小売り市場の景況感

2015/07/16
景況感アンテナ 6月

聞く耳もたぬ人々

「岡目八目」とはよく言ったもので、業種が違っても他人の店のアラはよくみえるものである。いささかでも口をきく間柄であれば、遠回しでもああすれば、こうすればとよく言っていたものだが、最近はやめた。相手がまったく聞く耳を持っていないからである。素人の見立てというのは馬鹿に出来ないもので、店の側からみると公理に等しい当然のことも変化の激しい今の時代は疑ってかかるのがまっとうである。
JOWJAPANが揺れている。セイコー、シチズンのメーカーと相変わらず協力関係を築いていこうとすることは見直した方がいいと思うが、幹部連中はおそらく「聞く耳」もたぬであろう。
6月になって客足、売り上げとも以前の感じにいささか戻ってきたが、レベルは低い。時計が売れても宝飾品が売れてもひとつの流れにならない。それでもこの感じを持続できるかどうか見極めはひと月では難しい。従来の店のあり方すべてを疑って行くしかない。
(N)

2015/06/16
景況感アンテナ 5月

卸しが異口同音に言うことは

現在の商売の状況について宝飾卸の営業マンが言うことは似通っていて、数は出ないけれども単価の高いいいものがポツリポツリと売れていく。これは富裕層なり一部のたとえば株式で儲かったとかそういう層だけが、ジュエリーを買う余力と意欲を持ち合わせているということになろうか。商売するほうからいえば一人の客を獲得するか逃がすかで売り上げが大きく変化するということだが、これはまたリスクの大きい環境でもある。
近くの駅ビルの改装閉店セールの影響もあったのか 今年の5月は例年になく厳しい月で、とりわけ前半は惨憺たるものであつた。パートさんにも時短をお願いする始末で、だんだん経営とは言えなくなってきている。時代がなにを問いかけいかなる解を求めているのか。
今はただ暗い、暗い道行きである。  (N)
2015/06/02
景況感アンテナ 4月

「救い」があるとすれば

大手スーパーのイオンもヨーカドーも営業赤字に苦しんでいる。全国どこでも画一的な店づくりが消費者にそっぽを向かれたのだそうで、逆に地場のスーパーの業績がいいのだという。中央からのトツプダウンの組織運営は結局、働き手に目の前の現実から問題を掘り下げる意欲を失わせ命令に忠実なだけの精神を育ててしまうのだろう。
いやこうも言える。馬鹿でもない連中が巨大な組織と金にものをいわせても、今の消費の激流に抗せないと。その誰にも正解がわからない消費の流れだからこそ、零細小売りにもいささかのチャンスはあるということだ。やる気があればだか゛。
店じまいを考えるほどの低調な4月の商戦であった。そのなかでウォッチの修理はだいたい安定しているが、伸びているわけでもない。(N)
2015/04/14
景況感アンテナ 3月

消費の主流はなんであるか

「消費の二極化」ということが最近言われ始めている。気に入ったものにはお金を出すがそれ以外の物は出費を抑えるという意味だそうである。この流れに沿ったものか大手スーパーも本部中心からそれぞれのSCに権限を移して現場の声を生かそうといわば地方分権を進めている。けれども自分の目には食料品の顕著な値上がりに伴って主婦や年金生活者が節約消費に走っていることのほうが消費の主流のように映る。デフレ脱却は国策のようだが、はたして一定の収入しか見込めない層にとつては、物価の値上がりはますます消費の委縮をもたらすのではないか。
マクロの経済指標では景気の回復が言われているが、ミクロの視点にたつとなかなか一筋縄ではいかない現実がみえてくる。
今年の3月を駆け込み消費の昨年とくらべるのは土台無理だが、それにしても全般に不調。お客さんの数も少なく、宝飾品の売り上げも予想を超えて減少。はて夜明け前の暗さなら幸いだが。(N)
2015/03/11
景況感アンテナ 2月

みよちゃん おじさんも春が待ち遠しい

北国にいて雪に埋もれて過ごしていると、春への期待感は言葉にはならないくらいに膨らんでくる。「春がきた 春が来た どこにきた」あの童謡は東京に住んでいる人にはたぶんわからないですよ。北海道出身の後輩に言われたことをいまでも覚えている。歩き始めたみよちゃんもまだかな、まだかなと外をみているにちがいない。
おじさんも景気の春を待っているけれど、ウグイスの声は聞こえてこない。しばらくは内籠りの日々が続きそう。
2月は数字だけみると売り上げは昨年をわずかに上回ったし、ウォッチも宝飾品も伸びたが全般的に低調という感じ。ショックだったのはパールのセールを仕掛けたものの反応ゼロ。DM代金はパーで、お客さんが購入されるときは自店を選んでくれるだろうと自らを慰めている。(N)
2015/02/13
景況感アンテナ 1月

ブラジル戦をどう戦うかと考えてみると

相手は手ごわい、ボロ負けも覚悟せにゃならん。がなんとか引き分けには持ち込めないか
あわよくばと指揮官はゲームメイクに策を練る。ワンチャンスはある。それをモノにするにはどうすべきか。1月の商戦はこんな感じである。
福袋の商売がなかなか通用しなくなって、月全体を見回しても商機を探すのに苦労する。待ちに徹底してなにもやらないか、平凡なOFFセールにならざるをえない。そこでワンチャンス、正月気分と華やぎのある成人式までいささかの浮かれ気分に上手に乗れば、商売になりそうだ。月後半はなかなか難しい。この発想で仕掛けてみてなんとか引き分けぐらいに持ち込めたので、不満は残るがまずまずの1月であった。
売り上げ全体で昨年比10%減、ウォッチもジュエリーも数量含めいまひとつだったが昨年末以来の極端に悪い流れはいささかゆるやかになった感がある。     (N)
2015/03/11
景況アンテナ 12月

ばんざいサンデーの憂欝

覚悟していたとはいえ、ボーナスサンデーもクリスマスサンデーもなかった。お客の姿が見えないお手上げ状態のばんざいサンデーの12月でした。
選挙の月は売れないと良く言われるが、選挙が終わった後も商戦の盛り上がり無し。
そういえば大根の値段は良く知っているが、国の経済のお話などまったく興味のない我が家人にして「アベノミクスなんて株だけが上がっているごまかしよ」と言っておりました。アベノミクスに家計を潤していく厚みがまだないんですね。空高く、金は舞っておりますが、なかなか地上に落ちてこない。
この先どうなることやら不安と憂欝で年明けとなりました。
12月としては、この店開店以来の最低の売り上げ。その中でウオッチの売り上げだけは、数量、額とも昨年とほぼ同額。もう一つは、売れるのがダメな分、貴金属の買い取り順調で、そのあたりが救いと言えば救いでした(N)
2014/12/17
景況感アンテナ11月

冬の金魚のごとく

冬の金魚って知ってますでしょ 池の底のほうに沈んでじっーとして動かないアレ 口だけぱくぱくやってますけど。今の消費者も似ていてぜんぜん動かない。食料品はともかくジュエリーなんて見向きもしない。じっーとして世の中の流れを見極めている感じ。
だから売り手の我々もじっとしているのが賢明な選択なんだけれども、それでは立ち行かなくなるから仕掛けてみる。が効果なくして労多し。
メディアは円安による物価の上昇や賃金の停滞などマイナス情報ばかりを流しているわけではなく、冬のボ−ナスのアップも株高も報じているが、マイナス情報に消費者が反応している。
再増税は延期になったけれどそれでプラスの変化があるように思えない。この業界しばらくは苦しい経営が続くと予測している。
11月はウォッチがいくらか持ち直し、バンドや修理は昨年並みだがジュエリーは平時としては過去最低。12月も期待薄の感が強い。          (N)
2014/11/17
10月の景況感アンテナ 

10月は昨年売り上げをクリアー。続いていた落ち込みが一服した。やはり宝飾品のDMを出してセールを打ったことが大きい。もともと安定していた修理も伸びたが、これも小さいけれど広告宣伝をやり続けている成果だとおもわれる。
問題は販促コストと利益の相反関係で利益プラスにもっていかなければならないわけだが、やり続ける中から解決策を見つけるしかない。リスクを考えて消極的になると現状維持すら危うくなるのが現状だろう。
消費増税後外税形式が一般的になったが、それは痛税感を必要以上に増幅させるもの。消費低迷の一因になっている。案外10%に早くあげてしまったほうがすっきりするかもしれない。(N)
2014/10/15
9月景況感アンテナ

8月に引き続き景況感は悪い。ウオッチもジュエリーもだめ。ジュエリーは、まとまったものが売れないので、昨年同月の6割程度。
伸びたのは時計のバンド。修理は安定。要はモノが売れないということ。消費者にアベノミクス期待の浮かれ足はない。しっかり現実的。
卸のおばさんの一言「なんか風景が変わっちゃいましたね」、まさにずばりの状況判断。いつか来るはずの消費回復を待っていると、やってきました霊柩車で一貫の終わり。
せっせと客寄せアイディアを死に物狂いで繰り出さないと、希望の希の字が消えて行く。頼れるのは自分と自分のサイフのみだが、危機感はみんなで共有しないと、この泥沼から抜け出せない。
そういえば今は「芸術の秋」。“美しいもの”だけは、人の心を動かすかもしれない。そこに賭けてみるか。(N)
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