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イタリアジュエリー事情 ナポリが生む芸術「カメオ」



ナポリの高級リゾート地・アマルフィ海岸に並ぶ別荘

イタリア南部のカンパニア州の州都「ナポリ」。“ナポリを見てから死ね”のキャッチフレーズは、きっとどなたも一度は耳にされたことがあるはず!この風光明媚な観光地は、ローマのテルミニ駅から急行で2時間半で到着です。“ピザ”(ピッッア)の起源地としても有名ですが、その起源はアラブ圏のパンの一種のピタがナポリに伝わったことから始まったといいます。皆様おなじみのナポリピザの代表、マルゲリータは、1889年マルゲリータ王妃がこの地を訪れたときに、イタリア国旗の3色(赤―トマト・緑―バジリコ・白―モッツァレラチーズ)を生地に使用して歓迎の意をあらわされたことに由来するとか。全てのことにはいろいろな意味があるものなのですね。


ナポリが生み出す芸術「シェルカメオ」

日本の鹿児島と姉妹都市を結ぶナポリの伝統工芸に、世界的に有名な「シェル・カメオ」があります。特に、「トーレ・デル・グレコ」の街は別名カメオの街として有名ですが、観光客にはあまり馴染みの少ない古きよき南イタリアです。
たくさんのカメオが並びますね。これは全てシェル(貝)カメオです。ちなみにカメオとはラテン語で「浮き彫り」という意味で、施す細工のことです。カメオには他に母体を石(貴石・めのう・大理石)や、象牙、陶器などの素材から製作されるものもありますので、どうぞお間違いなく!

ちなみにシェルカメオの場合は、母貝となる貝の成長に長い年月を伴うため、大きなサイズは貴重であり、高価なものとなります。最もポピュラーなサイズは50〜60mmを目安にされると良いでしょう。また、シェルカメオの命ともなるその“彫り”の良し悪しですが、細工の細かさと、洗練された仕上げ、刻まれるモチーフの芸術性などに注目してください。美術品でもあるカメオのモチーフの絵柄は、お好みで選ばれることをお薦めいたします。


作家物のカメオ
多くのシェルカメオの中でも、特に「作家物」といわれる作品には高値が付きます。
1点1点全てがハンドメイドの表情に、それぞれの個性が光ります。古代から近世にかけては装飾品としてよりもお守りとして、男性たちによってつけられていた神聖なものでした。かのナポレオンも愛したというカメオは自らの結婚式にはカメオをつけたそうです。また、パリにはカメオの彫刻技術を学ぶ学校を設立したといいますから、その歴史的に見るカメオへの造詣の深さを、改めて感じます。今ではシェルカメオが最も一般的ですが、実はめのう(石)の原石が始まりでした。その原石が間に合わずにイタリアで貝を使用したことから、シェルカメオが誕生したのです。


ナポリのカプリ島上空から、はるか向こうにはヴェズヴィオ火山が見えます。

チョイ悪おやじで一躍有名になった、日本で活躍するイタリア人タレントの、パンツェッタ・ジローラモ氏が、ここナポリの出身者であることは、意外と知られてないかも?
また、イタリアを代表する大女優に、あのソフィア・ローレンがいたことはご存知でしょうか?

 

ポンペイの遺跡に画かれていた天使

西暦79年にヴェズヴィオ火山の大噴火で、遺跡となった街ポンペイ。その遺跡の中で
とても愛らしい壁画を発見!風化しつつある当時の彩画に天使が画かれていました。

 

ポンペイの遺跡と胡椒の木

火山国でもあるイタリアは20の州からなる国家です。ボッティチェッリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラッファエロと、多くの芸術家を生み出してきた芸術国家。そのイタリアが生み出す日本でもおなじみの人気のイタリアンジュエリーからは、目が離せません。ブルガリやポメラート、ダミアーニにグッチは、もうお馴染みですね。最新鋭のトレンドと共に息づく遺跡の姿は、まさに「温故知新」の一言がぴったりの国。胡椒の木が夕暮れの風に揺らいでいました。

 
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