■初めて腕時計をしたのはいつですか

多くが高校・中学入学時に
多い順に15歳=21.0%、12歳=14.0%、16歳=13.6%、18歳=12.6%、10歳=8.8%、13歳=8.7%、20歳=4.2%。12歳・13歳は中学校入学時、15歳・16歳は高等学校入学時。18歳・20歳は大学入学・就職・成人の年齢だろう。
そういえば、かつて「○○でスタート!」という横断幕が時計屋さんに架かっていた時代があった。そのころ時計には、節目の記念品として大きな存在感があった。昨今はケイタイなどの普及で時計を持たなくなった人が多いと言われるが、アンケート結果で見る限り、多くが成人前に時計と“出会っている”ことは確かだ。
面白いというか、4歳、5歳など10歳未満があった。これは親などが回答したものか。逆に最高齢は62歳で、まさか時計を知らなかったということはないだろうから、これは何らかのこだわりでもあって時計をしなかったものなのか。また、31歳、41歳などとの回答もあり、これも同様か、あるいは記憶を懸命に辿ったものか。
■腕時計をプレゼントしたことがありますか
 
www.e-tkb.com(時計美術宝飾新聞社)は、業界のより良い商品つくりと販売に向け、WEBアンケートで多様化する消費者意識を定期的に調査している。昨年秋に行なった調査は「時計を初めてした年齢」「プレゼント」「待ち合わせ」「マッチング」などを聞いた。
回答は602人(男性339人、女性263人)で、年齢は10代4.5%、20〜30代55.2%、40代21.1%、50代12.1%、60代以上6.6%。
職業別では会社員53.6%、主婦13.4%、学生7.5%、自営業6.9%、
自由業3.6%などだった。

3人に1人は 贈ったことがある
プレゼントしたことがある=35.2%、したことがない=64.8%。
3人に1人は腕時計をプレゼントしたことがある。時計の“役割=ギフト”のひとつの側面を表して、この数字は決して小さいものではない。プレゼント(した、された)の機会としては、入学祝いや就職祝い、誕生日などが挙がる。「30年前に初めての給料で買い、いまでも愛用している」「小学生のときに祖父に買ってもらい、いまでも気に入っている」などの回答からは、背景ストーリーが見え、時計に対する愛着を感じることができる。
■待ち合わせ、待つほうですか、待たせるほうですか
■時間にルーズな人がきらいですか

6人に1人は待たせる当然?
8割はきらい
待つ=83.2%、待たせる=16.8%。き らい=82.1%、きらいでない=17.9%。
「待つ」といっても色々あるが、ここでは「待ち合わせ」についての質問。待つ方が8割を超えているのは極めて常識的なところか。もっとも双方が待つ姿勢なら、結局予定より早めに会うということになり、5分か10分早めに予定の場所
 
に行くということだろう。一方、待たせて平気というのは常識としてあり得ないとすれば、よんどころない事情があって遅れたと理解するべきか。いずれにせよ、現実としては待たせる人が6人に1人はいるということだ。
時間にルーズというか無頓着な人はよくいる。誰だって時間にルーズな人は歓迎しないだろう。時間を考えなかったことが大きなミスに繋がるということはままあることだ。それでも時間にルーズなことをきらいとは思わないという回答が2割近くあるということは、いささか驚きではある。優しいのか、自分もそうだからなのか。
「ケイタイは時計の替わり、これで時間を確認する」という人は多いが、「ケイタイに頼る人は、ほとんど約束より早く来ることはない」という声がある。
■オンとオフでは腕時計を替えたいですか
替えたい=77.9%、そうは思わない=22.1%。
■気分や季節によって腕時計を替えたいですか
替えたい=76.7%、そうは思わない=22.3%
■ファッションと腕時計のマッチングを気にしますか
気にする=78.7%、気にしない=21.3%
 
時計は
「重要なアイテム」
8割は「着替えたい」
ユーザーは時計をどのように捉えているのか。「身につけるものだから愛着を感じる」「生活に欠かせない、大切なパートナー」「時計をしていないと落ち着かない」。これらは時計を重要なアイテムと考える人たち。さらに「良い時計を付けることはステータス」「キャリアウーマンは素敵な時計をしている」「時計が似合う人は仕事ができる」「男のアクセサリー」「つけている時計によってセンスが問われる」というのは個を引き立てるアイテムとして時計を捉えている人たち。
一方、「あくまでも時刻を知るための道具。それに何百万円もの価値は理解できない」「必要のない機能ばかりが魅力とされるのは不思議だ」という声もある。
オン・オフや季節によって時計を着替える”、ファッションとのマッチングを“気にする”人が8割、そうしたことは“気にしない”人が2割。正直、そんなものかな、という割合ではある。
もはや一般的社会生活をおくる意味で時計を持っていないと困るという環境ではない。時代とともに時計の役割も変わる。「時間はケイタイ、時計はデザイン、ファッション」と捉える人は多い。しかし「ビジネスの場でケイタイで時間を確認するのはいかがなものか」「社会人として、やはり時計はつけたい」という指摘はそれなりの意味はあると思うがどうだろうか。
■電波クロックを知っていますか
知っている=78.2%、知らない=21. 8%
■電波時計クロックを何本持っていますか
1本=33.3%、2本=12.7%、3本=3.6%、4本=0.4%、8本=0.2%
選択肢を広げて
電波クロックについては、正確で狂わないところがいいとの評価。少々重たい、薄いモデルが欲しい、もっとおしゃれなデザインをと、選択肢の広がりを期待する声が多い。充電(蛍光灯でも大丈夫とあるが太陽光でないとだめだった)の説明をきちっとして欲しいという声があった。

大切な時計を末永く使うには、メンテナンスが肝心だ。どんなに高級な時計でも精密機械である以上、一定期間経てばオーバーホールも必要になる。メーカー(輸入代理店)は基本的にそれぞれ修理部門を持ってはいるが、それをサポートし、また一般ユーザーにも対応するのが修理工房だ。東京・神宮前の潟lクストステージを訪ねた。
大切な時計を末永く愛用
潟lクストステージ

 潟lクストステージは2008年4月、スイス製高級時計輸入商社椛蜻商会グループと日本では数少ない完成時計メーカー褐Q馬精密の合弁会社として設立された。一般社団法人日本時計輸入協会のサポートメンバーとして、高級時計の修理、輸入時計の保守・入荷点検等、多くの輸入代理店からの依頼に応じ、最新の設備を備えたアトリエで、マイスター公認時計師(CMW)をはじめ優れた技術者7人が、豊かな知識や経験、卓越した技術で行き届いた修理・対応を提供している。
大手輸入代理店の依頼だけでなく、最近はホームページを見て、技術者の確保やパーツの調達が困難な地方の小売店、さらには一般ユーザーからの問い合せや依頼も増えている。
  修理等の対応はクオーツ時計からシンプルな機械式時計、複雑機構の付いた機械式時計、高級ジュエリー時計まで幅広い。
3〜4年に一度は行ないたい分解掃除(オーバーホール)。長く使っていることによって生じるケースの傷、ガラスのヒビ割れ等を蘇らせる研磨仕上げ。
ケース・ブレスレットの駒、オリジナル革ベルト、複雑なカットガラスやカーブしたガラス、文字盤などを作る技術、さらに塞がれた裏蓋に替えて機械の動きが見えるようにシースルータイプの裏蓋を作り直す技術などによる特殊加工修理。
 
 
これらは、最新の設備と熟練の技術者がいてはじめて可能なことだ。代表の太田さんは世界に800人程度しかいないCMWの資格を持ち、40年以上時計の開発企画に携ってきた。スタッフは、ヒコ・みづのジュエリーカレッジの講師、東京ウオッチテクニカムの講師を歴任した技術者、同カレッジのマスターコース出身者、ウォステップ(スイス)資格を持つ若手技術者など、いずれも高い技術力を有している。「メーカーは古いモデルの修理を行わない傾向にあるが、当アトリエでは、培った技術でそうしたものにも対応するようにしている。また本来の裏蓋を残しながらシースルータイプに特殊加工するなどカスタム対応も行なっている」と技術者としてのプライドを感じさせるが、一方、修 理の問題点への指摘も行なう。「メーカーがブランドの名にかけてコンプリートサービスを行ないたいとすることは理解できる。
 
  しかし、防水、耐磁、表示方法などは約束ごとがあるが、修理に関しては工業品としての基準が時計にはないということが問題だ」。オーバーホールに関しては、「問題は多いが、まず売るときに定期点検が必要であることをユーザーに想定金額設定を含めてきちっと伝えなければいけない」。修理に対するユーザーの不満や疑問をよく耳にするが、製販ともにきちっとした説明が必要であり、またユーザーもきちっとした認識を持つ べきということだろう。
潟lクストステージ

東京都渋谷区神宮前2-6-17 ARAビル2階
TEL:03-6826-7447 FAX:03-3423-1702
http://www.next-stage.co.jp
◆代表者(代表取締役) 太田武男
◆設立 2008年4月
◆事業内容 時計の修理および保守検品、製造、販売




| HOME |