TDEがQ&A作成し、わかり易く発信
経済産業省は、ロシア産ダイヤモンドの輸入規制について9月以降に導入しうる法規制を見据え、5月1日より、ロシア産ダイヤモンド(原石・研磨済み)の輸入の段階的な制限の一環として、1カラット以上の第三国で加工されたロシア産ダイヤモンドの輸入の排除及び適切な取引を実施する旨の自己宣誓を事業者に求め、そのために取り組むべき内容の手引き「ダイヤモンド(原石・研磨済み)の輸入に際して事業者が取り組むべき内容に関する指針について」をホームページにて提示している。
経産省のホームページに掲載されている手引きは、非常に詳しく内容が書かれており、ゆっくりと読み込めば理解できる内容ではあるが、業界内からは難しいという意見が少なくないので、あまり具体的なことが広く伝わっていないことも考えられる。6月末現在で、経産省の宣言書に登録した事業者数は30社に届いていないようで、これが多いのか少ないのかはわからない。
業界に対しては、サプライチェーンが混乱しないよう、経済産業省に対して日本のダイヤモンド業界の現状を伝え、何度も意見交換を行ってきている日本ジュエリー協会(JJA。加盟791社。長堀慶太会長)並びに東京ダイヤモンドエクスチェンジ(TDE。加盟25社。岩崎道夫理事長)が、事業者が取り組むべき指針などを発信している。
さらにTDEでは、会員である企業の垣根を越えて、輸入業務に直接関わる社員を入れ各社が知っている規制に関しての情報交換を行い、ユーザーでも分かる簡単な内容からプロ向きの内容までしっかりと網羅した「非ロシア原産ダイヤモンドの輸入に際してQ&A」を TDEのホームページで公開している。
この様に、日本の宝飾業界において混乱なく、健全な発展を目指すために各企業の垣根を越えて情報交換が行われ公表されたことは、今後の業界の発展に活かされるべきことだろう。具体的なノウハウや行うべき対策など、様々な意見交換が行えたことは、業界団体として大変意義あることだと言え、これを機会に様々な内容や、他団体においても垣根を越えた情報交換(協力)が行われ、業界全体が一丸となって発展につながることが期待される。