな仕組みが明確化される新しい年を、期待を持って展望したいものです。最後となりますが、関係者の皆様、お取引先様の皆様、どうか今年も宜しくお願い致します。 株式会社ジュホウ 取締役ゼネラルマネージャー 木村亮治 |
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急速に加速する円高、もしかしたら総理大臣になっていたかもしれない政治家の起訴、巷では信じられないような事件の数々。日本は間違った方向に迷走している気がしますね。休日の高速道路は、政府が実施している格安な高速料金のおかげで大渋滞になることが増えました。私的には、高速料金無料化へ進む動きには反対です。むしろ、普通乗用車には、今の標準的な高速料金の3倍くらいを徴収して頂きたいと思っています。 全国にはたくさんの宝飾店がありますが、その数はまだまだ多すぎると言われています。成熟した宝飾市場である欧米と比べても、人口割合で比較すれば、数倍の数になるそうです。特に、都市部以外の地方において、その実態は強く感じられます。自分が地方をまわっていても「よくぞ続いているなぁ」と思うくらい、宝飾店の姿が目に飛び込んできます。減少しつつある事は間違いないとは思いますが、あまり、世の中の移動が容易になると地方の消費に大きな打撃を与えかねないと心配しています。私の思いこみかもしれませんが、地方で見かける、いわゆる「繁盛店」「良い顧客を抱えている優良店」と呼ばれるお店の立地は、大消費地へのアクセスが不便な地域に多く見られる感じがするのです。そして、過去を振り返ると長野や山形、鹿児島といった地域が、新幹線の開通によって、商店街ごと意気消沈してしまうケースを我々は体験しています。特にいま、心配なのが来年3月に予定されている九州新幹線の全通や、今年の12月に予定されている東北新幹線の全通です。特に九州新幹線では独立地域とされた「熊本」が九州経済の中心「博多」と、わずか35分で結ばれてしまいます。博多駅ターミナルは開通に合わせて大規模な百貨店を新設中で、その求心力はさらに強大化すると思われます。大昔、山陽新幹線が全通した際、小倉(北九州地区)から消費が「博多」へ移った過去もあり、今回はそれ以上のインパクトになるのかも知れません。 東北新幹線においては「仙台」が流動の中心になります。東京から新幹線で北進すると乗客のほとんどが仙台で下車してしまい、それ以降、車内がガラガラになってしまう程です。青森から仙台まで2時間以内というインパクトも大きいでしょう。この際、新幹線の開通を延期にして、高速道路ももっと不便にして、地域の人々が「地産地消」の消費にシフトして欲しいと思ってしまう自分は、非国民なのかも知れませんね。 株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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「なかなかわかって貰えなくて」涙ぐみながら彼女はポツリとつぶやいた。ある展示会で、たまたま私が接客する事になった彼女。年齢は三十歳、独身、無職。詳しく聞く事は遠慮したが、心の病で相当悩んだ時期があったそうだ。今は明るさを取り戻しているように見えた。 お母様と一緒に展示会に来ていた。「三十歳・独身・無職」お母様とすれば心配で仕方がない。雑談の中で繰り返すように「せめて仕事でも」と問う。その都度彼女は「いまは色々考えたい」と反論する。口論の中間に入ってしまった私、やはり放っておけない。彼女の気持ちに触れ、気が付けば2時間以上彼女と向き合った。お母さんの目の前で、私が感じた彼女の感情を代弁し続けた。彼女の目から涙がこぼれ、私は何度も彼女の肩に手を添えた。最後は再会を約束してお母様とふたり、仲良く帰っていった。私から30万円のネックレスを買ってくれた彼女は、素敵な笑顔を見せてくれた。無職の彼女にとっては勇気の要る買い物のはず。「キレイ」と言って嬉しそうにネックレスを眺める彼女の顔が今でも頭から離れない。 不況だから、ローンが通らないから・・・ジュエリーは確かに売れなくなった。でも、ジュエリーは必ず人の心を動かす。全国どこかの現場では「不況」を言い訳に販売に尻込みする業界人達を嘲笑うように多くの物語が繰り広げられている。今までも、そしてこれからも。 株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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ダイヤモンドの鑑定書が必要、不要という議論から、私が以前の記事で書いた「鑑定書」という呼称についての議論まで、今回、時計美術宝飾新聞社がまとめたアンケート結果には、我々業界の危機感が明確に示されていました。 JJAが提唱する「販売者責任」、つまり、売った側の責任を強調している点については、小売業者の“こだわり”はもちろん、製造メーカーと小売業者の中間に位置する卸業者に、より専門的な情報開示とプロフェッショナルな人材が必要になる気がします。冷静に考えれば、我々メーカーが製造したものに「不正」があれば、消費者の手に渡るまでの流通過程の中で、必ず除外されるはずです。少なくとも消費者はそれを疑わないのではないでしょうか。多くのグラジュエイト・ジェモロジストや、ベテラン業界人の「プロの眼」の洗礼を受け、批判と評価の宣告を幾度となく潜り抜けて、ほんのひと握りの逸品だけがお客様の手に渡る・・・そんな、精度の高い流通プロセスが求められる時代であることは、業界内外の動向からも周知の事実のはずだからです。 私の個人的な見解ですが、各メーカー(工房)には、欧州で見られるようなマイスターの格付けを行って、技術や意匠、さらにはマーケティングという点で競争させるべきだと思います。すでにメーカーの世界では、この世界的な大不況の功績により、自然発生的に「勝ち組」と「負け組」との差が確実に広がっていて、格付けは始まっている感じもします。しかし、単に「売れる商品」を供給するメーカーを評価するのではなく、業界への貢献度や業績、自社に所属する技術者の顔ぶれ、さらには現代社会の風潮を付加して、先進的な取り組みや環境への配慮など、評価項目を作り上げてスコア評価すると、より正確な格付けが出来るのかもしれませんね。 厳格に格付けされたメーカーを源泉として、多くの厳しいプロ達がこだわり尽くした流通プロセスを、歴史と伝統の上に築き上げられた「正しい風潮」として、しっかりと業界全体で保持・継承出来れば、今回のような問題は、消費者に渡る手前ですべて食い止められたのではないでしょうか。 業界の危機感が明確に示された 忘れてはいけない事は、ダイヤモンド・グレーディング・レポート(いわゆる鑑定書と呼ばれてしまうもの)を、公の鑑定機関が発行した「鑑定書」といった雰囲気にしてしまって巧みに販促物化してしまったのは、他ならぬ我々宝飾業界の人間達です。百貨店をはじめとした全国の宝飾販売店、さらには問屋さんが催事に連れてくる無責任なコーディネーター達は「4Cの最高峰」なんて表現で「トリプルエクセレント」や「ハート・アンド・キューピッド」という言葉を接客プレゼンの決め手にしてしまったのです。 ほとんどの業者が、ダイヤモンドをまるで工業製品のように「4C」だけで価格決めして流通させてしまいました。売れ残ったり、消費者が質屋さんに持ち込むと、ダイヤモンド価格は下落し、4C各評価毎の全体の価格基準までもどんどん下落させて、副作用的に、ダイヤモンドの4C基準を比較材料とした価格競争を常態化させてしまったのです。 ダイヤモンドの品質基準を語る上で「4C」の存在はとても大切ですよね。猛暑の中、空き時間の全てをGIAに通う事に費やしている私を含め(笑)、誰もが認めるグローバル・スタンダードに間違いないのです。しかし、今回の事件が大騒ぎになるまで、そもそも「4C」とは何かという論点で、認識を深める努力は、年々忘れられてしまっていたのかもしれません。GIAの基準は前提条件としながらも、消費者が唯一頼りにする全国の宝石店さんが、独自の評価方針を探求していく事を、業界全体で促していく事が必要ではないでしょうか。 今回、有名になってしまった全国宝石学協会(全宝協さん)ですが、日本が世界に誇る、国際的評価の高い鑑別専門会社ですよね。カラーストーン等では、日進月歩の最新の「処理」を見抜く為の高額な専門機材や蓄積データを備えているし、優秀なグレーダーさんも多く在籍していると聞きます。 販売の現場では「全宝協が鑑定した商品はすべて無料で再鑑定します」といった内容の説明が多いようですが、果たしてそれが、本当に消費者が求めている事なのかなぁと疑問を感じます。 どれだけの人々が、自分が購入した商品に不安を抱き「無料で再鑑定」をしてもらうため、店頭へ持参したかを多くの人々に聞いてみると、当初の予測よりだいぶ少なかったようです。お客様が所有している商品よりも、百貨店の「店頭品」の再鑑定が最も忙しかったのかもしれませんね。 責任の擦り合いは業界のマイナス 全国の宝石店を廻っていると、経営者である社長が自分の跡継ぎである息子や娘を「甘い」と嘆く事も少なくありません。そんな時、私は必ず「子は親の鏡ですよ」と伝えます。同じように経営者が、自社の社員を「アホ社員」と言い放つ姿を見る事があります。その時は必ず「社員は経営者の鏡ですよ」と言います。そんな毒舌(?)が原因となって、経営者の方に顔を真っ赤にして怒られることも、私の日常ではよくあることです(笑)。自らが長年、商売に活用してきた全宝協さんを批判し、あたかも自分達も被害者といったような弁明をする販売店は、必ず信頼を失うのではないかと考えます。また、お客様への回答としても、「うちは○○だから大丈夫」という返事だけで終わらせて欲しくないものです。せっかくの機会ですから、「そもそも、ダイヤモンドのカラーとはこんなふうに判定するんですよ」といった「ふかい〜ぃ話」をしてあげて欲しいものですね。 株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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日本経団連が5月19日に発表した1部上場企業対象の今年の夏のボーナス額の調査では、昨年比1.51%増の790,468円と発表されました。また、先月末に公表された国家公務員の夏のボーナス(期末・勤勉手当)は、管理職を除く行政職(平均35.5歳)の平均支給額で577,500円、これは昨夏より4千円(0.7%)増加したそうです。ここ数年、世の中を苦しめてきた景気は底打ちの時期に達して、僅かながらに景気は回復基調にあるというのが、多くの先生方の見解のようです。我々の業界で、せめて、公務員並みのボーナスを支給された人間はどれくらいいるだろうか。もともと、中小企業がほとんどの業界ですので、上場企業の様子なんて別世界の出来事と感じる業界人も多かったはずです。我々の業界に限らず、全国で働く人々の7〜8割の皆さんにとっては、別世界の支給額に思えたのかもしれませんね。 株式会社野村総合研究所(野村総研)が金融資産保有額別のマーケット規模を推計する際、その区分は、預貯金、株式、投資信託、債券、一時払い生命・年金保険などの純金融資産の保有額(負債を差し引く)によって、「超富裕層」「富裕層」「準富裕層」「アッパーマス層」「マス層」に分類して推計しています。 個人の純金融資産5億円以上の世帯を「超富裕層」と呼び、1億円以上の世帯を「富裕層」、5000万円以上を「準富裕層」、3000万円以上を「アッパーマス層」としています。 金融資産3000万円以下の世帯がマス世帯と呼ばれ、野村総研の推計によれば、我が国全体の世帯のうちの約8割を占めるそうです。そして残りの約2割が、いわゆる「余裕のある世帯」となるのですが、それら世帯が消費するマーケット規模は日本全体の6割近くを占めるという結果にも驚かされます。 つまり、我が国においては「2割のお金持ちによって国内消費の約6割が賄われている」ということになります。宝石は「贅沢品」ですので、その多くは「2割のお金持ち」によって消費されているのでしょうか。私はそうは思いません。あくまでも私の推測の域ですが、残り8割の上位にランクする人々もかなりの消費を担ってきたと考えます。だからこそ「ローン販売」が重要だったのです。自分が自由に使えるお金を超えてしまうような買い物を「ローン」で行うスタイルは、全国の宝石店では日常的な光景でした。しかし、ローン販売が難しくなり、8割の上位にランクする世帯の消費活動は、確実に減退し始めています。さらに、「余裕のある世帯2割」と「一般的な世帯8割」の経済格差は、年々拡がり続け、今では「格差」を超えて「階級」になったとまで言われています。 少なくとも、ボーナスだけを見ても、「上場企業で働く人+正規の公務員」とそれ以外の人々とでは大きな開きがあることは明白です。今後は「2割のお金持ち」を重点的に顧客として獲得していかないと、宝飾業界では生き残れないはずです。 先日、香川県観音寺市にある弊社取引先「トヨタ宝冠堂」に立ち寄りました。そこには「遥(はるか)」と呼ばれる弊社のブライダル商品が導入されています。「遥」は、極めて特徴的な商品が多く、マニアックな顧客層にしか受けない商品で、導入直後はどんな販売店さんも、その販売方法やマーケティングに大変苦労されます。これまでの「常識」が通じないのです。例えば「ブライダルなのにプラチナ製品が皆無」というだけでも、その商品構成の異様さを感じて頂けることでしょう(笑)。 トヨタ宝冠堂さんは、売上げの軸であった「展示会販売」を極端に減らし、若手スタッフが中心となって様々な改革に取り組んでいます。当然ですが、困難な道のりです。忍耐強く、手探りで一歩一歩前進しています。その目的は、将来の軸となる顧客を創り上げる事、ただそれだけを目指しているのです。 久しぶりの訪問で、トヨタ宝冠堂の皆さんとの再会に喜びを感じつつ、スタッフみんなとお茶を頂きながら、この数ヶ月を振り返りました。そんな会話の中で、最も特徴的だったのが「遥を見に来るお客様は、本当に公務員さんが多いんですよ・・・」という一言。そして、それに「うんうん」とうなずくみんな。それはまさに、マニアックな「遥」という商品の戦略が、少しずつ良い成果として形になってきた証だと感じました。「公務員」を「勝ち組」と考えれば、トヨタ宝冠堂には勝ち組のカップルさんが訪れている事になります。その中で、どれだけのお客様を「一生のお客様」として自店のファンに出来るのかはこれからの取り組みに期待しなければなりません。 弊社商品の宣伝になってしまうので「遥」の話はあまり出来ませんが、最も大切なことは、「何処にでもあるような商品で勝負しないこと」、「こだわりを表現しやすい商品で勝負すること」そして何より、「専門店として選りすぐりの商品に絞り込むこと」だと考えています。 「勝ち組」と呼ばれる人々の心に訴えるのは「ブランドの量」ではなく「こだわりの質」だと思うのです。以前のコラムで、ブランドがたくさん置いてあるお店には「富裕層」ではなく「富裕層に憧れる普通のお客様」が来るのではないかと書いた事がありました。 ブランドショップでは高級時計をローンで買う人が多いと聞いたからです。「2割のお金持ち」が、「8割の上位にランクする人々」が多く所有する商品を嫌うとすれば、結婚情報誌でお馴染みのブランド達や、それらブランド商品をたくさん取り揃えるお店は対象外になってしまうのかもしれませんね。株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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「業界全体の誇りや伝統」についても真剣に向き合うべき 全宝協の問題は、我々の業界全体を巻き込む大事件となってしまいましたね。多くの諸先輩方、尊敬すべきGGの皆様、宝石学を究めた研究者の方々が読まれるこの誌面上で、私のような半端な人間が、この問題に対してコメントするのは、生意気極まりないことではありますが、多くの仲間に意見を求められていますので、勇気を持って少しだけ書かせて頂きます。 先日、たまたまGIAに取材に来ていた大手新聞社の女性記者と話す機会がありました。社会グループの記者でしたが、彼女は、事あることに「基準は何?」という言葉を繰り返し質問してきました。 そもそも、今回の問題に関する記事の多くで「鑑定書」と記載がありますが、正しくは「ダイヤモンドグレーディングレポート」ですよね。「鑑定書」と言う言葉には、テレビの「何でも鑑定団」のように、そのものの価値を保証するようなイメージと捉えることが出来ます。しかし、全宝協をはじめとした多くの鑑定機関が発行しているのは「グレーディングレポート」、直訳すれば「品質分析報告書」の類です。GIAのグレーディングリポートを見ると、小さな文字ではありますが「本レポートは保証書や価値判断書、価格査定書といったものでは無く、単にダイヤモンドの特徴について述べたものである」と書かれています。もちろん、全宝協のダイヤモンドグレーディングレポートにも同じような注記があります。 そんな話を、私は記者に説明しました。すると強い口調で反論とも思える言葉を浴びせられました。「それでは消費者は何を信じたらよいのですか。」 私は、もっともなご意見だなぁと感心しましたが返事はシンプルに答えました。 「お店です」。 私は記者を見つめて一言、その後互いに一瞬の静寂がありました。「自分が信頼できる宝石店がすすめてくれたダイヤモンドを信じるのです。本当に大切な買い物としてダイヤモンドを買いたいと思うなら、消費者も、信頼できるお店を探すくらいの努力も必要じゃないかなぁ」。 記者は「なるほど。」と言ってくれました。記者からは「情報開示」という言葉も何度か耳にしました。どうやら、グレーディングの結果と販売価格の因果関係を開示して欲しいようです。しかし、グレードによって値段がどう違うなんて事は、明快にシステム化されているわけもなく、それこそ具体性に欠ける情報開示になりますし、今回の問題を解決する根本的な答えにはなり得ないと私は考えています。本当に情報開示すべきは、全国の宝石店で、「ダイヤモンドのグレーディングとはどういったものか」を徹底的に広報することだと思うのです。今回、問題になったダイヤモンドのカラー判定について、「グレーダーの目視」であること、「ダイヤモンドをひっくり返してパビリオンから観察するということ」「天然のものだから、それぞれのカラーの中間が存在すると言うこと」等々、そして何より、「コンピューターで正確に計測するようなものではない」という事。 他の新聞社でこんな事を耳にしました。「あっちこっちの小売店に新聞社が取材で回っているらしいですよ。でも殆どの小売店がノーコメントなんですって」。私はすぐに「ノーコメントなんてダメだ」と声を荒げてしまいました。しっかりと自分達の自信と情熱を言葉にして伝えるべきです。一番消費者に近い小売店さんが、問題から逃げていてはダメだと思うのです。 もし、小売店さんがコメントに困るのであれば、その原因はダイヤモンドの販売が「4C」の説明で片付けられる実態が大きいと思っています。4Cのシステムがダイヤモンドの基準として有名になると、メーカーや小売店は自社の保証書ではなく鑑別会社のレポートを保証書代わりにつけるようになりました。○○協会とか、○○研究所とか、素人である消費者を信用させる為には、あたかも公的な機関が発行しているようなレポートが、それらしくて都合が良かったのではないでしょうか。これは真珠でも一緒ですよね。結局、店頭に御来店頂いたお客様(消費者)には、「4C」でダイヤモンドの善し悪しが判断できると説明されてきました。現場からすれば、その方が「楽」だったのですね。そんな中で、今回の事件は起こったのです。そして、その問題の本質に気付かない宝石店や、多くの百貨店は、未だに「全宝協」だけを責めています。自分達は全く悪くない、むしろ被害者のような言い回しをしたりする人もいます。うちは「中宝研」だから大丈夫なんて、訳の分からない説明をしたりもします。問題の根元は「4C」に頼り過ぎて、現場のスタッフ達でさえ、ダイヤモンドグレーディングの本質を理解していない事があるのではないでしょうか。今回の問題で「業界全体のモラル」を問うのであれば、それと同時に「業界全体の誇りや伝統」についても真剣に向き合うべきかもしれないですね。 株式会社ジュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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必ずや「超専門店化」の優位性が目立つ時代に いま、宝飾業界では、多くのメーカーならびに小売店企業がブライダルジュエリー市場へと本格的に参入し、まさに、「ブライダル戦国時代」の様相を呈しています。私は、自分の取引先企業には、ブライダル客を取り込むことが出来ないのであれば、宝飾業界で小売店を継続させることは、実質的にかなり難しいことをいつも提言しています。ブライダルジュエリーの販売機会によって創出される新しいお客様との出逢いを通じ、将来、上顧客となってくれそうな予備軍を確実に育て上げることが、小売店企業の唯一の道だと自分自身が確信しているからです。 展示会販売の衰退により、いつまでも昔からのお客様だけを頼りにする商売は、いよいよ限界に近付きつつあります。我々の業界が長年頼りにしてきたローン販売が、6月18日に完全施行となる改正貸金業法によって、かなり厳しい条件へと移行することも大きな要因と言えます。 現在の「ブライダル戦国時代」の発生要因は、未曾有の大不況の中、多くの消費者から「贅沢品」として敬遠されつつあるジュエリー市場で、唯一、祝い事としての実用的な要素を含んだ「ブライダル」の売上げに期待が集まるからでしょう。ブライダルにこれまで真剣に取り組んでいなかった小売店企業から見れば、ブライダルで頑張っている小売店企業の芝生が青々と輝いて見えるのです。 しかし、我が国の婚姻組数は、平成8年で795,080組、平成20年で726,106組(厚生労働省)と減少しており、例え離婚率の上昇によって再婚率が増加したとしても、少子化も重なって、市場は横ばいから緩やかに縮小されていくものと予測できます。その市場に多くの業者が殺到すれば、自ずと、1業者あたりの市場割当ては減少していくはずです。 結婚情報誌「ゼクシィ」のリクルート社が2009年春に実施した調査では、結婚指輪の相場はペアで約21万円と発表されています。婚約指輪の相場は約36万円だそうです。婚約指輪を買うカップルは全体の約6割という事も示されていますので、単純計算で年間3000億円規模程度の限られたブライダルジュエリー市場を、宝飾業界の仲間達が争奪していく事になります。 その限られた市場の中で、取り扱いブランド量や価格を競い合うビジネスでは、メーカー直営店や、GTBT・石部氏が仕掛けるような「ブランド集積ショップ」が有利になります。さらに、永遠にブランド導入合戦を繰り広げると、最終的には完全に「資本力」の勝負になってしまいます。 前回のコラムで家電量販店を例にしましたが、ヤマダ電機のようなメガストアに、中小規模の家電量販店が対抗するためには、仲間との合併等によって資本力と共に自社を大規模化するか、あるいは、大手ではマネ出来ない痒いところに手が届くような専門店へと自社を変革する以外、勝ち目はありません。 現実的に「資本」で太刀打ちすることは無謀であり、必然的に後者の方向を目指すべきと思われます。家電なら、ひと通り販売していた電気店が「パソコン専門店」等へ生まれ変わる事例が目立つのも、その動きと言えるでしょう。とはいえ、極めて厳しい時代の中、単に「パソコン」の専門店では、ライバルとの差別化は困難になってきているそうです。今なら、さらに一歩進んで「マッキントッシュの専門店」とか「PC用のケーブル専門店」といった、「超専門店」の時代になっているのです。 それでは、ブライダルジュエリーではどうでしょうか。もちろん、数多くのブランドを取りそろえて、他社と差をつける小売店も急増しています。これからも増えることでしょう。しかし、家電量販店の例と一緒で、多額の資金投入を続けて王様のようなビジネスを展開出来る企業は、ほんのひと握りと考えるのが自然です。ブランドの量やトレンドを維持するためには長年にわたる多額の資金が必要となるからです。 私は、大手とは一線を画す事を前提として、ブライダルジュエリーで生き抜く為には「超専門店化」が不可欠と考えています。同様の動きの例として、自社工房をウリにして、お客様からのフルオーダーに応える小売店も増えていますが、金・プラチナ地金の高騰や、大手のジュエリーメーカーがフルオーダーシステムに本格的に参入することで、単に、世界でたったひとつのデザインの指輪を作ると言うだけでは採算か合わなくなるはずです。最も安全で確実な「超専門店化」は、経営者自身が徹底的にブライダルジュエリーを研究し「これが好きだっ!」と思える「こだわりのブランド」を見つけ、メーカーと連携して、そのブランドの専門店へと変革する手法だと思います。メーカーとしても、自社商品に対して、そこまでのこだわりを持って頂けた取引先には、様々なサービスを施すはずです。そして、そんな協力関係があちこちで成果をあげれば、わざわざメーカーが慣れない小売りに参入して直営するような事例もなくなるはずです。業界で良く知られたブライダルジュエリーのブランドが、インターネット市場等で、直営を開始する事例が増えているのは、全国にネットワークを築き上げたものの、予測していた売上げには到底及ばず、手っ取り早く収益を上げようとする動きではないでしょうか。ブライダルジュエリーを月に2000万円売り上げる小売店さんに、自社のブランドを導入してもらっても、そのお店に20〜30のブランドがひしめき合っていれば、自分達へ割り当てられる売上げも限られてきます。ここ数年では、ブライダルに強いお店というと各地で目立つ存在でしたので、多くのブランドが同じお店に集中してしまったのです。しかも、ブライダルに強いお店なら、さらに新しいブランドを増やすので完全に悪循環となります。商圏を守る契約で導入させてしまうと、その商圏における自社の売上げが消滅していくのを、メーカーは指をくわえて見ているしかないのです。 これらの動きは、今後、ブライダルブランドジュエリーの勢力再編として目立ってくるのかもしれません。ブランド集積ショップや、ブランドメーカー直営の増加により、それ以外の企業がブライダルジュエリーに本格参入して「一騎打ち」をするのであれば、必ずや「超専門店化」の優位性が目立つ時代になるはずです。「ブランド獲得合戦」の時代が終焉したいま、最も、小売店経営の本質であった「差別化」が、マーケティングの主役に躍り出るのかもしれませんね。 株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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小売店企業と共存する商圏の中で生き残る「道」 とにかくお客様に御来店頂きたい、それが全国のジュエリーショップの心の叫びですよね。店頭への集客の実数は「宣伝力」によるところが大きいと言われます。「宣伝力」は、完全に「資金力」と置き換えられます。石部さんがプロデュースするようなブランドジュエリー店は全国に拡がり、その多くが、自らの商圏の中で一定の集客を成功させているようです。この成功の影に「宣伝力」の変革を感じることが出来ます。 それは、ブランドジュエリー店を立ち上げた小売店企業各社が、自ら多額の資本を投入して、戦略的に広告宣伝を展開する事例が常識化した事にあります。まさに「完全勝利」を目指す石部イズムの具現化に向けて、自らの商圏を完全に掌握するための取り組みが全国各地で示されたのです。これは家電業界における広告展開の変遷に似ています。 昔、全国には「街の電気屋さん」がたくさんありました。その殆どが小規模家族経営のお店であり、その宣伝は、取引先である大手家電メーカー各社に任せていたのです。しかし、大手家電量販店が誕生し、小売店である各量販店企業が独自に宣伝を展開するようになりました。その結果、消費者の多くは「価格」と「品揃え」に勝る量販店へ集中していったのです。いわゆる「街の電気屋さん」は、昔からの常連客や近所付き合いの顧客に頼る事が大きく、新規顧客の取り込みは苦手でした。さらに、時代の変化の中で「ご近所付き合い」も希薄になっていった事で、ますます厳しい商いを強いられ現在に至ります。 あたりまえの事ですが、小売店は、メーカーの消費者窓口ではありません。その小売店が独自性に目覚め、自らをブランド化するプロセスの中で、「宣伝」の形態は大きく様変わりして行くのです。店頭への集客が「宣伝力」によって全て決着するのであれば、資本力で差が出てしまう小規模な小売店企業に勝ち目はありません。家電のように売上げ規模が巨大であれば、メーカー側が販売店に成り代わって宣伝をする事も出来ますが、もともと市場規模の小さな我々の業界では、上場企業も皆無でメーカー側の資本力にも「限界」があります。 もし、メーカー側が多くの経費を負担するのであれば、販売価格をつり上げたり、自ら小売事業を拡大して利益幅を確保する必要があります。それでは、完全に潰し合いになってしまいます。さらに、消費者の頭の中には「ブランド名」だけが蔓延り、小売店がその「ブランド」の引き渡し場所になってしまう事例も見て取れるのです。何れにしても、これらは小売企業とメーカーの共存共栄の論理からは離れてしまう事でしょう。 私は、小規模小売店企業が、バンバン宣伝費をかけられる小売店企業と共存する商圏の中で生き残る「道」として、小規模経営ならではの「機動力」や「独自性」に期待しています。お客様をお招きする様々な取り組みに、大手ではマネの出来ない様々な工夫を盛り込む事だと考えています。例えば「機動力」の観点では、大手の観光ホテルではマネの出来ない、優良なペンション経営を参考にするとわかりやすいと思います。「独自性」の観点では、ふつうの「醤油」では大手に対抗できない地方の老舗醤油メーカーが、徹底的に研究を重ね、「卵かけご飯専用醤油」で元気になった例が有名ですね。大切なことは、店頭で展開する商品を徹底して絞り込み、お金をかけることなく、インターネット等の情報発信や口コミ誘導をとことん頑張って、自分達でお客様を創り上げるべきなのです。そうすれば、必ずや「お店のファン」の集団が形成されます。それほど大きな集団でなくとも、安定経営出来る規模を早期に明確化すれば、自ずと進むべき道はも見えてくるのではないでしょうか。我々メーカーが果たすべき使命は、そのための強力な武器として、極めて特色のある商材を継続的に供給する事と、販売店の商圏をきっちりと守る事だと思っています。 潟Wュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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明確な独自のビジョンを持った経営者であり続ける事 今年の国際宝飾展(IJT)で最も話題となったのが中国人の皆様の購買意欲だったのではないでしょうか。物販ブースの多かったB会場を中心に、あちにこちらで中国語が飛び交い、東京タワー内のおみやげ物屋さんのようでした。多くの中国人の皆さんはグループになっていて、一団となって各ブースを廻っていましたが、少し気になる事がありました。あの人達はいわゆる「バイヤー」なのでしょうか?首からぶらさげている入場証も「卸」「小売」とバラバラで、どんな業態の方なのかが、よくわかりませんでした。ブースを出展している仲間の中には中国語の通訳スタッフを用意していた会社もあるので、後でその様子を聞いてみたいと思っています。中国の皆さんが、スーツというより普段着の方が多かった事で「中国からの観光客の皆さん」の可能性も疑ってしまいます。さすがにそれは無いとは思いますが、もし、場内で囁かれた「噂」が真実であれば、富裕層が中心と言われる中国人観光客にとって、IJTが最高のおみやげ物屋さんになっていた事になります(笑)。主催者の方も把握しきれないでしょうから、仕方のない事かも知れませんが。 何が真実なのかわからないとしても、一番の問題は、以前から本コラムで訴えさせて頂いている「宝飾見本市の意義」という視点に集約されると思います。会場内には「8割引」とか「大特価」といった類のビラをぶら下げたブースも数多く見られ、ハンドバックから財布を出して現金を支払うオバ様達の姿は、年末のアメ横のようでした。それでも入場者は少なかったらしく、2日目の朝、開場前に「昨日の来場者は記録的でした」といったアナウンスが流れてきた以降は、3日目も4日目も、何のアナウンスも発表も出ませんでした。弊社のブースはA会場の好立地にあったのですが、2日目以降客足はまばらで、最終日は「出展者」というバッジを付けた人達が最も目立っていました。 2月1日付けの本誌一面で「会場の雰囲気は4日間通し昨年より盛り上がりを見せた」と書かれていましたが、私は、自分自身の実感として、過去10年で最も寂しいIJTだったような気がします。会期最終日、「主催者」のバッチを付け、スーツで決め込んだ若い女性スタッフが、家族や友人と思われる来場者を連れて廻っていた姿には、さすがに呆れて声も出ませんでした。「見本市」に最も必要なのは「活気」ではありません。もちろん、入場者は多い方が嬉しいですが、我々メーカーにとって出逢いたいお客様は「プロ」の入場者です。売上げの対象となるような仕入れバイヤーに限りません。自分の作品を売り込む若手デザイナーや、ジュエリー産業への進出を悩む商社の方でも、とにかく、ビジネスとして訪れる皆さんを待っているのです。そのために極めて高額な出展費用と準備のための労力を惜しみなく注ぎ込んでいるのです。相手が国籍を問わず「消費者」であれば、出展企業は「小売業」の皆様が主体となるべきです。それで、宝飾業界が活性化されるのであれば、私はそれでも良いと思います。思い切って、主催者の皆様も方向転換するべきではないでしょうか。もちろん弊社のようなメーカーは出展出来なくなりますが・・・。 一方、日程が重なる形で開催された第1回ブライダルジュエリーショー(BJF)には驚かされました。もちろん弊社も出展させて頂きましたが、私が知り得る限り、全国の有力小売店が一同に集まったのではないでしょうか。特に初日は、声が嗄れるほど、多くの企業様への説明機会を得る事が出来ました。会場内の商談スペースはほぼ埋まり、一時は部屋の中が人で埋め尽くされたくらいです。もちろん、来場者の全てが「プロ」ですから、会話も弾みます。私自身の予測通り、出展企業が共同で用意した軽食もほとんどが余りました。来場者は商品探しに夢中で食事やサービスなんて求めていないのです。事前の協議で「IJT会場から歩くには遠いのでタクシーチケットを用意した方が良いかも」といった心配する意見もありましたが、入場者が「プロ」であれば、そんなサービスを求める事もなく、これから先のビジネスチャンスを求めて、プロ達は必然的に集まったのです。今後のBJFにも多くの課題は残されていますが、ひとまずは大成功だったと思います。全国各地の選ばれたプロ達が集まるブライダルジュエリー見本市の最高峰として、発展して欲しいものです。石部さんはじめ、出展企業及び関係者の皆様、本当にご苦労さまでした。 宝飾業界は、完全に「質」と「独自性」が求められる時代へ突入しました。それらを備える事の出来ない企業は生き残れないはずです。「リフォーム」に走る業者もありますが、二束三文で買い取られた「おさがりジュエリー」が在庫過多になっている状況では、今後の発展は見込めないのではないでしょうか。斬新で、消費者が「夢」と感じてくれるような新商品を徹底的に探して市場に投入し、それらを「買える顧客」を創出する努力から目を背けてはいけないはずです。現場から離れて、高みの見物のコンサルタントの「先生」の類に身を預けるのではなく、大切な事は、経営もマーケティングも、プロフェッショナルとして明確な独自のビジョンを持った経営者であり続ける事だと私は信じています。 株式会社ジュホウ 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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新しいエネルギーを感じるビジネスに取り組もう 2008年夏頃から始まったとされる世界的な景気急落は、データだけを読めば、2009年3月以降は回復の動きが起きているとされています。世界的に株価も上昇に向かい、他国より相対的に上げ幅は小さいとされる日本でさえ、3月10日の日経平均終値7054.98円を底に12月中旬では1万円台を維持しています。とはいえ、私を含め、宝飾業界で働く多くの皆さんが「売れないなぁ」という感覚に支配されていることでしょう。 今からおよそ2年前の2008年前半の日経平均株価は13,000円くらいだったと記憶しています。展示会販売の落ち込みが表面化してきた頃です。 「ローンが通らなくなる」宝飾業界には、明らかに暗雲が拡がりつつありました。その頃の私自身のブログや新聞記事を読むと「危機感」を訴えるコメントが目立っています。「これから宝飾業界の景気はとても悪くなるから、いまのうちに準備しましょう」「展示会販売から卒業しましょう」「自社のアイデンティティーを高める努力を加速化させましょう」。結果的に見れば、2010年こそ最悪のスタートになってしまっています。あの頃の警告に敏速に対応できた企業でさえ、とても苦しんでいるのが実情です。しかし、まったく準備出来なかった企業の悲劇は、もはや説明はいらないでしょう。2005年、宝飾業界の常識を打破し、最悪となるであろう経済環境の到来に備えるため、全国に仲間達を求め立ち上げた「輪(りん)プロジェクト」。宝飾業界においては、多くのコンサルタントの先生方が「売り方」「モチベーションの上げ方」しか伝えられていなかった時代でした。また、不況の時期だからこそ大きな投資で市場へ宣戦布告し、店舗改装や、著名なブランド品を店頭に揃えることが生き残りの必須条件であるという誤解さえ生まれていました。業界全体が迷走し始める中、我々のプロジェクトの参加企業は、「セル」よりも「マーケティング」に重点を置く事を最も大切な共通認識だとしてきました。時間と努力を重ねて、新たな顧客層とそのネットワークを構築し、規模は小さくても、今後何十年に渡って、自社のファンや地域に支えられる「強い」企業を作ろうとしたのです。その頃の私の口癖は「経営者は売上げの落ち込みよりも、将来の方向性が見えないことの方が怖いはずだ」というものでした。 先日、その仲間のひとり、三重県の神山幸久さんと、ゼクシィの今後の契約について電話で会話しているとき、こんなやりとりがありました。私が「ゼクシィ卒業とはコスト的に合わないから掲載をやめると言うことではない。ゼクシィに代わるお客様の集め方に何となく気付いて、それを実践するために、掲載をやめたり誌面を縮小することだよ」と言うと「あぁ、うちは、少しずつだけど何となく気付いてきてるねぇ」と返されました。 彼は、今後もけして楽な道のりではないし、まだまだ多くの経費や草の根的な取り組みが課せられ、「苦渋の選択」や、「多大な努力」を何度も繰り返さないといけない「これからの経営者」のはずです。けして恵まれた商圏や経済状況では無いのですが、彼は足元の状況だけに固執するのではなく、常に「次のマーケット」を見据える「たくましさ」が備わってきているように思います。今に思えば幸せな事ですが、私は、そんな仲間達をたくさん知っています。似たもの同士は気が合うと言いますが、宝飾業界の中で、彼らのような侍達が強固なネットワークを構築し始めているのです。最悪の景気の中で、彼らの輝きは少しずつ目立つようになってきました。そんな輝きが拡がっていく年、それが2010年なのかもしれません。もし、彼らのような存在が宝飾業界の「ノアの箱船」に成長すれば、必ずや宝飾業界は新しいエネルギーで輝き始めます。今年は、「溜め息」ではなく「鼻息」を荒げて、自分自身のアンテナをとことん駆使し、新しいエネルギーを感じる事の出来るビジネスに取り組もうではありませんか。本年も「木村サンの独り言コラム」を宜しくお願い致します。 潟Wュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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宝飾業界でも同じことが言えます いまさらと笑われるかも知れませんが、私はいま、GIAの通信教育を受けています。我々の業界では言わずと知れた存在であるGemological Institute of America。その組織が定める宝石学(ジェモロジー)のスペシャリストの訓練を受け、宝石の知識、ビジネスのノウハウ、グレーディング・鑑別技術、そして何より、プロのジュエラーとしての倫理を兼ね備えて修得した人に与えられる称号が、これまたお馴染みのGIA.GG(Graduate Gemologist)です。皆さんのまわりにも少なからずいらっしゃると思います。私は、このGIA.GGになるための勉強をしているのです。このコラムで発表したのですから、もはや、「挫折」は許されません(笑)。「挫折」なんて書くと「根性無し」に聞こえるかも知れませんが、正直、甘く見ていました・・・とても大変なのです。通信教育とは名ばかりで、こまめに御徒町の教室に顔を出さないと、資格取得のために必須とされる実習が一向に前に進みません。出張先から羽田空港や東京駅に戻ると、そのまま御徒町へ直行する日々が続いています。私の居場所について「東京に戻っている日の昼間=御徒町」という行動パターンが、弊社の社員達やお客様にまで浸透したようです。GIA.GGを取得する方法は大きく2つに分かれています。専門学校のように通学する全日制のプログラムと、私のように通信教育で取得を目指す通信制のプログラムです。全日制は、まさにその名の通り、週末以外の毎日通学し、半年で卒業(GIA.GG取得)します。通信制の場合、GIA.GG取得までの平均期間が1〜2年と聞いています。GIAの発表によるとGGプログラムの合格率は、全日制の場合が約80〜90%、通信制の場合が約40%となっているそうですので、油断は禁物なのです。今回、なぜ、こんな事をコラムで書こうと思ったかと言うと、私と共に通信教育で学んでいる仲間達が本当に頑張っているからなのです。当たり前ですが、通信制の学生のほとんどが、普段は働いています。「論理(学科)」は基本的に「読書」と「暗記」の類ですので、自宅でも何処でも空いた時間を有効活用して進める事が出来ます。でも試験や実習は、仕事を上手に休んで通学しなければなりません。今年の夏からスタートして約4ヶ月、通信制で頑張る色々な人と出会いました。ティファニーや百貨店で働いている人、普段は宝石とは全く違う仕事をしている人、種子島から来ている人、もう3年以上も通っている人・・・等々。若々しい全日制に対して、通信制には「私よりも年上」という人もたくさん頑張っています。GIA.GGを取得する目的やきっかけはそれぞれ様々なようですが「宝石学」を学ぶ姿勢には感動さえ覚えます。みな、かなりハングリーに「宝石」と向かい合っています。そして「夢」や「希望」もたくさん耳にします。宝飾の現場の最前線にいながら感じ得なかった事・・・宝飾業界全体のモチベーションがこれだけ崩壊していると、「宝飾業界の未来」とか「宝石の浪漫」なんて、口にするのも歯がゆいですよね。でも、宝石の世界を探求する多くの人々の強い情熱や、宝飾への「思い」が、通信教育の学生さんが集まる教室には、明らかに充満しています。 私は最近まで、この「思い」を忘れかけていたのかもしれません。「宝石が好きです!」そんな言葉を、純粋に、素直に、大声で叫ぶ事が出来ない自分に気付いてしまったのです。そして、それこそが、いまの宝飾業界の問題の核心かも知れない事も・・・。「お魚に詳しくない板前さんのお寿司屋さん」、「使う素材に興味のないシェフが経営するレストラン」、そんなお店が繁盛するとは思えないし、発展や進歩なんてとても期待出来ませんよね。宝飾業界で働く皆さんは「宝石」が大好きで、ジュエリーそのものが自分自身の興味の中心になっていますか? 通信教育は「自分」との闘いです。生活を支えるためにしっかり働き、「プライベートの時間」「睡眠時間」を削って「周囲の犠牲」に目を瞑りながら、ひたすら「GIA.GG取得」という夢に向かって頑張っています。その通信教育の学生の「思い(情熱)」に負けていては、これだけ付加価値を「ウリ」にしている宝飾業界の人間として、恥ずかしいのではないでしょうか。そして、多くの問題が山積する我々の業界を改革する上のヒントが、そこにあるような気がしてなりません。 株式会社ジュホウ 木村亮治 ryo.kimura@j-twinkle.co.jp |
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IJTの基本コンセプト 今年もまた国際宝飾展(IJT2010)の時期が近付いてきました。出展各社は、その準備に取りかかっていることでしょう。私の会社も例年通り参加する予定です。皆さんご存知の通り、国際宝飾展はあくまでも見本市です。宝飾や時計のプロのバイヤーや関係者が一同に集結し商談する場です。しかし、近年、国際宝飾展の主旨に大きく矛盾する光景も目立つようになってきました。この事に関しては、本コラムにおいて私は度々話題にしてきましたが、毎年、会期が終了すると「来年は絶対に参加するのをやめよう」と心に誓っています(笑)。しかしながら弊社ブースは、大変有り難いことに毎年多くのお客様が集まり、最近はWilliam-LennyDiamond関連の海外の仲間もやってきます。 全国各地で厳しい時代を闘っている仲間達(取引先)にとっては唯一の“心の交流”を果たす、楽しみの場になっているのです。だからこそ、「出展辞退」の判断を迷ってしまうのです。「ジュホウさんは余裕があるからそんなこと言えるんだ」と批判される出展社の方も多いのですが「誰のための見本市なのか」を考えると、今の国際宝飾展の姿がまったく正しいと考える業界関係者は少ないと思います。先日開催された東京モーターショーでは、世界的な不況で、常連だったゼネラル・モーターズやダイムラーなど大手海外メーカーが参加を見送りました。もともと見本市というものは景気に左右されて当たり前です。リクルート社「ゼクシィ」に広告掲載するのと同じで、あくまでも「宣伝費」として投資するものだと思うのです。もし、見本市でメーカー直売が当たり前になると、「築地市場」と一緒で、必ず一般消費者はあらゆる手立てで入場してきます。そして「全国の宝石店の販売価格は、この会場よりもだいぶ高価」というイメージが定着し、消費者にとっては「ジュエリーがお得に買えるイベント」と認知されても仕方がないということになります。主催社であるリード社に私がお願いしたいことは「バザー」なのか「Exhibition」なのか、明確にルールを決めて欲しいのです。混在は、どう考えてもおかしいと思います。私はいまこそ「決断」しました。全国の仲間達に申し訳ないのですが、もし、リード社が、IJTを「バザー」混在イベントとして、来年度以降も同じ状態であれば、弊社はIJT2010を最後に出展を取りやめます。誰かが熱意を持って「行動」に移れば、我々に限らず、仲間達からも同様の意見が出てくるかも知れません。IJTはリード社だけでなく、日本ジュエリー協会も主催者になっています。過去20年以上に渡り、我々の業界の発展に大きく寄与してくれた事は間違いありません。多くの国民にとって高価で縁遠い存在だったジュエリーを、身近な存在にしてくれたのは「ジュエリー大量販売時代」を支えてくれたIJTだったのす。しかし、IJT自体がその大きな方向性を変えずに、ひたすら「来場者の増加」を自慢するだけの「巨大バザー会場」であり続けるのであれば、既に業界の発展に寄与するという「大看板」は外す時が来たと考えるべきでしょう。これからの宝飾業界は「逸品主義の時代」です。この時代のジュエリー・マーケティングは、Webサイトや、それぞれのテーマに特化した広報媒体へと小さな窓口へ移行しつつあります。場合によってはメーカーと小売店が共同で新商品を開発することもあるはずです。全国の現場を見て歩くと、厳しい時代でありながら、こだわりを演出したブランドジュエリーのマーケットは急上昇する機運を感じます。それは製造者と販売者が一致団結し、強い信念を持ってマーケットに接している姿を感じるからです。そのシステムの中にIJTという機能は組み込まれてきません。販売する側が、ひたすら良い商品を求めて情報収集する姿も見受けられます。「他社に無い逸品」を真剣に探す小売店さんが、お台場にさえ行けば簡単に商談できるような商品に期待するでしょうか。私は今回が最後にならない事を心のどこかで祈りながら、IJT2010の準備を本格化させようと思います。順番が「逆」かも知れませんが、皆様の弊社ブースへのご来場を心よりお待ち申し上げます(笑)。 〔株式会社ジュホウ 取締役ゼネラルマネージャー 木村亮治〕 |
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IJTの基本コンセプト 今年もまた国際宝飾展(IJT2010)の時期が近付いてきました。出展各社は、その準備に取りかかっていることでしょう。私の会社も例年通り参加する予定です。皆さんご存知の通り、国際宝飾展はあくまでも見本市です。宝飾や時計のプロのバイヤーや関係者が一同に集結し商談する場です。しかし、近年、国際宝飾展の主旨に大きく矛盾する光景も目立つようになってきました。この事に関しては、本コラムにおいて私は度々話題にしてきましたが、毎年、会期が終了すると「来年は絶対に参加するのをやめよう」と心に誓っています(笑)。しかしながら弊社ブースは、大変有り難いことに毎年多くのお客様が集まり、最近はWilliam-LennyDiamond関連の海外の仲間もやってきます。 全国各地で厳しい時代を闘っている仲間達(取引先)にとっては唯一の“心の交流”を果たす、楽しみの場になっているのです。だからこそ、「出展辞退」の判断を迷ってしまうのです。「ジュホウさんは余裕があるからそんなこと言えるんだ」と批判される出展社の方も多いのですが「誰のための見本市なのか」を考えると、今の国際宝飾展の姿がまったく正しいと考える業界関係者は少ないと思います。先日開催された東京モーターショーでは、世界的な不況で、常連だったゼネラル・モーターズやダイムラーなど大手海外メーカーが参加を見送りました。もともと見本市というものは景気に左右されて当たり前です。リクルート社「ゼクシィ」に広告掲載するのと同じで、あくまでも「宣伝費」として投資するものだと思うのです。もし、見本市でメーカー直売が当たり前になると、「築地市場」と一緒で、必ず一般消費者はあらゆる手立てで入場してきます。そして「全国の宝石店の販売価格は、この会場よりもだいぶ高価」というイメージが定着し、消費者にとっては「ジュエリーがお得に買えるイベント」と認知されても仕方がないということになります。主催社であるリード社に私がお願いしたいことは「バザー」なのか「Exhibition」なのか、明確にルールを決めて欲しいのです。混在は、どう考えてもおかしいと思います。私はいまこそ「決断」しました。全国の仲間達に申し訳ないのですが、もし、リード社が、IJTを「バザー」混在イベントとして、来年度以降も同じ状態であれば、弊社はIJT2010を最後に出展を取りやめます。誰かが熱意を持って「行動」に移れば、我々に限らず、仲間達からも同様の意見が出てくるかも知れません。IJTはリード社だけでなく、日本ジュエリー協会も主催者になっています。過去20年以上に渡り、我々の業界の発展に大きく寄与してくれた事は間違いありません。多くの国民にとって高価で縁遠い存在だったジュエリーを、身近な存在にしてくれたのは「ジュエリー大量販売時代」を支えてくれたIJTだったのす。しかし、IJT自体がその大きな方向性を変えずに、ひたすら「来場者の増加」を自慢するだけの「巨大バザー会場」であり続けるのであれば、既に業界の発展に寄与するという「大看板」は外す時が来たと考えるべきでしょう。これからの宝飾業界は「逸品主義の時代」です。この時代のジュエリー・マーケティングは、Webサイトや、それぞれのテーマに特化した広報媒体へと小さな窓口へ移行しつつあります。場合によってはメーカーと小売店が共同で新商品を開発することもあるはずです。全国の現場を見て歩くと、厳しい時代でありながら、こだわりを演出したブランドジュエリーのマーケットは急上昇する機運を感じます。それは製造者と販売者が一致団結し、強い信念を持ってマーケットに接している姿を感じるからです。そのシステムの中にIJTという機能は組み込まれてきません。販売する側が、ひたすら良い商品を求めて情報収集する姿も見受けられます。「他社に無い逸品」を真剣に探す小売店さんが、お台場にさえ行けば簡単に商談できるような商品に期待するでしょうか。私は今回が最後にならない事を心のどこかで祈りながら、IJT2010の準備を本格化させようと思います。順番が「逆」かも知れませんが、皆様の弊社ブースへのご来場を心よりお待ち申し上げます(笑)。 〔株式会社ジュホウ 取締役ゼネラルマネージャー 木村亮治〕 |
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「先代」と「新社長」の関係づくりが、安定的な企業継承への近道 前回のコラムで「還暦を過ぎた経営者は、適切な候補者がいるならば引退を考えるべき」と書いた事が、意外な反響を呼んでしまいました。わざわざお電話まで頂いた社長さんもいて、少し驚きました。宝飾業界に関わるほとんどの企業が中小企業です。中小企業にとって避けては通れない大きな壁、それが「世襲」を前提とした「企業継承」であることを改めて認識しました。 自分の身の回り(取引先)には、たまたま還暦を過ぎた経営者の方の多くて「早く引退しないと木村君に叱られるわぁ」なんて皮肉たっぷりに言われる事もしばしば・・・。多くの経営者は、次の跡継ぎ候補に強い不安を感じているようで「まだ無理だわ」といった感じの感想が多かったのです。その都度、「誤解しないで欲しい」と前置きして、丁寧にお返事させて頂いたのですが、今すぐ、実務的に引退すべきと提案しているわけではないのです。少なからず、企業継承へ至るアクションプランを実施していくべきだと申し上げております。 「還暦を過ぎた経営者が、体調を維持できるギリギリまで、経営の実権を握っていれば、その不安がいつか“きれいさっぱり”消えてくれる日が訪れて、ニコニコ顔で企業継承出来るとでもお考えなのですか?」 そんな冷酷な返事を、これまでも何度となくベテラン経営者の皆さんに問いかけてきました。時には激怒されて「出て行け〜」なんて言われたこともありました。最も悪いタイミングの企業継承とは何か・・・それは先代の体調が突如崩れたりして仕事に関わることが不可能になり、急遽、ご子息が新社長になるパターンです。この場合、新社長側の準備はかなり未成熟で、企業は危険な状態に陥ります。どんなに優秀な新社長でも、つまらない話に騙されたりして、企業に深刻なダメージを与えるパターンも、たびたび耳にします。逆に最もベストなタイミングは、現(ベテラン)社長が“バリバリ”元気なまま一線から身を引き、相談役くらいのポジションを維持しながら、新社長を誕生させるパターンではないでしょうか。その時点で会社の財布(手綱)をしっかりと握っていても良いのです。ただし、会社には顔を出さないくらいの我慢は必要です。社員と接することも極力避けるべきでしょう。社員に何か伝えたい時の窓口は「新社長」にして、新社長のフィルターを通過させて指示させるのです。私の知人の中には、携帯電話の番号まで変えて、社員達や取引先とのダイレクトな接点を閉ざした先代社長までいます。つまり、先代の「引退」は現場と明確に隔離された「院政」で良いのではないでしょうか。会社の帳簿をチェックし、ベテランならではの視点から市場の様子を把握、そしてわかりやすいアドバイスを新社長に提言して行く。そんな先代を持つ新社長は本当に幸せだし、スムーズに企業継承できるのではないでしょうか。さらに大切なことがあります。先代は「バンバン」遊ぶべきです。わざと目立ち過ぎるくらい遊んで、その姿を社員達に見せつけるのです。そんな先代の心遣いが、社員達に「本当に新社長にすべて任せたんだ」と認識させるはずだし「うちの先代、週5でゴルフ」なんて会話が、社員達の安心感と自意識の向上を育んだりします。新社長は「社長」と肩書きされた名刺を持ちながら、多くの人々と関わり始め、相手も新社長を会社の代表として扱います。どんな悩み事が生じてもいつでも先代に相談できる、時には、まだまだ元気な先代が、縁の下の力持ちになってくれたりもする、そんな「先代」と「新社長」の関係づくりが、安定的な企業継承への近道だと思います。「不安」は絶対に消えないですから、早くに立場と視点を変えて、次世代経営者を育ててあげてください。 ご子息の中には自意識が強く情熱的に頑張っている人も多いのです。頑張っているご子息ほど、先代との意見の違いで喧嘩してしまったり、嫌になって企業継承そのものを拒む人まで出てきます。ご子息に対する不安を消すことが出来ないというだけで、いつまでも現場に関わってしまうと誰も幸せになれないのではないでしょうか。追い打ちをかけるように「昔は○○だった」なんて話を掲げて若い社員達にハッパをかけても、誰ひとり「おれも昔の社長みたいに頑張ろう」とは思えないはずです。「時代が違うよ」と心の中で呟かれて、社内に「理不尽さ」が起因する重い雰囲気がのしかかります。誰ひとり自分の会社を悪くしようなんて社員はいません。先代か後継者のどちらかがしっかりとした未来への展望を実行に移せば、どんな苦難も、共に力を合わせて乗り越えられるのではないでしょうか。 〔木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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還暦を過ぎた経営者であれば、次期後継者へ企業継承すべき コラムを書けない期間が長引くと「木村さん、独り言楽しみにしてるよ」というお声をよく掛けて頂くようになりました。大変嬉しい事ですが、少々のプレッシャーも感じます。この夏、宝飾業界で大成功している企業なんてほとんどありません。隣の芝生が青々と見えるとしても、今さらあせってはいけません。ジタバタすると無駄な時間や経費の浪費を生んでしまうと考えるべきでしょう。焦らないといけない時期は3〜4年前に過ぎ去ってしまったのです。いまは、しっかりと地固めをして、未来への生き残りを画策すべきだと思います。その具体的なプロセスを言うと、例えばベテラン経営者が長年頑張っている小売店企業の場合、もし還暦を過ぎた経営者であれば、この1〜2年以内に次期後継者へ企業継承すべきだと思います。もちろん、それに相応しい候補者がいればの話ですが、この点だけは何としてでも完遂しないといけません。継承するのは企業だけではありません。自店を長年支えてくれた顧客の皆さんも継承が必要なのです。企業継承には現社長が主導的にアクションを起こさなければいけませんが、顧客の継承においては次世代後継者が積極的に汗をかかないと駄目です。本人の性格がどうとか、得意分野がどうとか、そんな事は全くどうでもよいので、とにかく先代からの顧客と積極的に関わって行くべきです。先日、選挙がありましたが、「政権交代を狙う党から公認を取った若い候補者が、メガホンを持って自転車で自分の選挙区をまわる・・・地元有権者の目を見ながら両手で握手を求める」。宝飾店企業の後継者が「顧客の継承」を行う真の姿は、そんなイメージが最も近いのではないでしょうか。あの若い候補者達だって、超有名大学卒業〜超一流企業勤務なんてエリート経歴を持っているわけで、暑い夏の日に大声を張り上げて自転車を走らせるなんて、プライド云々振り払っての危機感です。現在のような苦境の中で企業を譲り受ける次世代後継者にも、圧倒的な危機意識と共に、すべてを振り払っての行動が求められるはずです。さらに、同時進行で求められるのが新規顧客を創り上げるための明確な「実践」です。この実践の対象は、若年層に集中させるべきでしょう。ここで、私がずっと感じ続ける「業界の不思議」を書かせて頂くと、宝飾店の社長さんは、なぜかご子息を他店に「修行」に出したがりますよね。「修行」は他店でないと出来ないのでしょうか。私は、仕事柄、ブライダルジュエリーのマーケティングに深く関わっていますが、ご子息の地元のお友達がみんな結婚適齢期なのに、当の本人(ご子息)が他店へ修行に出ている事が多いのです。ご子息が戻ってくる頃には、そのご子息も含め、友人達は皆結婚して子供までいる始末です。つまり、若年層の新規顧客を、最も容易に獲得出来る期間を、いとも簡単に手放しているのです。ここでも「宝飾業界の旧来からの常識」が、せっかくのチャンスを無駄にしてしまっているのです。「自分の息子は、自分のグランドで、自分達が育てても良いのではないか」そんなシンプルな常識が求められます。経済が停滞し身動きが取れない今だからこそ、「着実な企業継承&若い新規顧客(次世代の市場)づくり」を徹底して行動に移すべきです。その時、ベテラン経営者は「我慢・忍耐」を背負います。次期後継者には「全てを振り払っての実践」が求められます。もし、それが出来ないのなら、「未来」の企業創造は不可能であると断言出来ます。長年苦労して積み上げた「資産」が目減りする前に、企業の存続をあきらめるべきかもしれませんね。 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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8月からは「不況を生き抜く店頭販売の絶対的な心得」セミナーです 全国の仲間が悲鳴を上げています。展示会販売では採算が合わないというリスクを背負いながらも、この手法以外では売上げが作れないという恐怖感から、更なる展示会の予定を組んでしまう。様々な経費が重くのし掛かり、たくさんの売上げが作れないと赤字に陥ってしまうリスクに怯えながらも、恐怖感を解消する選択肢を選ぶ事の悲しさは「業界不振」そのものを表す構図ですよね。 弊社の場合、たまたま特徴的な商品があって展示会協賛の要請を多く頂ける有り難い状況なので、展示会を「選択」出来るだけリスク軽減の幅がありますが、一般的な商品が主体となるメーカーでは、激しい競争により、なかなか展示会協賛の要請も少なく、結果的に選択する余裕もないそうです。「売上減少」が続くと、メーカーや商社の社員は「企業の採算性」よりも「自らの保身」をかけて予定を埋めようとします。展示会場の「マネキン」さんがいつまでも減らない理由のひとつです。我々「メーカー」は問屋さんに付いて全国の宝飾展示場をまわりますが、その移動や宿泊の経費は莫大な金額となります。商品にしっかりとした利幅を付けるか、販売点数を増やさないと、必ず「赤字の旅」となるのです。とはいえ、大不況の今、市場では真逆の条件が求められます。つまり「利幅を減らして価格を下げなければ売れない」「販売点数は明らかな減少傾向」が常識化しているので、利益を生み出せない悪循環に陥る傾向になっています。「コンサルタント」の肩書きを持つ方々の中には、様々な商社が企画した「展示会」をわざわざ小売店さんに紹介することを仕事にしている“先生”も多いが、業界全体の仕組みを理解せず、単に「売上げ」だけ作れれば、「何もしないよりマシでしょ」と勘違いしている事も多いのではないでしょうか。でも少しずつ「何のための展示会なのか」というストレスは、小売店、商社、メーカー、そして毎回のように勧誘される上顧客にまで降りかかっているように思います。それではまさに「業界崩壊」です。「昔は大手商社丸抱えだったデザイナーさんが、自ら展示会に参加させて欲しいと営業してくるようになったよ。」中堅商社の役員の方が言っていました。とにかく、売上げが激減し、販売出来る“可能性”だけでも欲しいのです。その“可能性=展示会”という感覚が、多くの宝飾関連業者の経営基盤を悪化させているはずなのに。 弊社は7月から「店頭販売強化」のキャンペーンを始めました。弊社新開発の商品を活用し、取引店様に「店頭販売」に特化したマーケティング・システムを提供しています。ほぼ、今年いっぱいの約半年間、たった3種類の商品を“店頭”で徹底的に販売してもらうのです。もちろん、いつもの「木村流」ですので、経費をかけてはいけません。このシステムで採用した商品の開発には3つの条件が必要でした。@「顧客」に「こうゆうのは、まだ持ってない。」と思わせる斬新な存在感。A「店頭スタッフ」が強調して説明しやすい付加価値と特徴。B「顧客」「お店」「メーカー」が相互に幸せになれる明確な収益性。そして、これらの条件を十分に満たす新商品を、順次、取引先へ供給しています。8月からは「不況を生き抜く店頭販売の絶対的な心得」というテーマで、店頭スタッフの皆さんに簡単なセミナーを準備し、この新商品の供給先を、私自身がまわっていく予定です。展示会の悪循環から脱出するためには明確なアクションが必要なのです。経済危機と国民不安が本格化する今年の下半期、私は、弊社を信じてくれる「取引店様」と一致団結して、生き残りのための道筋を作ろうと思います。 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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厳しい時代だからこそ、店主自らの「こだわり」やお客様への「情熱」を伝える 6月は2度ほど水出珈琲の勉強会を実施しました。福島県と香川県の小売店さんスタッフに、水出珈琲の歴史やその概要について学んでもらい、最後は作り方まで実践してもらいます。講師は、埼玉県さいたま市にある自家焙煎珈琲豆専門店「南回帰線」オーナーの岩附氏です。彼は脱サラ後に自ら珈琲豆専門店を起業した「こだわり」の頑固親父です。なぜジュエリーショップのスタッフに水出珈琲の勉強をしてもらうかというと、本格的な喫茶店でもなかなか出せないような美味しい珈琲を、宝飾店に御来店頂いたお客様に提供しようとしているのです。「本格的な・・・」というと、結構な設備投資が必要だったり、腰を据えたトレーニングが必要だったりと思われがちですが、この「水出珈琲」は、専門的な先生のバックアップさえあれば、気軽に導入出来ます。設備も、もともとどんなお店でも置いてあるような電子レンジ等以外に、珈琲豆を挽く「ミル」や、巨大な砂時計を思わせる「ウォータードリッパー」という器具だけで、抽出にはコンセントさえ必要ありません。ただ難点とすれば、とても時間がかかるということです。 昔、オランダ人が発明した抽出方法なのでダッチ(Dutch)コーヒーとも言われる水出珈琲は、その「砂時計」のようなウォータードリッパーが特徴的です。銀座には「水コーヒーどんパ」と呼ばれる水出珈琲専門店まであります。その砂時計には上部と真ん中、そして下部に、それぞれガラス器具があり、上部の球のような器具には水、中央部分にはコーヒー粉を入れ、一滴づつ水を落として染み込ませ、少しずつ抽出していきます。つまり染みこんだ水が美味しい珈琲になって4〜8時間後に下部のガラス器具いっぱいに溜まるのです。「どんパ」のホームページでは、水出珈琲について、「あるがままの珈琲豆の味・香り・色をそのままお飲みいただくために贅沢にたっぷりと時間をかけた本物の手作りの良さをお楽しみください。」と紹介しています。来上がった珈琲を飲めば、味わい深いコクがあり、透き通った飲みやすさを味わうことが出来るのです。2004年10月に、私が初めて小売店「輪」をオープンさせた時から、お店作りに関わったほとんどの宝飾店にこの「水出珈琲」を提案しています。他店との差別化や、顧客満足度の向上、さらには上質な店内演出に・・・水出珈琲は大活躍してくれているのです。福島は6月末、香川では7月下旬に新しい宝飾店として生まれ変わります。その2店舗にも水出珈琲は導入されます。南回帰線の岩附さんには「輪」の時から関わってもらっていて、今では、私達が使用している砂時計(ドリッパー)にぴったり合うように、専用の珈琲豆をパッケージングして、全国の仲間達に供給してくれています。彼が我々のために自家焙煎する珈琲は、けして高価ではありませんが、格別な風味となるようにバランスよくブレンドされた「一級品」で、仲間達には好評です。そして、来店されるお客様に「感動」を届けてくれます。仲間達は、岩附氏から「水出珈琲」の奥深いストーリーを伝授され、自らが「宣教師」となって、お客様へと伝導しているのです。それは宝飾店店主の「こだわり」として捉えられ、お店に対する「好印象」と「確かな信頼」となってイメージアップに寄与します。今まで何度もこの勉強会をやってきました。そのたびに「また新しいお店が生まれるなぁ」と感慨深く関わってきました。厳しい時代だからこそ、店主自らの「こだわり」やお客様への「情熱」を伝えるこんな取り組みが「生き残り」への鍵になるのかも知れませんね。 木村亮治〔ryo.kimura@j-twinkle.co.jp〕 |
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新しい展開をする問屋に期待 宝飾業界には数多くの「問屋」が存在します。問屋には流通の舵取りとして「生産」と「市場」を結び付ける役割があります。いま、物流効率の向上により、問屋(卸売)の中抜き現象が表面化しています。問屋の立場から見ると、従来の単純な口銭ビジネスは成立しにくい環境だと言えます。今後は、供給業者である「メーカー」、販売業者である「小売店」に対し、価値の高い企画・提案をできるかどうかが、問屋の生命線だと思います。つまり、問屋が、市場の動向を徹底的に研究して企画立案を行って、それに必要な商品をメーカーに要請し、そして小売店には企画と商品をセットにしてシステマティックに提供し続ける事が大切だと思うのです。そうすれば常に新しいマーケットが次々に開拓され、不況に苦しむ宝飾市場を活性化出来るのではないでしょうか。 先日、私の会社の取引先で、とある大手の問屋さんの若い営業マンから一本の電話がありました。「ジュホウさんはA社の展示会に出展されていますが、うちを通して頂きたいのですが」。弊社の女性スタッフが最初に電話を取り、判断に困って私に取り次がれました。A社とは大手呉服小売りチェーンで、頻繁に展示会を行って、厳しい時代でありながら売り上げを伸ばす有力企業です。弊社の関連会社や営業マンが何度も何度も通い詰めて、弊社商品を提案し、やっとの思いで展示会に呼んで頂けるようになった矢先でした。 私が「それはA社さんの御意向ですか?」と聞くと「A社とは昔から商売させてもらってます。うちのOBも所属しているんです」と、なかば「当然」といった雰囲気で突き返されました。私はその若い営業マンに「この件は貴社の専務や社長さんからの指示ですか?」と問うと「えっ?」と言って一瞬間が空きました。私はその問屋さんの専務や社長を尊敬しています。若い自分にとって、業界の「生き字引」とも言えるベテランの専務・社長を、納入先という以上に慕い続けているのです。私は「この事を専務は知らないな」と感じました。 言葉を詰まらせた若い営業マンは、どうやら自分自身の判断だったようです。彼の一生懸命な思いを傷付けないように、私は言葉を選んで伝えました。 私:「貴社は我々の商品をA社に提案したことがありますか?」 彼:「いいえ。無いです」 私:「私の会社の営業マンは弊社が貴社と取引があることも伝えています。A社もそれはわかっていることでしょう。それでも取り合ってもらえなかったようです。うちの社員達は何度も何度も商品提案をして、頭を下げ、展示会に出られるようになったみたいなんです。もし良かったら、貴社の専務や社長には、今回の経緯を、私から直接説明させて貰いますが・・・。」 彼:「そうでしたか・・・。こちらでもちょっと調べますので。」 そんなやりとりで電話は終わり、それ以降、あの若い営業マンから電話は来ていません。過去数十年間、「メーカー」や「小売店」は、多くのマーケティングを「問屋」に依存してきました。しかし、インターネット、マスメディア等の爆発的な広がりにより多くの情報があふれ、さらには不況による危機感から様々な探求を試みる挑戦者達も急増し、市場の把握や多くの情報を活用出来る「メーカー」「小売店」も増えてきました(そんな企業でないと生き残れませんが)。問屋の皆さんには、マーケットの活性化のためにも、単なる「流通業」ではなく、誰もが欲する新たな展開や情報を発信するプロ集団となって欲しい。私は、問屋こそ、我々メーカーや小売店の道標となる事を期待しています。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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「天然石のフリーマーケット」の「Tucsonのようだ」 久しぶりに神戸の国際宝飾展を見学してきました。弊社の若いスタッフ達と一緒に行ったのですが、その雰囲気を一言で言えばデパートの地下で、地方の特産品を販売する「物産展」のようでした。会場内のベンチに座って休憩しているとき、たまたま横に座っている外国人来場者の方と雑談したら「Tucsonのようだ」と言って、ため息をついていました。彼にとっては期待していたジュエリーショウになっていなかったのでしょう。Tucsonとは、毎年1月から2月にかけて開催される、世界最大の宝石・鉱物見本市の事です。私も、2年ほど前、仲間のお手伝いでブースに立った事がありますが「天然石のフリーマーケット」みたいな様相に「アメ横」のイメージが重なって笑ってしまったことを思い出します。今回の神戸においても、右を見ても左を見ても即売コーナーばかり。「IJKとはそういうイベントだから」と割り切っても良いのですが、それでも、店頭用として在庫の仕入れをする小売店さんの姿も少なくないわけで、今後は、1月の東京も含め、IJKそのものの存在価値を、関係者の皆様には、じっくりと見直しして頂きたいものですね。たまたま弊社担当の事務局スタッフ(IJK・IJT主催会社の社員の方)と話す時間があり、私なりの要望は伝えました。あくまでも持論ですが、会場内を「@即売エリア」と「A新商品・コンセプト提案見学エリア」に明確に区切ればだいぶ違うと思います。@のエリアでは、会場内で現金即売等を必須条件としてそれが出来ない出展者を排除し、Aのエリアではその逆で即売禁止を必須条件にすれば良いと思うのです。イメージとしては@のエリアは市場のような賑やかで活気ある即売会場、Aのエリアは東京モーターショーのような「夢のような未来のコンセプト」が展示されたエリアといった感覚・・・。 リクルート社の広告媒体「ゼクシィ首都圏版」が、「エンゲージ」と「マリッジ」を分離した時と同じように、業者によっては@の会場とAの会場両方にブースを出展する事もあるのではないでしょうか。主催会社にとっても悪い提案ではないと思います(笑)。私の会社は、毎年、多額の出展費用を支払ってIJTに出展させて頂いております。新規顧客の創出というよりは、全国に広がった顧客ネットワークを年に1回、お台場に集合してもらってモチベーションを高められるような交流機会を提供することが主目的になりつつあります。 IJTを徹底的にマーケティング活用するのであれば、日々の営業活動の連動させなければ、出展費用に見合わないはずです。たとえば「IJT会場で、これまでに無かったまったく新しい発想の新商品を提案します」と宣伝し、その商品導入を、東京から遠く離れた地方の「A社」に促したいたいのなら、弊社の営業マンが1年間かけて、我が社の技術力や企画力を「A社」にアピールし続け「ジュホウさんがそこまで言うなら、本当にすごい新提案なんだろうな」と興味を持たるほどの相互認識を創出しなければ、遠方からわざわざ来場頂ける可能性も低いし、仮に来場頂いてもその後のビジネスに展開することは難しいはずです。不況と呼ばれるいまだからこそ、国際宝飾展が、宝飾業界にさらなる貢献をもたらしてくれることを期待したいものです。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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噂が業界の首を絞めることが分からないと 噂、噂、噂・・・。世の中には様々な噂が氾濫します。もちろん、我々宝飾業界においても様々な噂が存在します。ただし、宝飾業界で「噂」というと、その意味はかなり狭い範囲の意味を持ちます。 「○○宝飾」が危ないらしい・・・。 「○○時計」が苦しいらしい・・・。 「○○社」が○千万円も引っかかったらしい・・・。 そうです。悪い「噂」に限定されるのです。時代も悪いのですが、あまりにも偏っていて、自然に笑ってしまうことがあります。その噂をなぜ他人に話したくなるのか、それは、話す相手となる同業者が、なぜかちょっと嬉しそうだからかもしれません。自分達の業績が悪いとき、他の同業者が苦しんでいる様子を聞くと、「ホッ」とするのかもしれませんね。自分でもそんな感覚に陥ったことがあります。多くの皆さんから、「木村さんは知ってると思うけど」と余計な前置きをされて、小声で囁く。どんな場合においても、そんな雰囲気を見て取れます。面白おかしく他社の噂を話すことでコミュニケーションが上手に取れてしまう事もあるらしく、本題に入る以前に盛り上がりすぎて、肝心の商売を忘れとしまう営業マンもいるとか(笑)。 「企業」や「個人」は噂で潰されるときがあります。悪い噂の対象になると周囲から警戒され、商売にも悪影響が出ます。本当に噂通りになることがあるのです。現在、あちらこちらで飛び回っている噂に良い噂はありません。噂のほとんどが現実化したら、宝飾業界は確実に壊滅します。つまり、「噂」を流すと言うことは、宝飾業界で働く自分自身の首を絞めることもあるのです。 「噂は流さない方が良い・・・。」 そんなつまらない偽善を張るつもりはありません。大切なことは現状を如何に把握できるかです。徹底的にアンテナを張って、自らのマーケットを熟知しておくことが、自らの「生き残り」に大きく寄与してくれます。 「○○時計は好調らしいよ・・・。」 いま、そんな噂を流しても誰も信用してくれません。業績の悪い同業者だと、そんな言葉に嫉妬し、不機嫌になる人もいます。でも、それではダメなのです。大切なことは、他社では無く、自社。 長年、宝飾業界では、「○○が売れている」と聞くと、こぞってそれに飛びつく傾向がありました。結果として、多くの「似たような」ジュエリーが氾濫したのです。それは、店頭に置いてはデットストック、購入した人々にとっては「買取専門店」に持って行くジュエリーの対象になったりしていますよね。 私が力を入れる健康ジュエリーなどは典型的です。磁石、トルマリン、ゲルマニウム、セラミック、ブラックシリカ、チタン・・・多くのヒット商品が生まれては消えていきました。いつしか「健康ジュエリーなんて2〜3年人気が保てば、大成功だ」と笑われるジャンルになってしまいました。でも笑うのは業界人だけで、高いお金を払って買った消費者からすれば、たまったモンじゃありません。それこそ、業界不振の温床です。 お陰様で、私がプロデュースし、販売し続けているヘルスケアジュエリー「アイシリーズ」は今年で10周年を迎えました。新作も発表し、ラインナップはさらに充実しました。けして、意地で続けているわけではありませんよ。販売を続けてくれる仲間が頑張ってくれているから、我々も続けているのです。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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革新的な変化や顧客創造を生むエネルギーは確実に成長している 売上は何故落ちるのでしょうか。景気が左右する事は間違いなさそうですが、2〜3年前まで、普通にジュエリーを買ってくれていたお客様が、ここへ来て急に買えなくなったりするのでしょうか。もちろん、自由に使えるお小遣いが減ってしまったお客様は多いと想いますが、その方々の余裕が、天地がひっくり返るほど急激に悪化したことは考え難いものですよね。全国の取引先を廻っていく中で、「常連さん」と呼ばれているお客様に声をかけてみると、ほぼ同じ応えが返ってきます。「もう、持ってないモノが無いわよ・・・」。 確かにその通りだ。いつもいつも同じお客様を展示会に招待し、様々な理由を付けてジュエリーを買ってもらい続けた結果である。そこで疑問が残る。果たして、新しいお客様は何処へ行ってしまっているのだろう・・・。 例えば30歳代のお客様は何処へ行ってしまったのだろう。宝石を買っていないのだろうか。その若いお客様達が、常連客の大半と同じような年齢に達したとき、そのお客様とバランス良く入れ替わって、街の宝飾店に顔を出してくれるのだろうか。恐らく、我々の業界関係者の全員が「それは無い」と答えるはずです。もしも入れ替わらないのであれば、年配の常連客に頼って商売している宝飾店からは、時と共に常連客が消滅する事になる。それでは、全国の宝飾店の大半が、商売にならない。でも、そんな現実が、明確に現れてきているのです。こんな事をコラムに書かなくても、多くの業界人達は気付いているはず。でも、新しいお客様探しに本腰が入らないのは、どうしてでしょうか。 現在の常連客で、十分売上が作れる自信があるのかもしれませんが、スタッフの中には、自分も常連客と共に引退すると公言するベテランさんも少なくありません。つまり、顧客もスタッフも、宝飾業界全体のシステムが世代交代出来ない状況に陥っていたのかも・・・。それは、宝飾業企業の多くが、もう何十年も短期的な売上のみを追いかけ過ぎて、長期的視野を持った経営から逃げてきた結果かもしれません。ある問屋さんのベテラン営業マンからこんな話しを聞いたことがあります。「昔は小売店さんに営業に行くと、まず麻雀をさせられた。夜遅く(朝)まで、小売店さん社長と、何社かの営業マン達がジャラジャラとやったものだった。翌朝、社長さんや小売店さん従業員に鞄の中を見てもらい、気前よく商品を抜いてもらって仕入れてもらった。昨夜、麻雀でだいぶ負けたんですと言うと、可哀想だからと言って、さらに商品を抜いてくれた・・・良い時代だったなぁ」。現在の問屋さんの若手営業マンが聞いたら、信じられない光景でしょう。その逆も同様で、その頃働いていた人々が、2009年春の現状を想像しながら、未来を見据えた仕事をしていたとは考えられません。経済成長が当たり前の時代が50年以上続き、戦後初めて経済が本格的に下降し始めたのですから無理もないのです。でも、変化の時はいよいよ近付きました。もう少し、世界経済が悪化すれば、世代交代は若い業界人の自発的な変化によって成立していくのではないでしょうか。これからは、様々な時代の変化を見越して、長期的な視野を持つことが必須になってきます。若い我々に2020年の経済状況なんて簡単には想像できませんが、遠く将来までも経済成長が続くはずだと信じていた20年前の若い業界人とは明らかに違う危機感が宿っているはずです。そんな中で革新的な変化や顧客創造を生み出そうとするエネルギーは確実に成長しつつあります。「成長は続かない」と我々が当たり前のように考えている事そのものが、変化の証だからです。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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先輩達に、若い人達と同じ価値観を理解させようなんて残酷すぎます 宝飾業界で頑張る20〜30歳代の皆様、どうか読んでください。 昭和20年、全国の主要都市は米軍の空襲によりそのほとんどが焼け野が原と化し、国民の多くが苦しい生活を強いられていました。この終戦前後に生まれた人々は、極東の敗戦国が実現した奇跡の高度成長とともに人生を過ごしてきました。子供時代は食料も何もない時代、ひたすら働く両親の背中を見て育っていったはずです。戦中戦後生まれの少年少女達の成長と共に、日本経済も着実に成長し、彼らが学生となって青春を謳歌する頃には「所得倍増」といったスローガンまでも飛び出します。さらに成人を迎える頃、東京ではオリンピックが開催され、夢の超特急新幹線も開業します。松下幸之助や本田宗一郎といった教祖的経営者も誕生し、日本のビジネスマン達はその活躍の舞台を世界へ拡げていきました。彼らが「中堅」と呼ばれ、働き盛りを迎えた頃、人々は全国の都市部へ集中し、国内の経済活動は都市圏を中心に活発化して行きました。その後、田中角栄という政治家が「列島改造論」なるものを掲げ、日本国中に新幹線や高速道路を張り巡らせ、地方都市と大都市圏がつながって行きました。全国どこに行っても立派な宝飾店が見られるようになり、各地方に資本が流れ、多くの地方都市から「地方らしさ」が消えて人々の生活やファッション、そして文化に到るまで「東京ミニチュア版」のように変貌しました。世はまさに「努力さえすれば何でも出来る」時代へと突入したのです。日本特有の終身雇用制度が、彼らに明確な人生目標を提供し、「勤勉」は正当かつ物理的(やったら、やった分だけ)に評価されて自分達の賃金へと反映されました。そしてバブル経済に突入。既に経営者・管理職の域に達していた彼らを待ち受けていたものは、繁栄の代償としてばらまかれた「円」。日本人は皆、中流以上の生活を望み、夢のマイホームや、豪華な海外旅行へと経済は流動して行きました。「団塊の世代」と呼ばれる人々にとって、その頃は、還暦前の夢の10年間だったのかもしれません。何故ならバブル崩壊後は「失われた10年」と言われ、多くの既成概念が時代遅れと化し「一生懸命やっているのになかなか成果が上がらない」時代が訪れるからです。思い出されるのは自分達が最も活動的に働いていた頃の素晴らしい想い出ばかり。ついつい「昔は○○だった」と若者達へ自慢話を押し付けてしまう癖が常習化し、世代交代が進む職場ではさらなる孤立化を招いていくようになる。そして「こんなはずはない」と首を傾げる日々。現在の宝飾関連企業でトップに君臨する人々の多くは、そんな人生を歩んできたのです。経済危機のいま、宝飾業界の企業の多くは売上が落ち込み続けています。「うちの社長はいつも怒ってばかり!」と若い皆さんが溜息をつく。聞こえてくるのは“グチ”や、絶望的な将来への不安。誰が悪いわけでもなく、何となくやりきれない日々が過ぎて行く。事態の打開策が見出せないジレンマ。でもこんな時こそ、互いを理解してみましょう。今回のコラムで書いたベテランの人々の人生、若い皆さんがしっかりと研究し、彼らの納得を勝ち得る様々な行動をしっかりと重ねていきましょう。それによって、業績が明確に上がっていく事は無いとは思いますが、社内における世代を越えた理解度が高まって行くはずです。30〜50年も仕事をしてきた先輩達に、若い人達と同じ価値観を理解させようなんて残酷すぎます。若い皆さんが上手に取り込んであげることが重要なのです。そんな若者達の優しさで企業は変わります。本当です。自分も経験しています。どうか試してみてください。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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現在は年間約100組の若い新規顧客が訪れるお店になりました 三重県伊賀市にダイアモンド神山(こうやま)という宝飾店があります。私はこの店とは7、8年ほどの付き合いになります。長い歴史を受け継ぎ店を守り続けた社長、そして店と家族を支え続けた奥様、宝飾学校卒業後、大阪の宝飾店で修行し、今ではお店の大黒柱として家業に励む専務・幸久さんと、しっかりと専務を支えてくれるお嫁さん。専務のふたりの実姉は経理、支店の店長として専務(弟)を支えている。約20坪程の店内は1枚の壁で左右に分けられている。入口を入って左には大きなテーブルと一般の宝飾品、そして眼鏡フレームが陳列されていて、ちょっとしたお座敷もある。一方、喫茶店のような雰囲気の右の部屋には、たくさんの若いカップルさん写真が所狭しと飾られていて、ブライダル関連の商品が素敵なディスプレイに囲まれて陳列されている。どちらの部屋もあたたかみが感じられます。このお店はセミプロ級の大工の腕を持つ親戚のおじさんを中心に家族全員が力を合わせて3年ほど前に改装した。最寄駅は近鉄線の青山町駅。ホームは1本だけで、当然の如く特急は止まってくれない。なだらかな山々と、古い街道、緩やかに流れる川、日本の原風景のような伊賀市阿保(あお)は、大阪と名古屋のほぼ中間に位置するのどかな田舎である。初めてこの駅に降り立った日の事は今でも忘れません。私は当時、弊社の市場基盤を強化すべく全国に取引先を求め、連日連夜、新規開拓の旅に出ていました。沖縄から北海道までたくさんの町を旅していましたが、ベスト3に入る程の寂しい駅前。九州や北海道の「閉鎖した炭坑」の町や、過疎に苦しむ山間の町でも、駅前というの少なからず賑やかなものです。この青山町の駅前は、なんとなく「心」が寂しくなるほど閑散としているのです。あの時はドンヨリと曇っていて人も歩っていなかった。尊敬するH社長が紹介してくれた大切な仲間のお店。期待いっぱいのはずが、不安に支配されたのです。しかし、あたたかいスタッフ(神山家族)の皆さんと初対面してその不安はみるみる消えていきました。それから数年、今では弊社の大切なお取引先として良い商売をさせて頂いています。改装前、専務・幸久さんの不安はただひとつ。先代の時代から引き継いでいる大切なお客様達の高齢化。一方では、そのお客様達に頼ってしまっているうちは、なかなか新しい若いお客様が増えない現実に、将来の道筋が不明瞭で不安だったのです。既に神山の人間味や素敵なお客様に惚れ込んでいた自分自身も、幸久さんと同じ悩みを共有していました。当時の私は、ブライダル商品を立ち上げ、日本の3大商圏である首都圏・名古屋圏・関西圏にその導入店を探していました。そんな中で、神山家族の姿が真っ先に思い浮かんだのでした。1商圏1社のみを前提としていた私にとって、大きな商圏を背負う関西圏は戦略上の最重要商圏のひとつ。“伊賀”という立地には、夜眠れなくなるほど心悩んだ事を思い出します。結果的には、運命共同体として幸久さんに、私達のブライダル商品とお店の改装を提案したのです。神山を支えてくれる大切な常連客、新たな神山のサポーターとして来店して頂きたい新規顧客、どちらのお客様も喜んで頂けるお店づくり、そして幸久さんはじめ若いスタッフ達が新たなテーマで“1”からスタートできる環境づくりを多くの仲間達で探求した結果が今の神山の姿なのです。現在は年間約100組の若い新規顧客が訪れるお店になりました。父や母がではなく“自分”が創り上げたお客様に囲まれ、不況の時代に「挑戦」し続けています。そんなお店と出逢い、関わり続けることが、私の心を今日も支えてくれているのです。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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「国際宝飾展は暇だったねぇ」というのが、業界仲間の挨拶になってしまっています。確かに、少し寂しかった気がしますが、天然石や、リサイクルジュエリーの格安販売のコーナー等はとても忙しそうでした。経済不況の中、少しでも安く良いものを手に入れたいという消費者心理に後押しされ、物販、いわゆる小売りをしているブースに“消費者”が集まっていた事になります。いつも感じることですが、少しずつ消費者の来場者が増えてきているような気がしますね。物販売上も業界にとって大切ですから、良いことなのかもしれませんが、各メーカーがIJTであまりにも安価に直販すると、いわゆる「まちの小売店さん」は面白くないはずです。毎年、安からぬ会場費等の経費を何とかペイしようと多くの出展業者は必死になります。特に昨年来の卸販売の落ち込みは、この会期中に期待しなければならない中間流通業者の苦しみを理解してあげなければならないでしょう。とはいえ、メーカーの製造直販のような「飛び越し流通」が公然と見られるのであれば、我が国で長年保たれてきた製造メーカー〜商社〜小売店という構図が明確に崩壊していることになります。私の会社は「メーカー」になるのですが、10年前と現在では取引先が大きく異なります。それはこちら側から多くを仕掛けたわけではなく、大半は自然に変わっていった気がするのです。もともと、我々メーカー仲間はマーケティング意識に乏しくその機能を商社さんに頼っていました。そのため、「商社さんの求める商品を作っていれば売れていく」と考えていたのです。現在の状況がそれとは大きく異なることは説明不要でしょう。流通構造の変化の様子は様々見られます。今ではメーカーが小売店に飛び込んで自分達の商品を売り込む事は珍しくなくなりました。本当は許されないことかもしれませんが問屋さんが扱う商品はあまりにも多く、なかなか自分達の商品の提案までチャンスが巡ってこない場合があり、もともと小規模企業が多いことから体力的にそれを待ちきれず直談判に走るのです。さらに潤沢な資金力があるメーカーだと直営販売店を展開する例も増えています。また、個人的に「なるほど」と感じたのは宝石ビジネスの学校の事例です。小売店さんのご子息がそこで学び、成長して帰って経営者になります。その若い経営者にとって、学校時代の先生は、いつまでたっても“恩師”です。優秀な生徒ほどその先生を慕い続ける気持ちは強いものですよね。そのような学校で「先生」と呼ばれていた人が展示会屋さん(問屋)になって教え子の戻った小売店さんに展示会を仕掛けたり、スタッフ教育等のコンサルティングを商売にしたりする人も見受けられます。また、コンサルタント業においては、以前破綻した呉服商社系コンサルタント会社のように、コンサルティング契約したクライアント(小売店)を卸問屋に紹介し、その紹介料で商売する人もいます。私はこれらの総称を「教え子ビジネス」と呼んでいます。それがモラルに反するとは言えないし、すべての先生がそうなっているわけではないので誤解しないでくださいね。そうなると「教え子=取引先(顧客)」といったアンバランスな関係が生じます。旧来からの小売店とメーカーとの流通過程の中に、先生が関係する多くの中間業者が流入し、強固だった流通構造が緩んでしまうこともあったのです。私はこれも流通崩壊と考えます。いずれにせよ、厳しい情勢の中で流通構造は大きく変化しつつあります。その事実に背を向けることなく、慣例にも縛られず、自らが本当に必要なパートナー達とタッグを組んでいくことが大切だと思います。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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今年も恒例となった国際宝飾展が始まります。弊社もA22−42に出展しております。今年は、「輪」「遥」の新作に加え、William Warthling氏が新たに切った感動的なWilliam-LennyDiamondのルースを多数展示致します。私は検品しながら鳥肌が立ってしまいました。燃えるようなファイヤが輝く素晴らしいダイヤモンドを、どうぞ弊社ブースにてご覧になって下さい。 数年前からの傾向ですが、小売店さんのIJT出展が増えてきましたね。弊社のブースのまわりは高知、埼玉、山形の小売店さんの出店社さんに囲まれています。自社ブランドを開発し、メーカーになってしまった小売店さん達です。考えてみれば、ジュエリーピコの石部さんあたりはその先駆けだったのですね。 メーカーは「小売り」に走り、小売りは「メーカー」に走る。「隣の畑は良く見える」と言うわけでは無いでしょうが、少なくとも、業界全体の大きな流れであることは間違いなさそうです。もっとも、スタッフや資金面等に余裕がないと異業態へのチャレンジなんて出来ないはずですから、それを実践している企業は「勝ち組」なのかも知れません。 以前、コラムで「問屋さんはメーカーとして生きるか、小売りとして業態を変えるしか生き残れないかも・・・」と書いたことがあります。いわゆる木村が多くの非難を受けた「問屋不要論」の話です。 あれから数年が経ち、現在では多くの業界関係者が、日本市場独自の流通システムの中で、中間業者の必要性に疑問視する時代になってきました。 文頭で示したように、勝ち組企業の風潮が「自ら創り、小売りも行う」という流れだとしたら、中間業者は益々影が薄くなってしまいます。未曾有の経済危機が訪れ、その危機感によって生じた様々な変化が、流通構造全体の改変を急激に早めているのかも知れませんね。 国際宝飾展に出展する各企業は明確に認識しています。単にメーカーとして少しだけ変わった商品が開発できたとしても、それをわざわざ仕入れてまで自店で展開しようと考える小売り業者は急速に減少しているのです。 おかげさまで、我々の工房は、常に多くの同業者の皆様からお声をかけて頂いております。そればかりか、我々の商品を買い付ける目的で、わざわざ弊社所在地である東京・日暮里までお越し頂くケースも増えてきました。 自らアンテナを張り、時代の最先端を見逃すことなく、厳しい時代に強く対応して頑張っている小売業者の多くは、オーナーさん自身が直接的に多くのメーカーさんとの関わりを形成しているのです。 国際宝飾展は展示即売会ではありません。少なくとも国際的に宝飾の見本市は「素人さん」出入り禁止です。ラスベガスのJCKで入場バッチが欲しかったら、過去1年以内でジュエリー製品を仕入れた伝票のコピーや、自ら経営する宝飾店の写真等を持参するように言われますよね。それが「見本市」なのです。 とやかく文句を言っても、その国際宝飾展に出展している以上は説得力がありませんが、近い将来、我々は、この日本独自のスタイルとなってしまった宝飾見本市から卒業したいと思っています。 厳しい時代へと突入しようとしている2009年。まだまだ、これから本格的な経済危機へと移行するのにも関わらず、すでに限界の厳しさだと声を揃える我々宝飾業界の現実は、今回の国際宝飾展で感じることが出来るはずです。 そして業界再編が一気に進んでいくのではないでしょうか。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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「大手とは一線を画す店づくり」を 2004年の労働者派遣法の改正によって、それまで認められていなかった「製造業」への労働者の派遣が認められるようになりました。2006年に発覚した偽装請負の問題で、製造業界側は何かと規制が厳しい請負から派遣へ労働力をシフトをしました。結果的に2006年度の製造業への派遣労働者は前年度の3倍以上にも膨れ上がったのです。そして今年の3月、その期間に採用した派遣労働者の3年間の契約期間が一斉に切れます。これが、製造業界における2009年問題です。報道等で連日のように話題となる「派遣切り」も我々の業界と密接に関係する危機だと思っています。非正規労働者の多くは20〜40歳代の働き盛りの青年層です。契約を打ち切られ、新しい雇用先が見つからなかったらどうなるのでしょうか?一部の人々はホームレスという悲しい現実に直面してしまうのかもしれません。とはいえ、年代的に両親はご健在という人々も少なくないはずです。そしてその両親に頼る(失業した)若者も少なからず出現するはず。両親の年代を想像すると戦後間もなく生まれ、日本の高度成長を支えてきた団塊の世代。「自分が苦労した分、子供達だけには苦労させたくない」。そんな想いから、失業してしまったご子息を実家に戻す事を考える両親も相当多いのではないでしょうか?その両親の多くは、ご子息を支えられる「経済力」を有した人々と仮定出来ます。両親は社会的な地位と、それ相当の蓄えを持った「中流」以上の人々と考えるべきでしょう。ここで我々の業界とつながるのです。中流の人々とは、これまで全国の宝石店を支えてきた「中流層」に当てはまるのではないでしょうか。扶養すべき家族が増えたなら、今後は宝石は買わない、いゃ、むしろ心配で買えなくなるかもしれません。 この問題に限ったことではありませんが、その後、世の中の経済停滞が長引けば、中流の皆さんの貯蓄の切り崩しも急速に加速し、更なる資産減少へと向かいます。様々な要因から、我が国からは中流が消滅し、富裕層とそれ以外といった階級社会が形成されるはずです。そんな富裕層の人々を、百貨店や高級店は社運を掛けて奪い合っています。そうなると、宝飾業界の大半を占める中小の個人店では、奪い尽くされた後の僅かなお客様だけで売上を作るしかないのでしょうか。それだけでは、とても「健全な商い」は成り立ちません。ならば百貨店や高級店では対応出来ない特別な目的やサービスを開発していくべきなのです。つまり、2009年問題が確実に発生する以上、宝飾業界に生きる我々は、それ相当の準備を早急に始めなければいけません。ポイントは「中小」に出来て「大手」に出来ないものは何かということです。それは「まごころサービス」なんて答える中小の社長さんは多いのですが、厳しい市場の中で闘う百貨店やその社員のサービスの「質」はとても高い次元で成熟されていると感じます。もっと明確な差をつけるアクションが求められるはずです。例をあげるなら、商品を徹底的に絞り込んで究極の専門店へと改革する方式もあります。不特定多数を相手にしなければならない大手には絶対に真似できない事です。それが「ブライダル」なのか、「ダイヤモンド」なのか、「真珠」なのか・・・はたまた、特定のブランドひとつに絞り込むべきか。徹底したこだわりの中で「専門店」であることをPRして行けば、「大手」では入り込めない隙間的市場を取り込めるはずです。「厳しい時代」と嘆くのは後回しにして、「大手とは一線を画す店づくり」をしっかりと進めて行くべきではないでしょうか。(木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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「生き残るためだけの仕掛け」を考えて行くべきだ 大変な時代になりました。世界経済の危機がこれほどまでに実感出来る時代、誰が想像できたでしょうか。働いている人々の3人に1人が非正社員の時代、その非正社員の大規模なリストラが始まりました。つまり、3人に1人は失職の危機にさらされているのです。さらには急激な円高、政治の停滞、極端なまでの消費低迷、社会不安はどんどん加速しています。現在は「社会不安はピークに達する」と書けない背景があります。私は、まだまだ、我が国の社会情勢は混迷していく、現況は、ほんの序の口と予測しているからです。 「こうゆう時代だからこそチャンスだっ!」なんて言ってくれるコンサルタントの先生も少なくありませんが、私は希望的観測をしない「つまらない人間」ですので「チャンス」なんてとてもじゃありませんが書きません。期待していた皆様ごめんなさい。現在は「いかに残るか」の時代だと思います。「チャンスをモノにするための仕掛け」ではなく、「生き残るためだけの仕掛け」を考えて行くべきだと思います。自分たちが残れば、自然にライバルが減っていく時代です。限られた市場の中で、ライバルを減らし、需要を逃さない仕掛けを進めるべきなのです。付加価値であるジュエリーの世界で、必ず必要となる需要を大切にしなければなりません。冠婚葬祭に関するものがその一例ですよね。これらを大切に販売していく事です。けして欲張らず、焦らず、適正な利潤とこだわりを加えて提供すべきです。そして何より、需要を見越した商売を継続することでしょう。いつか、必需品以外の需要が生まれる日まで、必死に生き残るのです。 経済危機以降、北米ではジュエリーはよく売れていると聞きます。乱高下する先物、株価暴落の中、富裕層は財テクをあきらめ、現金を持て余しているそうです。結局、付加価値の代名詞でもあるジュエリーにお金を使っているそうですが、日本でも、ほんの一握りの富裕層に同じような傾向が見られます。六本木の高級ビルの中にあるダイヤモンド専門店では、売り上げが増大しているとテレビで報道されていました。地金買い取りの時代は終わり、今度は地金を大量に買い付ける富裕層も増えているそうです。以前、北海道の小売店さんで聞いたのですが、売りに来る人の地金量は小口が多く、買いに来る人の地金量は大口が殆どだと言っていました。このままの時代が進めば、格差社会はもっと極端に明確化されることでしょう。その時、自分たちのお店がどんなお客様を相手に出来るかを想像して欲しいのです。中流が消滅し、世の中には庶民と富裕層しかいなくなったとしたら・・・。庶民に愛される宝石店は、無駄な買い物に付き合わせるような商品は排除すべきで、プロとして間違いのない必需品ジュエリーをしっかりと提案しなければなりません。富裕層が通う宝石店は、間違いのない一級品のみで構成され、その店舗の立地にも細心の気遣いが必要です。アメリカでは、2割の富裕層からの税収が国家税収の8割を占めるそうです。日本もアメリカと同じような国に変化するはずです。それを考えれば、近未来の日本の宝石店の種別割合は、宝石店10社につき、2社くらいが富裕層向け、8社が一般向けといったところでしょうか。どちらにせよ、自店を2010年以降も経営継続していくのであれば、その顧客対象を明確化する準備は大至急進めるべきでしょう。その準備を怠ると、富裕層はもちろん、一般の人々さえ来店しない、誰も来ないお店になってしまいます。すなわち、この準備が「生き残る仕掛け」ではないでしょうか。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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必要なビジネスモデル 12月4日、群馬県高崎市飯塚町に、私達が直営する2つめの宝飾店が誕生します。敷地面積150坪で店舗面積は53坪。私自身はじめてのチャレンジとして、今回は設計と施工管理を全て自分が行い、店内の備品に至るまで監修させて頂きました。外装・内装工事やオリジナルショーケース等のディスプレイ工事、空調や照明、インターネット回線等の設備工事、演出用のサイン(看板)工事まで全て含めた工事費用を2千万円以下とすることに成功し「格好良さ」を犠牲にすることなく工事を完了した事実は、全国の宝飾店経営者に夢を抱いて貰う意味で、是非、時計美術さんに特集記事でも組んで頂きたいものです(笑)。「メーカー」である我々が「小売店」を建設し運営する事は、ひと昔前なら考えられないことでしたが、今では各メーカー・商社の出店ラッシュを予感させる様相を感じますよね。もともと、我々と同じ「メーカー」である「ツツミ」さんが小売事業で大成功した事もあり「問屋」よりも「メーカー」の方が先行して小売事業を展開してきました。もちろん「ツツミ」さんの成功云々が主要因ではなく、未曾有の消費低迷により、(注文が来ないので)モノ作りが出来ない事が大きな危機感となって「自分達で製作して販売までする」仕組みに走ったと考えられます。「メーカー」にとって製作の手を止める事は、単に経営を圧迫するだけではなく、技術力の低下や、“時流”に沿った商品製作に関わない事からファッションセンスの変化に乗り遅れていく事態にも陥ってしまうのです。実は、これが最も怖い事で、一度時代に取り残されると、それを取り戻すことはほとんど不可能だと言われています。その末路は「ヒット商品」の「コピー品」を好んで作る以外、トレンドには対応できないメーカーになってしまうのです。とはいえ「ヒット商品」の類似品を製作し、それを流通させる頃には既に「時代遅れ」になってしまっている事は、これに関わる多くの業界人は気付いており、あくまでも「時代遅れでもOKなお客様」向け商品になっているのです。その結果、宝飾専門店向けというよりは、量販がメインとなるテナントショップや通信販売、夜中まで営業しているディスカウントショップ向け商品になっている感があります。正統派の宝飾店にとっては、確実にイメージダウンにつながる商品だし“それで良い”お客様を相手に商売が継続できるほど、世の中の景気は甘くないはずです。全国の宝飾店を巡っていると特に気付くのですが“それで良い”と割り切っていた宝飾店ほど、売上の減少や顧客崩壊が激しいと感じます。世界的に進む株価の失墜や、日本の規制緩和という時代の流れが、様々な過剰利益や「裏金的な金銭」の排除を進めています。そして、汚い言葉ですが“あぶく銭”そのものが消滅しており、それを見込んだ商売は確実に崩壊し始めたのです。あくまでも例ですが「若い女性のスタッフにお酒の相手をしてもらうお店で、その女性スタッフの皆さんから好かれたい目的でプレゼント用のジュエリーを買う」といったシチュエーションが、今では激減した(昔は多かった)と聞いたことがあります。私達は、高崎の新しいお店を、近未来型のジュエリーショップ運営に必要な新しいビジネスモデルを創る研究施設と位置付けています。オープン直後から、全国の取引先様が見学に来て頂ける予定になっており、その壮大な目的を達成させるべく新たな取り組みが始まろうとしているのです。広報宣伝に継続的な経費がかかるので、店頭在庫は1千万円以下に抑え、初年度の年間売上目標をスタッフ3名で1億円としました。ご興味のある業界人の皆様、是非遊びに来てくださいね。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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消費者と販売店の距離を縮める 私は「William-LennyDiamond」(以下WLD)というダイヤモンドを販売しています。全国21店の仲間達が、その素晴らしい輝きの伝道師となって一生懸命販売してくれています。公のコラムで宣伝記事を書くつもりはありませんが、「業界を元気にする」という本コラムの主旨に合致する生き残りのヒントがぎっしりと詰まった商品ですので、少し書かせて頂きます。WLDは消費低迷が叫ばれる中、発売して約10ヶ月、安定的な売上と共に、沢山の感動的なエピソードを創ってきました。WLDは@新規顧客の獲得、Aブライダル売上の安定化、Bスタッフの創客力強化、という3つの大きな役割を担う切り札として市場展開されています。米国・ニューヨーク州にある工房・DCWNのオーナー・WilliamWarthling氏によって製作され、58面ラウンド・ブリリアント・カットに、更なる磨きをかけるというアイデアで、我社が特許出願中の特殊なカットにより、これまでの入射光の上部への反射をさらに強める工夫が施されています。その特徴は何と言っても“ブリリアンシィ”です。反射光は「強く」「白く」輝きます。さらに驚くべき事に、クラウン面からも強い光の反射が見られるので、カラット数以上に大きく輝いて見えます。お客様は、ペンライトで照らしてみたり、屋外で日光に当ててみたりして、その輝きに心を奪われ、言葉に出来ないほどの感動を味わいます。さらに、売上の一部がWilliam-LennyDiamond基金となって、アフリカ・タンザニア連合共和国に小学校をプレゼントするプロジェクトに活用されるので、米国の医療ボランティア団体からの感謝状が、お客様と、その両親にまで直送されるのです。ふたりの門出が、素敵な社会参画となって、最高の想い出になるように演出されているのです。WLDをご購入頂いたお客様は、タンザニアの子供達に手紙を書く事になっています。店内で珈琲を飲みながら、スタッフと談笑して手紙を書くお客様もいれば、自宅に帰り、貴重な時間を費やして手紙を書き、わざわざお店に持ってきて頂くお客様もいます。どんな場合でもお客様が味わう様々な体験と宝飾店との関わりは、かけがえのない想い出となって心に宿るはずです。ふたりが贈った手紙は完成するタンザニアの小学校に永久保存されるので「将来は、タンザニアへ新婚の頃の想い出探しの旅に出たら・・・」なんて話しをして、カップルさん達と一緒に「未来」を夢見たりもします。現在、我々は、さらなる物語の深化を図るため、米国スタッフをタンザニアへ派遣しています。一般的に、お客様にダイヤモンドの提案をする時、どんな言葉をかけることが出来るでしょうか。恐らく「4C」の説明に始まり、デザインや価格の比較で終わってしまうはずです。何店舗か比較してまわる最近のお客様からすれば、どこでも同じようなお話しばかりで退屈極まりない事でしょう。しかも単に商品を「探している」だけのダイヤモンド選びは、作業的に遂行され、そのダイヤモンドを買った後、販売店に対する思い入れや想い出を感じることなく、それっきりの付き合いになることも多いのではないでしょうか。人間関係を構築して付加価値を提案していくジュエリービジネスに、そのような焼き畑的な販売の繰り返しがどれほどの意味を持つというのでしょうか。事実、WLDは上記の@〜Bの目的に大きく寄与し始めています。ダイヤモンドから始まる感動的な物語がお客様と販売店との距離を縮め、長い人生の中で継続的かつ特別な関わりを保持する「きっかけ」になっているからです。「商品力」が「宝飾専門店の生き残り」に大きな役割を担うヒントがそこにあると思います。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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○○を早急に見つけよう 去年の今頃を思い出してください。郵政事業が民営・分社化されました。去年の夏頃から大騒ぎとなった米国のサブプライムローン問題について、その損失が1兆4500億ドル(約147兆円)にも達するとの見通しをIMFが公表しました。テレビCM等で有名だった大手英会話学校が439億円の負債を抱えて破綻し、ボクシングのフライ級世界戦で反則行為を繰り返した挑戦者の若い青年に1年間のボクサーライセンス停止処分が下され世間を騒がせました。創業300年の有名な三重県の餅菓子店が、売れ残った商品を冷解凍して販売したり、その一部を原材料として再使用していたことがばれて、私の大好きな「○福」が全国の店頭から消えました。その頃、金の価格は1グラム2700〜2800円、プラチナ価格は5300〜5400円で取引されていました。ドル円為替相場は、米景気の好況感からドル高を基調として一時117円までドル高が進みました。すべて遠い昔のようなニュースですが、わずか1年前の出来事です。そして2008年10月、世界同時株安という事態に陥り資本主義経済は危機に直面しています。プラチナ価格も急落し、今や金価格に追い付きそうです。果たして去年、今の状況を予測できたでしょうか。また、宝飾市場がここまで冷え込む覚悟していた業界関係者はどのくらいいたのでしょうか。そして、さらに深刻な局面を迎えるであろう、来年とはどんな1年になるのでしょうか。私は大手ショッピングセンター(SC)の状況が気になります。皆さんお住まいの地域でも、いつの間にか多くのSCが建設されたはずです。2〜3年前から今年の春ぐらいまで、週末にはSC近隣の道路が交通渋滞を引き起こしている姿を頻繁に見かけませんでしたか。最近、如何でしょうか。「平日ガラガラ」は当たり前、週末でも「以前に比べだいぶ落ち着いた」なんて感じること多くありませんか。もともと「初モノ」には飛びつき、その後は飽きっぽい国民性です。集客力は年々減っていく気がします。全国には、SCの集客力を期待して高額なテナント料を支払い入っているジュエリーチェーンもだいぶ多くなりました。しかし、平日の様子を見ると「採算が合うのかなぁ」と首を傾げてしまいます。「スクラップ&ビルド」という言葉で、収益力の無い(もしくは無くなった)支店はスクラップ(閉鎖)し、収益力の見込める新店を継続的にビルド(開発)していく事が重要だと提言する専門家の先生も多いと聞きますが「顧客を育てていく」というスタンスが必要なジュエリー業界では、短期間でスクラップする判断は難しく、結果的にビルド過多になりがちだと言われています。予測できない近未来を「景気は良くなる、生活は楽になる」と考える人は皆無で、むしろ危機的な状況が今後は予測されます。急速な市場縮小も覚悟しなければいけないと思います。そんな中、販路拡大を画策するのは、市場を席巻する覚悟が必要だと思うのです。大手ジュエリーチェーンが支店を増やし続ける理由も、そこにあるのかもしれません。私の会社も含め、中小の規模で、来るべき市場縮小に対応するためには、自ら、特化した市場を創り出す方法しか考えられません。それは、自社の差別化という「ありきたり」の言葉になってしまいますが、「極めて明確な差別化」と言葉を強める必要に迫られていると考えるべきだと思います。単にブライダル専門店や、ジュエリーリフォーム・フルオーダー専門店では、大きな差別化にはならないと思います。○○に特化したブライダル専門店、○○が出来るリフォーム専門店と表現できるような「○○」を早急に意識付けすべきではないでしょうか。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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ブランドバリューよりも自店そのものをブランドに 厳しい時代ですね。店頭販売の売上は下降するばかりで、展示会をやっても軒並み前年割れ。そんな現場を、この8〜9月はたくさん見ることになってしまいました。宝飾業に関わる経営者達は、どこまで下降して行くのかという「恐怖」と、今後何をすべきか見えない「不安」でいっぱいです。チラシや展示会の仕掛けを増やしても、悪い結果は最初から見えてしまいます。そんな中で、大手きもの専門店Sが、ジュエリー小売事業部門を、宝飾専門店チェーンのKに4億5000万円(予定)で譲渡すると発表しました。S社にとって宝飾は、主力であるきもの事業に続く収益の柱だったようですが、近年は赤字続きでした。現在は東日本に28店を展開しています。K社の社長は業界でも有名なカリスマ社長で、すばらしい実践力を発揮し、おそらく譲渡されたお店も立て直してK社グループの経営基盤の底上げに活用するのでしょう。私はこれからの宝飾店が唯一生き残る方向性は2つだと思っています。ひとつはK社のように、全国的なネットワークを構築して大手宝飾チェーンとして生き残る方法、ただし、この場合は、最盛期のジュエリーMさんのように強力なカリスマ性を持った経営者がリーダーになっていて、社員も、経営のプライマリーバランスもしっかりと管理されていることが必須条件となります。株式の上場もせずに、あくまでも強力な経営者の指示だけが、全国の店舗にダイレクトに届くことが重要だと思います。そしてふたつ目は、徹底的にマーケティングを限定した専門店として、地域密着を大切にしながら、小さく、強く存在感を保持していく方法です。例えばブランドも最小限に絞り、そのブランドバリューよりも自店そのものをブランドとしてアピールし、徹底した“超専門店”へと成長させていく事だと思います。どちらの方向性にしても、いつもの同じお客様だけに頼るのではなく、人工透析のように、エネルギッシュな若年層顧客を新たなお客様として誘導するシステムの構築も必須条件となるはずです。店頭販売の活性化や将来に向けた経営基盤の強化は、GTBTの石部さんが言うように、ブライダルの活用が重要になることでしょう。そして、それが出来ないのなら、今すぐにでも宝飾店をあきらめた方が良いのかもしれません。何故なら、上記のふたつから漏れてしまう宝石店は、現在よりもさらに厳しい現実に直面するはずです。大きな資金投入を行い、若者が欲しがるような、たくさんの有名ブランドを抱えたお店では、来客があっても、なかなか買ってもらえなくなってきた・・・色々調べてみると、現物は販売店で見て、買うのは安価で、ポイントもたまるインターネットへどんどん移行している、そんな話も聞きます。若者達は並行輸入でも良いのですね。小規模なジュエリーチェーンは価格や商品力で大手に惨敗し、SCの集客力低下で致命的な売上ダウンを経験するはずです。地元商店街で愛されてきた宝石店や時計店は、老齢化した常連客と共に消滅、メーカーや卸問屋直営の小売店が激増することも商品構成に主体性のない宝飾店を直撃するでしょう。地金買取のビジネスもライバルの乱立と“買い尽くし現象”で共倒れ、リフォームビジネスでは、職人達との見解の相違や、新製品価格の下落、さらには消費者が宝飾品に抱いていた期待しすぎの価値観の幻滅により長続きせず中途半端なビジネスになるのではないでしょうか。そして、自らの信念とジュエリービジネスの本質を貫き、結果的に生き残った宝飾店だけが、食物連鎖の崩壊のようにライバルを減らして、どんどん台頭していくと思います。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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愛媛県大洲市という山間の小さな街に、私がこの業界に飛び込んだ頃から大変お世話になっている宝飾店があります。その店は昭和2年創業の老舗で、社長さんやスタッフの皆さんの人柄同様、地元に愛される素敵なお店です。けしてチェーン展開など行わず、この街にしっかりと根を張り宝飾文化を広めてきました。このお店を舞台に繰り広げられた約1年半ほどのドラマは、私の人生に大きな影響を与えてくれました。2007年1月、国際宝飾展の弊社ブースへ、そのお店のH社長とスタッフの皆さんが立ち寄ってくれました。私自身数年ぶりの再会で、近況や、既に進んでいた「輪」というビジネスモデルの事をお話ししました。当時の「輪」は、私が創った群馬の最初の店で結果を出し、新潟や三重など全国10社以上の仲間が本格的に展開し始めた頃でした。その時、会場で私が話した内容はH社長の心に残り、その日の深夜(日付が進む頃)、私の携帯電話のベルを鳴らす事になったのです。「わしの娘達がなぁ、木村さんのやり方はえぇわいと言うんじゃ」。昔から聞き慣れたH社長のあたたかい大洲弁、間違いなく興奮気味に話す時の声、他の取引先の仲間と酔いつぶれて寝転がっていた私には何を言われているのか到底理解出来ず、「明日、また連絡します」と伝えてその場を納めたのです。翌日以降は、まさに急展開でした。H社長のご子息は皆お嬢さんで、そのうちのふたりが嫁に出て東京に住んでいました。その娘さん夫婦と食事をした際、H社長が何気なく「輪」や「木村という男」について話した。すると娘達は「輪」のビジネスモデルに興味を持ち、輪の商品や既存店を見たいと言い始めた。そして「社長が所有する別荘を模様替えして、そこを輪の店にしたら」と具体的な提案までしてくれたらしいのです。H社長にとって後継者をどうするのかという悩みは大きく、まさか、嫁に出た娘達がそんな事を話してくれるとは夢にも思わなかったのです。そして、夜中のあの電話。H社長が興奮するのも無理は無いですよね。そして、私はふたりの心優しい娘さん夫婦と出逢いました。その後の経過はとてもこのコラムでは書ききれません。色々なことを話し合いました。本当にたくさんのことを話しました。80年以上続く老舗の娘として生まれたこと、子供達はすべて娘だったこと、故郷への思い、大切なお父さんやお母さんのこと。そして未来のこと。何度も何度も。そして、いま、妹さん夫婦が大洲に戻り「輪」プロジェクトに取り組んでいます。妹さんの旦那さんは会社を辞め、妻である社長の娘さんと力を合わせて、切磋琢磨、悩みながら、老舗の新たな扉を開こうとしています。その夫婦が創り上げたブライダルジュエリーのお店は、社長が保有していた純日本建築の別荘に、一般的な家具をショーケース代わりに配して活用されています。原価ベースで400万円ほどの商品サンプルを展示して営業する「輪」ならではのスタイル、エンゲージ用のダイヤモンドルースは、確か7つほどしかないはずです。もうすぐ開店1周年になります。初めてのカップルが来店した時、初めて結婚指輪が売れた時、初めてダイヤモンドが売れた時・・・H社長は必ず電話や手紙で連絡をくれます。あたたかい大洲弁で、少し興奮気味に。今や、四国では隠れた有名店となり、松山はもちろん、遠くは徳島や高知からもお客様が訪れています。皆、お客様は何度も何度もトンネルを抜けて、車で1〜5時間かけて大洲にやって来ます。そんな素敵なエピソードが、まだまだ宝飾業界を下支えしてくれれば、この厳しい時代を上手に生き抜けるお店は、もっともっと生まれることでしょう。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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もっと価値観を限定すべきです。 「1円でも安く買いたい」。それは消費者にとって当たり前の欲求です。全国の宝飾店を見ても「お買い得品」とか「SALE」という張り紙を必ず見かけます。以前、日本の商売人達は「安く売る努力」は徹底的にやってきて「高く売る努力」はあまり本気にならなかったという旨のコラムを書きましたが、そのツケが、現在の宝飾業界低迷に廻ってきています。例えば、展示会ですが、お客様に値引きを強いられた際に、誰がその値引き分を被るかで必ず不穏な空気が流れます。小売店さんが値引きを頼んでいないのに、問屋さんが勝手に値引きしちゃうこともあります。問屋さん自ら値引き分を被るのなら仕方ないですが、何故かメーカーに「助けて!」と縋ってくる場面も増えてきました。それは、展示会場に並んでいる商品の多くが問屋さん自身の在庫では無いからです。酷いときには全て借り物(メーカーからの委託品)の場合も少なくありません。むしろそれが当たり前になりつつあるのです。当然問屋さんの利益は薄利となり、その値引きが原因で、最近では「展示会主催者である小売店への納品総額−メーカー仕入総額−マネキンやディスプレイなどの経費=赤字」となる場合がほとんどなのです。業界人達には周知のことですが「在庫を持たない(正確には「持てない」)問屋」となった原因は、小売店さんの店頭販売減少に伴う、普段の仕入が消滅したことが大きく、宝飾業流通システムの堰止ダムになってしまっているのです。さらに店頭販売を壊滅的に減少させた戦犯を探ると、消費拡大ニーズが一時的に高まった社会情勢や、売上拡大競争の激化で展示会を積極的に提案し続けた問屋やメーカー、比較的容易に売上が拡大できることに甘んじた小売店と多岐に及び、まさに複数犯で複雑であり、問題を解決するための根っ子が掴みにくい事で問題解決を遅らせてしまっているのです。それが、他の業界に比べ光明が見出し難い原因で、このままでは業界全体の流通システムはドミノ式に壊滅します。流通スリム化が進む我が国の市場を見据え、それを待ち望む声もありますが「壊滅」の「悲劇」は多くの人々の予想をはるかに超える事になるのではないでしょうか。「高く売る努力」に不可欠なのが「価値観のアピール」です。有名な醤油の話ですが、消費低迷が進む中で各メーカーは「減塩」「こだわり」「限定醸造」などの冠言葉を付けて、価格の維持や利益率アップに努めてきた。しかし同じような商品を次々に生まれ、結局価格競争になってしまった。生き残りをかけた更なる研究とアイデア創出が繰り広げられ、その結果、消費の対象を限定的に狭くして成功した商品が出てきている。そのひとつに小さなメーカーさんが開発した「卵がけごはん専用醤油」なんて商品があります。私も味見しましたが、思わず「美味い」と声を上げてしまいました。多分「イメージ」によって美味さを倍増しているのです。缶コーヒーなどでは「朝専用」なんて書かれた商品もヒットしています。缶コーヒーの消費の多くは午前中に集中する事に目を付けたのです。日本のビジネスは、多様化する顧客ニーズに、商品性能の多様化、複合化で対応してきたのですが、今後は多様化した要素毎に商品開発を進める時代なのかもしれません。そんな視点から「高く売る努力」を進め、宝飾業界も商品開発や販売手法を改革しましょう。「高く売る=ブランド品」では無いですよ。宝飾業界が扱う多くのブランド品は、醤油で表現すると「減塩」程度の価値観に感じます。それはブランドコンセプトが不明瞭だったり、取扱店が多すぎて有り難くからかもしれません。私の口癖である「変態客」のように、もっと価値観を限定すべきです。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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経営者自らの青写真でリフォームビジネスに取り組んで欲しい 「ジュエリー製品の販売は既に頭打ちとなっているから、地金の下取りや買取り、ジュエリーリフォームビジネスに参入すべきだ」と主張するコンサルタントの先生がいるようです。我が国においてジュエリーのリユース市場は巨大なものであり、その主張に異論はありません。特に、ジュエリーリフォームに関しては、独自のノウハウで繁盛店になっている小売店も目立ってきました。でも、ジュエリーリフォームのビジネスをシステム化するのは反対です。さらに、そこへ「コンサルタント」という人や業者が絡んでくるとさらに厄介です。既に貴金属地金の下取りや買取りビジネスは、多くの仕掛け人達によってシステム化されました。その結果、全国にたくさんのお店が氾濫しましたよね。宝飾店や買取り専門店のみならず、古本屋さんや古着屋さん、出張買取り業者まで存在します。その中で急激な淘汰が既に始まっているのです。下取りや買取りビジネスを一生懸命進めた結果、それ以降、店頭販売が全く駄目になったという宝飾店もあります。ジュエリーリフォームに関しては創作性や専門性が求められるので業者か氾濫するとは思いませんが、全国の宝飾小売店に「ほぼ同じ手法」「同じノウハウ」「同じ成功事例」で紹介されている事が気になります。特に“コンサルタントや先生”と呼ばれる仕掛け人達の提案内容には、本当に、宝飾業界の事やクライアントの将来を考えた提案かと疑問を感じてしまう事もあるのです。真の経営コンサルタントであれば、現在の宝飾業界にとって最も緊急の課題は(現場を理解していれば)「新規顧客の創出」や「次世代経営者への事業継承」を念頭に置くはずです。既存の宝飾店が、単にシステム化されたジュエリーリフォームビジネスを導入するだけでは、結局、従来からの常連客を中心に、ひたすらリフォームを勧めていく構図になるはずです。自分達が過去に販売した古くて飽きられてしまった商材をスクラップにして、リフォームを提案していくのです。飽きられてしまうような商品を販売した責任はさておき、問題は、毎度お馴染みの常連客に固執する体質です。いつか、常連客の多くに声を掛け終わると「お客様に一巡した」なんて言い方をして、また、次の仕掛けを探す・・・まさに焼畑農業です。数年前の「ゲルマニウム・ブーム」を思い出すと分かりやすいでしょう。新製品や新しいブランドが、なかなか日本の宝飾業界では育たないと言われる理由もそこにあります。結局は「いつものお客様向け」ビジネスに固執してしまうのです。既に数年前からジュエリーリフォームで成功しているお店には、独自のテーマ性とポリシィが存在します。たくさんの職人達と自ら交渉し、信頼関係を構築して、揺るぎない技術力をPRしています。そのビジネス手法には“匠”の技でお客様を感動させる壮大な夢を感じるのです。第三者の力で用意された画一的なシステムをお店に導入して、経営者はともかく、そこで働くスタッフ達は、そのシステムに強い思い入れを込められるでしょうか。結局、流れ作業的に「ジュエリーリフォーム」を大衆化してしまう結果へとつながるのではないでしょうか。そして消費者イメージとして「夢のない宝飾業界」を創り上げてしまうのではないでしょうか。リフォームを提案したお客様に「新しく買った方が全然安いじゃないっ!」と言われた時、貴店のスタッフはどのように応えるのか。すべてのスタッフが胸を張って、リフォームすることの大切な意味や情熱を伝えられるお店を創る確かな自信があるなら、コンサルタントに頼らず、経営者自らの青写真でリフォームビジネスに取り組んでみては如何でしょうか。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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「石部高史さんと私の「ガチンコ」対談ってどうよ・・・」 7月20日号の「時計美術宝飾新聞」で、私と石部さんとの対談が紙面化されました。多くの皆さんはご存知かと思います。また、多くの業界関係者の皆様から反響をいただきました。有難うございました。 記事の大見出しで「石部高史 VS 木村亮治 がチンコ対談」と書かれてしまい(これは聞いてなかった)、ますます私と石部さんが「犬猿の仲」なんではないかと思われてしまいました。毎回言っているのですが,そんなこと無いですよ(笑)。 ただ、生きている時代や世界は一緒で、正確に言うと目指す「ゴール」も一緒なんです。だけども、生き方が大きく違うように見えるみたい。華麗な石部さんと、地味な木村とでも表現すべきか・・本当はそんなに違わないんですけどね(笑)。メタボなボディまで一緒ですから。 石部さんは常に危機意識を持っています。明確なセンスをもって目的意識を貫き、自分が必死になってもがいているのに、周りの同業者が、とても頑張っていないように見えるのです。「石部さんの周りと」とは、大手宝飾店のご子息のことになってしまいますが、それこそ、プロ野球で言えば、昔ヤクルトのブンブン丸と言われた池山や、苦労人が集まる楽天の現役選手たちが、元巨人選手で長嶋監督の子息「一茂」や、楽天の野村監督の息子「克則」を罵倒したのと同じ構造です。 書いてある内容で「不安」に思った次世代経営者の皆様も多いかも知れませんが、あまり彼を攻めるべきではありません。「何故もっと頑張らないんだっ!俺はこんなに頑張ってきたのにっ!」という石部さんの気持ちは、わかってあげるべきだと思います。 彼が、全国の宝飾店のプロデュース業から足を洗うことも、日本ゴールドチェーンの役職につき、ほんの一ヶ月で退いたことも・・全てが彼の孤独な心を表しているのです。 宝飾業界は、一人で生きることは絶対に不可能です。大切なことは、同じ志を持った仲間たちとタッグを組んで、如何に悪政や海外からの黒船に対抗するかです、石部さんからは「一匹狼になることのススメ」を説かれました。天才・石部ならそれで良いのですが、少なくとも私には無理ですね・・。 ショッピングセンター内のジュエリーショップや、2流(日本国内やジュエリー業界でしか評価されない)ブランドをたくさん配した「ナンチャってブランドジュエリー」が下り坂を転げるように消えていくまで、時間はもう少しです。 石部さんのプロデュースの内容を誤解して「ナンチャってブランドショップ」を作ってしまった地方の宝飾店はたくさんあります。私は対談している最中、それらのお店が、今一番「石部イズム」を再確認すべきだと強く感じました。私が2002年に石部さんと初めて出逢い、ジュエリーピコの商談室で「石部イズム」を説かれ、自分なりに消化して「輪プロジェクト」を立ち上げた時のように・・。 最後に、くれぐれも言っておきますが、決して仲が悪い訳ではないので誤解の無いようにお願いします。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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業界全体が団結して新たなマーケティング戦略を ブライダル・ジュエリー・ビジネスのマーケティング上、必須条件となるのが結婚情報誌Z誌への広告掲載です。Z誌は、圧倒的な知名度と、若者達からの絶大なる支持で、最もメジャーな結婚情報誌と言えます。同様の情報誌は九州地区や北陸地区にも地方誌として存在しています。ひと昔前は、大都市圏=Z誌、地方都市=地方情報誌という勢力分布の時代もありましたが、現在は全国各地方版のZ誌も発売されています。各地方でZ誌のテレビCM等も戦略的に流され、全国制覇の様相です(山陰地区は未発売)。まさに「ひとり勝ち」です。私は、全国の取引先(小売店)に、ブライダルに力を入れるなら、絶対にZ誌に広告掲載をすべきだと言い続けてきました。「サッカーボールを持たずにピッチに入るようなものだ!」と比喩し、小売店さんには恐ろしく高価な広告費の捻出をお願いしてきたのです。しかし、少し困った事になってきています。Z誌は「ひとり勝ち」になってしまった結果、横綱相撲的な方針転換を次々に行い、広告掲載費の実質的な値上げも進めています。最も驚いたのは関西、東海、首都圏の3大都市圏版で実施されたエンゲージリングの特集ページと、マリッジリングの特集ページが分離されたことでした。つまり、今まではブライダルジュエリーのコーナーに90万円/月で1ページの広告掲載をしていたお店は、その1ページにエンゲージもマリッジも宣伝していたが、どちらか一方に絞るか、追加で契約してそれぞれに掲載していくかという決断に迫られるのです。つまりエンゲージもマリッジも宣伝していくためには各コーナー別に1契約ずつ、合計2契約、実に90×2契約で180万円が必要となのです。リクルート側は「読者が見やすいように」と分離の理由を説明しているが、単純に掲載料のアップが目的なのは明らかですよね。もはやZ誌と広告掲載店の関係は「Z誌が砂漠の真ん中で飲料水を売り、掲載店がこれを買って生命を継続させるようなもの」に見えてしまいます。値上げに腹を立て「掲載を止める」と脅しても、他に変わる販促手法が確立されていないのですから立場的に弱くなります。6月末に発売されたZ誌福島版では、Z誌の編集部が如何に広告掲載店の事を真剣に考えていないかが露呈するようなページ構成がありました。 1ページ契約している別々の宝飾店が見開きで隣り合っているのに、両方のページが、京都発の有名ブランドから支給された同じようなあずき色背景の写真で埋め尽くされたのです。掲載頁の位置は編集部では指定出来ないと彼らは言います。しかし、京都発ブランドを販売するためにZ誌を活用した別々の2社の経営者からすれば悔しくて仕方がないはずです。私はその件をたまたま福島で会ったZ誌担当者の女性に抗議すると「商圏が違いますから大丈夫だと思います」という返事。お客様は車で飛び回る時代に「Z誌・福島版」、つまり同じ福島県内の2店舗が商圏的に全く別だと言い切ってしまう浅はかさ。コンサルタントの基本は、自分がクライアントの気持ちになること、Z誌の販売元はマーケティングリサーチの会社、つまりZ誌担当者はコンサルティングサポートを約束しているはずですが、社運をかけて数十万円の広告費を支払う気持ちには至っていないようです。広告掲載店の気持ちなんて全く理解していないのです。横綱の横暴に対抗するためには業界全体が一致団結して新たなマーケティングを研究する以外方法はありません。「お金が無いならZ誌に掲載しなければ良い」なんて言っていたら、宝飾業界そのものが馬鹿にされ続けるだけです。一刻も早くZ誌に頼らないマーケティングを確立したいものです。 (木村亮治:ryo.kimura@j-twinkle.co.jp) |
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私は「MJC」というジュエリー通販が好きです。テレビでもCMが頻繁に流れています。運営会社は明治4年創業の財閥系の会社です。資本金は1,000億円を超え、売上高も1兆円以上の規模を誇ります。まだまだ本格的にジュエリー販売をスタートしたばかりですが、今後成長し続けると、日本の宝飾業社は誰も太刀打ちできない気がします。現実に、東京・大阪の都心の一等地に立派なショールームが整備されて、通販の弱点と言われた「実物を見ないで買えるか」という問題を解決しようとしています。日本における庶民向けジュエリー市場の台風の目になるのではと期待しています。宝飾業界は新たな勢力に弱いものです。全国にアイプリモやラザールキャプランブティックを展開しているプリモ・ジャパン株式会社も創業は1999年、社外取締役にジャンポールトルコフスキー氏まで顔を揃える株式会社ダイヤモンドシライシが、銀座に設立したのも、まだまだ1994年のこと。歴史がありそうなジュエリーツツミでさえ、埼玉の蕨に1号店が開店したのが1973年11月なのです。他の業界では完全に「新参者」扱いでしょう。全国を回っていると、創業80、90、100年なんて宝飾時計店をよく見かけます。ところが、新規参入業者にかなり食い込まれ、存亡の危機に陥っているお店も少なくありません。欧州では「お母さんもお婆ちゃんも、ひいお婆ちゃんも、ここで宝石を買った」と言われるようなお店がゴロゴロあります。皆、地元に愛され、尊敬され、地元の有力者として活躍しています。そして極めて限られた小規模のマーケットでしっかりと根を下ろした商売をしています。支店やチェーン展開というのも考えられず、昔ながら同じ店で同じ商売をし続けているのです。商品や販売手法にも強いこだわりも持っています。日本の老舗はどうでしょうか。次々に現れる新参者に対抗するために、支店を増やしたり、流通組織である問屋から他店でも容易に取り扱えてしまうブランドを「まんま」と導入させられて、あたかも流行を追いかける百貨店の宝飾品売場のような特長のないお店作りを進めてきたように思います。新参者が恐れるのは、老舗が自ら消してしまった「老舗らしさ」や「格式」なのです。それをあえて同じ土俵にしてしまっては、起業意欲にあふれ、マーケティング戦略を徹底した新参者に対抗できるわけありません。特にブライダルジュエリーに関して言えば、完全に新参者達の天下になってしまっています。天下統一とは行きませんが、全国の県庁所在都市では、老舗のブライダル売上は恐ろしい程激減したはずです。そこで老舗は、資産力を背景に何故か更なるブランドを取り揃えて対抗しようとするから自滅が進んでしまっています。この後、一般的なファッションジュエリーまで新参者が席巻し始めたら、老舗はどうなるのでしょうか。少なくとも「MJC」あたりが本気を出すと、品揃え、価格、宣伝力、販売力、企業運営のための資金力すべてにおいて惨敗します。新参者に対抗するためには伝統と格式を重んじる事はもちろん、新参者と同じパワーを有する若い人材を活用する以外、道はないのです。不思議と老舗の経営者はワンマンな体制が目立ちます。自分自身が身体が動かなくなるギリギリまで会社の経営権を保持し、跡継ぎの教育を中途半端のまま目を背け、何かあったその時に突然経営権を引き渡してしまう老舗も後を絶ちません。こんな事で企業の継続性が保たれる訳はなく、新参者の若い起業家にも勝てるはずもないのです。若いスタッフ達が伸び伸びと活躍して「のれん」を守る老舗が、日本の宝飾業の良き伝統を継承するには不可欠だと思います。(木村亮治) |
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| かつて、京都にとあるコンサルタント会社がありました。その会社は16年連続2桁成長を続ける呉服専門店チェーン「T」(平成18年8月倒産)のグループ会社として、そのノウハウと実績をもとに、きもの専門店の活性化を促すプロ集団として活動していました。その後、ワンツーワンマーケティングを販売戦略とする小売専門店(宝飾、メガネ、寝具家具、エステ、美容室など)にまで幅広くクライアントを拡げましたが、親会社である呉服専門店チェーンと共に破綻したのです。「コンサルタントが潰れるなんて、一体何をコンサルティングしていたのだろう」とがっかりした事を思い出します。 この京都の会社に限らず、宝飾業界には、コンサルタントと呼ばれる先生方の集団が多くあります。宝飾店の売り上げアップのために、その卓越されたノウハウを提供していく商売ですが、私が考える「コンサルタント」とは「マーケティング」を語るべきだと思っています。宝飾業界のコンサルタントは何故か「セーリング」の講義が中心となっているのです。つまり「売り方」を教えようとするのです。この背景には、販売力で定評のあった大手ジュエリーチェーン「M」のOBが「先生」として起業するケースが多いからだと思われます。 「M」は昨年、京都在住の認知症の老婆に宝飾品を次々に売りつけた(ローンを組ませた)としてTV報道されました。認知症の老婆1人相手に借金までさせ3,764万円も売り上げ問題化した会社です。強力な「販売力」の陰で「社会性」や「モラル」が置き去りになってしまったのです。結果的に、世間の皆様(消費者)から「宝飾業界」=「何でも売り付けるモラル無き集団」と酷評される事さえあるのです。ぜひコンサルタントの先生には、そんなイメージを払拭するような明解なマーケティングを仕掛けて欲しいものです。 卓越した情報を駆使し「企業カウンセリング」を 結局、販売力の強化に走ると必ず「無理な売り方」に辿り着いてしまうからです。そんな目先の商売を指導するのではなく、小売店や問屋さんをコンサルティングしていくなら、もっと大きな時代変化に対応できる対策を提供すべきです。 例えば、クライアントが30年後も元気企業としてやっていけるようにするためには・・・といったようなビジョンも大切です。このビジョンには、30年後の2040年に対し、地球環境が抱える環境問題や、世界経済の動向予測等、プロのコンサルタントとして、クライアントの知識や興味対象から欠けてしまっている大切な要素を、経営者に植え付けていく事になるでしょう。 世界の人口はこの40年間で30億人も増加して現在は65億人です。そして30年後には90億人とも推定されています。そうなると石油、水、食糧の不足は顕著に世の中を変えていきます。ほぼ100%の石油と60%の食糧を海外に頼っている日本は、30年後、エネルギーや食糧不足で治安も悪化し、市場もガタガタになっている可能性も高いと言われています。その時、宝飾業は如何にして生き残るか・・・30年後のその時までにどんな準備が必要なのか・・・そんな指導を続けていけるのがコンサルタントだと思うし、「そんな先の話より、今月の売上を何としてくれ」というクライアントでは、2008年〜2010年は乗り切れないと思うのです。 コンサルタントと名乗り、その報酬を得るのであれば、せめて「成功したら私のおかげ、失敗したらあなたの努力不足」という無責任なスタンスを捨て、「売り方」指導ではなく、卓越された情報を駆使した「企業カウンセリング」を進めて欲しいものです。 |
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かつて、京都にとあるコンサルタント会社がありました。その会社は16年連続2桁成長を続ける呉服専門店チェーン「T」(平成18年8月倒産)のグループ会社として、そのノウハウと実績をもとに、きもの専門店の活性化を促すプロ集団として活動していました。その後、ワンツーワンマーケティングを販売戦略とする小売専門店(宝飾、メガネ、寝具家具、エステ、美容室など)にまで幅広くクライアントを拡げましたが、親会社である呉服専門店チェーンと共に破綻したのです。「コンサルタントが潰れるなんて、一体何をコンサルティングしていたのだろう」とがっかりした事を思い出します。 この京都の会社に限らず、宝飾業界には、コンサルタントと呼ばれる先生方の集団が多くあります。宝飾店の売り上げアップのために、その卓越されたノウハウを提供していく商売ですが、私が考える「コンサルタント」とは「マーケティング」を語るべきだと思っています。宝飾業界のコンサルタントは何故か「セーリング」の講義が中心となっているのです。つまり「売り方」を教えようとするのです。この背景には、販売力で定評のあった大手ジュエリーチェーン「M」のOBが「先生」として起業するケースが多いからだと思われます。 「M」は昨年、京都在住の認知症の老婆に宝飾品を次々に売りつけた(ローンを組ませた)としてTV報道されました。認知症の老婆1人相手に借金までさせ3,764万円も売り上げ問題化した会社です。強力な「販売力」の陰で「社会性」や「モラル」が置き去りになってしまったのです。結果的に、世間の皆様(消費者)から「宝飾業界」=「何でも売り付けるモラル無き集団」と酷評される事さえあるのです。ぜひコンサルタントの先生には、そんなイメージを払拭するような明解なマーケティングを仕掛けて欲しいものです。 卓越した情報を駆使し「企業カウンセリング」を 結局、販売力の強化に走ると必ず「無理な売り方」に辿り着いてしまうからです。そんな目先の商売を指導するのではなく、小売店や問屋さんをコンサルティングしていくなら、もっと大きな時代変化に対応できる対策を提供すべきです。 例えば、クライアントが30年後も元気企業としてやっていけるようにするためには・・・といったようなビジョンも大切です。このビジョンには、30年後の2040年に対し、地球環境が抱える環境問題や、世界経済の動向予測等、プロのコンサルタントとして、クライアントの知識や興味対象から欠けてしまっている大切な要素を、経営者に植え付けていく事になるでしょう。 世界の人口はこの40年間で30億人も増加して現在は65億人です。そして30年後には90億人とも推定されています。そうなると石油、水、食糧の不足は顕著に世の中を変えていきます。ほぼ100%の石油と60%の食糧を海外に頼っている日本は、30年後、エネルギーや食糧不足で治安も悪化し、市場もガタガタになっている可能性も高いと言われています。その時、宝飾業は如何にして生き残るか・・・30年後のその時までにどんな準備が必要なのか・・・そんな指導を続けていけるのがコンサルタントだと思うし、「そんな先の話より、今月の売上を何としてくれ」というクライアントでは、2008年〜2010年は乗り切れないと思うのです。 コンサルタントと名乗り、その報酬を得るのであれば、せめて「成功したら私のおかげ、失敗したらあなたの努力不足」という無責任なスタンスを捨て、「売り方」指導ではなく、卓越された情報を駆使した「企業カウンセリング」を進めて欲しいものです。 |
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| 日本経済の60年周期を信じて いわゆるガソリンの暫定税率廃止と道路特定財源の一般財源化を進める民主党の議員さん達が、国土交通省関東地方整備局の視察をしたニュースが流れました。パフォーマンスだったとはいえ、ニュース画像に登場していた公務員達の対応があまりにもひどかった。 タクシーや公用車の使用実態など、道路財源の“無駄遣い”が公然と続けられてきたのは既に明らかであるのに、国土交通省の管理職の人が、民主党議員に対し「個人の特定につながると可愛そうだから・・・」なんて言い訳をしている様子がテレビで流れてしまっていた。この整備局に勤務する職員のひとりが、平成19年度に深夜帰宅用タクシー券を出勤日のほぼ毎日に当たる計190回、総額500万円分も使っていたもので、この職員の1回のタクシー代の最高金額が4万円に上るほか、1日の平均残業時間が2時間未満だったことも既に発表されている。税金横領は明らかで犯罪なのだから、国民が許すわけはない。2007年度末の国債や借入金などを合わせた国の債務残高は前年度よりも2%増えて850兆円に達していると財務省が先日発表した。これに地方債務を加えると確実に1000兆円を超える。今後の税収のアップは期待薄で、借金は当分増え続けると予想されている。日本では国家の税収入総額の約8割が公務員の給与として支払われる。公務員の給与は民間給与の平均だと言われているが、その詳細を知る人は少ない。 実は従業員100人以上の企業の男性をランダムに抽出して平均値を出し、それを民間の平均と決めつけているのです。我国は就労人口の約8割が従業員数100名以下の中小企業に所属し、その数は全企業数の99%(166万社)、つまり、就労人口の8割の給与額は全く参考にされず、高額な設定で支払われているのです。度重なる公務員の税金横領、利権優先の無駄な公共工事、税収の低迷、社会保障費の増加等々、あと5年も経つと日本の借金は何処まで進むのでしょうか。そんな中で、国民が「お金を使ってショッピングを楽しもう」という気になるのでしょうか。日本は経済破綻するという学者も多いですが、もし経済破綻したら、宝飾業はどのように生き残れば良いのでしょうか。この春も全国的に売上が低迷しているようで、今後も売れない日々が続いた時、宝飾業はどこまで持ち堪えられるのでしょうか。生き残るためには宝飾品を買える新規顧客を創出することが必須条件となりますが、その手法には「戦える商品」「結果の出る販売手法」「明確に目的客に伝わる広報展開」が必要になるでしょう。そのためにも、メーカー、商社、販売店が一致団結して同じテーブルで作戦会議し、協働体制で乗り切るべきです。どちらが「買う方」とか「売る方」とか、「川上」だとか「川下」だとか、会社が「大きい」とか「小さい」とか言うようなつまらない壁を取り払い、一丸となって対策を準備しないとダメだと思います。日本は1946年に経済破綻し、それから高度成長を遂げました。日本の経済は、歴史的に約60年周期で崩壊と繁栄を繰り返しています。今を乗り越えれば2025年前後には好景気になるという経済の専門家もいるのです。宝業界全体が一丸となり、何とか“いま”を乗り切り、次の60年で飛躍することを、心より願っています。(木村亮治) |
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