勉 「これはウケるという声は多かったように思いますね」
マナ 「ビジネスに結びつくということに関しては意識してデザインしています。やはりジュエリーは買っていただいた人が身に着けて初めてプロダクトとしての価値が出てくるものだと考えていますし」
憲子 「将来は海外進出もできたらいいですけど」
マナ 「夢ですけど」
勉 「でも夢は持たないとね」

憲子 「若いデザイナーの人たちには基礎をきちんと学んでもらいたいですね。今はカタチだけ名前だけというデザイナーも中にはいますよね。でも生き残っていくためには基本的な学問、デッサン力、造形力、表現力、素材への知識など、人間的な面も含めてトータルなものを身に付けてはじめて本物になれるのだと思いますよ。簡単にデザイナーという横文字の職業への憧れだけでは無理なこと」
マナ 「美術の世界でもそうですよね。小さい頃に父によく言われたんですが、ピカソの絵を見て私があんな変なものは自分にも描けるんじゃないかって言ったら、ピカソのデッサンを見てみろと。あれだけのデッサンが描けるからその先にあの絵、表現力があるんだと。最初からそれを真似したらどうしようもないよとよく言われました」
勉 「覚えてないけどな(笑)」
マナ 「安価なジュエリーの中には、それなりのカタチにはなっているんですけど“らしい”だけのものがありますよね。若い人たちがそれが普通なんだと思ってしまったら、本当にいいものが淘汰されていってしまうんじゃないかという危機感はあります」
憲子 「マナには十代の頃からカルティエなど一流の海外ブランドのものを買って着けさせてみたんですね。なぜそれがいいのかとか、はめた感覚や細かい作りなどをエンドユーザーの立場でも体験させるためにです。若い頃はターゲットとなる40〜50代の人の感覚がわからないじゃないですか。そういう意味でも若い時から本物に触れるというのは大切なことだと思います」
勉 「海外のブランドというのは歴史があるし、それからなんといってもクリエイターを大事にしますよね」
マナ 「日本はクリエイターに対する評価が低いと思うんですよ。金銭的な面も含めて。日本て資源が何もない国なのに、そこを評価しなくてどうするの?って思いますよ。みんな海外へ出て行っちゃいますよ」
憲子 「デザインに限らずいろいろな分野でそういうことは起き得ますよね」
マナ 「海外に憧れがあって勉強しに行くじゃないですか。でも向こうで賞を取ったりクラスで注目されるのは日本人が多いんですよ。私もニューヨークに留学しているときに、あ、日本人てすごいんだと思いましたね。アメリカの人は発想力や面白いアイデアは持っているんですけど、それを具現化してみせる根性がないんですよ(笑)。他のアジアの人たちもがんばるんですけど、総合的にセンスがあって技術があって根性もあるのは日本人じゃないかなって感じますね」
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